徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)10月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1104 三面

特別寄稿
病院運営における情報の
一元化とその利用 ㊦

より多くの医療機関の運営支援

尾﨑勝彦 徳洲会インフォメーションシステム社長 尾﨑勝彦 徳洲会インフォメーションシステム社長

徳洲会グループは、前回までに紹介したBIツールなどのほかにも、ネットワークを利用した離島・へき地の医療支援、がん化学療法における標準治療統計、大規模治験の遠隔SDV(Source Data Verification)システム、電子カルテデータの遠隔バックアップやBCP(事業継続計画)などの運用も行っています。また、7年間で1,000万人を超える医療ビッグデータの蓄積も実現しました。国との医療情報データベース(MID-NET)の構築(徳洲会グループは10病院分を提供)も進み、2018年には大学、研究機関、製薬会社などで利用される予定です。

現在、医療データは疫学統計にも利用されるようになり、国内外の学会で徳洲会メディカルデータベースとして、いくつかの発表も行われました。AI(人工知能)が医療を変革していく近未来に向けて、医療ビッグデータからAIが疫学統計を容易に抽出、結果を出せるデータ構造を構築することが重要です。また、Data Scientistの育成にも注力していかなければなりません。

今年からグループ外の病院に対してもシステム導入の支援をさせていただくようになり、患者さんのために、より多くの医療機関が円滑に病院運営できるように当社一丸となって取り組んでいます。また、医療情報だけではなく経営情報、人事情報などを集約化したデータベースを用い、臨床を支援するAIだけではなく、病院運営を支援するAIなども手がけていきたいと思っています。

最後に、コンピューターシステムの導入・維持費は年々、増加傾向にあります。もちろん、コスト削減の工夫は各病院でなされていると思います。人事、給与、物品、会計情報などのデータ容量は、問題となるような保存コストではありませんが、年々増加する電子カルテやPACS(医用画像保管電送システム)、動画などのデータは、ハードの更新ごとにストレージを大きくしています。紙カルテやフィルムの時代は、保管するスペースが問題でしたが、今は肥大化データの保存にかかる費用が無視できなくなっています。

情報を有効活用し病院運営や診療を支援 情報を有効活用し病院運営や診療を支援

将来的には、データ保存環境インフラが変化すれば、こうした問題を解決してくれるかもしれませんが、法的保存義務期間を除いて、蓄積されたデータが活用されなければ、ただのゴミでしかありません。

消去する選択肢もありますが、ゴミにならないように蓄積データは整理整頓し、必要な時に取り出し、BI、疫学統計やAIに必要なデータとして、最適化されていることが大切です。さもなければコンピュータの維持コストは、それを上回る付加価値を生みませんし、単なるインフラコストとして大きな負担だけが残ってしまいます。

この付加価値は単独病院だけではなく、互いに問題点を共有できる病院群で考えれば、価値はもっと上がると思います。その手助けを当社が担えるように積極的に取り組んで行きたいと考えます。

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