徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)11月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1109 四面

DMAT訓練に初めて参加
札幌東徳洲会病院
大規模災害へ地域で備え

札幌東徳洲会病院は10月21日、日本DMAT(災害派遣医療チーム)北海道ブロックの実働訓練に参加した。DMATとの連携による災害訓練は初めて。大規模災害で多数の傷病者が自院に運ばれるという想定の下、約70人の職員が出席し、駆け付けたDMATと連携を図りながらトリアージ(重症度選別)や傷病者の搬送訓練などを行った。終了後には非常用保存食の試食会も実施。岸郁夫・事務部長は「課題が見えて良かった」と手応えを口にし、災害訓練の充実に意欲を示した。

到着したDMAT隊員と状況確認を行う向井医長(左から3人目) 到着したDMAT隊員と状況確認を行う向井医長(左から3人目)

DMATの実働訓練は、迅速かつ効果的な広域災害医療体制の確保と緊密な連携強化を目的に、全国8ブロックで定期的に実施。北海道ブロックは10月20日から2日間、道内の各地域で行われた。

札幌市では21日、道内のDMATチームが市内の北海道災害拠点病院5施設、市独自の制度で指定を受けている札幌市災害時基幹病院12施設と連携し訓練を実施。札幌東病院は災害時基幹病院であることから参加した。

訓練は午前8時半にスタート。大規模地震が発生したことを知らせるアナウンスが流れると、1階の医事課に災害対策本部を設置し、医師、看護師、コメディカル、事務職員が各部署から約50人集結した。同院は訓練でも、診療をはじめ本来業務を制限することなく、通常どおり実施。

学生に傷病者役のポイントを説明する瀧センター長(右から2人目) 学生に傷病者役のポイントを説明する瀧センター長(右から2人目)

太田智之院長は外来診療を担当していたため、訓練では「院長が学会参加中で不在」と想定し、災害マニュアルに則って岸・事務部長が災害対策本部長を務めた。

岸・事務部長は、主に本部で対応する職員と、来院した傷病者に対応する職員に分け、担当の場所にそれぞれ配置。本部では情報収集・整理に努めたり、広域災害救急医療情報システム(EMIS)に状況などを入力したりした。

傷病者への対応では、時間外外来スペースの前をトリアージポイントにし、次々と訪れる傷病者の重症度に応じ、処置ブースに誘導した。傷病者役は救急救命士を目指す地元の学生約40人が協力。訓練前に瀧健治・救急センター長が説明とともに、できるだけリアルな状況になるようアドバイスすると、学生は大声で助けを求めたり、ふらついたりするなど、熱のこもった演技を見せた。

トリアージポイントで来院した傷病者を振り分ける職員 トリアージポイントで来院した傷病者を振り分ける職員

途中でDMATが合流。本部でDMAT受け入れ班の向井信貴・心臓血管外科医長から状況説明を受けると、院外のDMAT本部と連絡を取りながら各エリアのサポートに入った。入院患者さんの搬送シミュレーションも行い、5階ICU(集中治療室)の患者さんを1階玄関先に停車している救急車まで運んだ。災害で院内のエレベーターが使用できない状況を見越し、患者さんを担架に移して階段で移送した。

エレベーターが使用できない設定で、ICUの患者さんを救急車まで運ぶ訓練も エレベーターが使用できない設定で、ICUの患者さんを救急車まで運ぶ訓練も

途中、トリアージポイントのスタッフが、各ブースの状況がわからず、重症度選別後の対応にとまどう場面などが見られた。だが、大きなトラブルなく訓練は2時間半で終了。最後にDMAT隊員らと訓練を振り返り、状況に応じた対応について協議した。

岸・事務部長は「DMATの来院を想定し、こんなに多くの職員がかかわる訓練は初めて。とても勉強になりました。開始直後はかなり混乱し、いろいろなところから寄せられる情報の共有・整理ができなかったので、もう少し役割を明確にしたほうが良いと感じました」と振り返った。

傷病者役は症状などが書かれたボードを身に着ける 傷病者役は症状などが書かれたボードを身に着ける

統括DMATとして訓練の企画や運営を中心的に携わった函館市立函館病院の平山傑・救命救急センター副センター長は「初めての訓練で大変だったと思いますが、勉強されて臨んでいるのを感じました」。続けて「札幌東病院のように救急部門がしっかりしている病院だと、つい他部署が救急部門に任せがちです。訓練の継続を考えると、全医療従事者の協力が重要ですから、病院を挙げて取り組めるように頑張ってほしいと思います」とアドバイスを送った。

終了後は院内に備蓄している非常用保存食を試食。炊き込みご飯は、具を入れ水を注ぐだけで簡単にできる 終了後は院内に備蓄している非常用保存食を試食。炊き込みご飯は、具を入れ水を注ぐだけで簡単にできる

傷病者役の学生からも「将来に向け、やるべきことを病院の方から学びました。参加して良かったです」と好評だった。訓練終了後には非常用保存食の試食会を院内で実施。自院で備蓄している缶詰や簡単につくれる炊き込みご飯を実食した。

岸・事務部長は、自院の地域を含め近隣に3つの断層が確認されており、地震で大きな被害が出る可能性を示唆。「もっと訓練を積み重ねないといけないと感じました。今回、参加できなかった職員も訓練にかかわれるように、災害に関する当院独自のイベントを工夫していきたい」と意気軒高だ。

PAGE TOP

PAGE TOP