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Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)7月31日 月曜日 徳洲新聞 NO.1093 四面

北原・千葉徳洲会病院副院長
カザフスタンでライブ手術
世界脳神経外科連盟の技術援助

千葉徳洲会病院の北原功雄・副院長兼脳脊髄(せきずい)神経外科センター長らは6月2日、カザフスタンの病院で脳神経外科ライブ手術を実施した。これは世界脳神経外科連盟(WFNS)の開発途上国への技術援助の一環で、カンボジア、ベトナムに引き続き今回で3カ国目。

カザフスタンでも最高難度の手術に奏功 カザフスタンでも最高難度の手術に奏功

患者さんは67歳女性で巨大な前交通動脈瘤(りゅう)があり、半球間裂からのアプローチでクリッピング術(クリップで動脈瘤をはさむ手術)を実施した。動脈瘤は破裂すると即死の可能性もある。今回の症例は破裂寸前の状態だった。

大きな動脈瘤に隠れた穿通枝(せんつうし)を傷つけると、意識障害や認知障害が出てしまうため、手術の難易度は高い。北原副院長が選んだ半球間裂アプローチは、動脈瘤までの到達は難しいが、到達すると広い視野を確保できるため、穿通枝を傷つけずにクリッピングできる。現地の医師からは「こんなアプローチ法は見たことがない」と感嘆の声が上がっていた。

さらに、北原副院長はクリッピングしやすくする手技も披露。日本から持参したバイポーラ(双極凝固器)を使って動脈瘤を圧縮したり、動脈瘤に入ってくる血液を遮断した後、動脈瘤自体の血液を吸引して小さくしたりと、正確で安全性の高い手術を行った。

日本から看護師2人が同行し、手術をサポート。1人は手術台や手術器具のセッティング、1人は器械出しを現地の看護師に指導しながら行った。

現地スタッフと北原副院長(右)らが手術後に記念撮影 現地スタッフと北原副院長(右)らが手術後に記念撮影

手術の様子は別室でも映像をとおして30人以上が見学したが、手術が終了すると「ブラボー」と歓声が湧き起った。また、手術室には現地のテレビ局のカメラも入り、後日、ニュースで放映された。

北原副院長は「開発途上国の医師は方法を知らないだけで、指導すればできるようになります」と現状を説明し、さらに「私が指導した各国の医師が難易度の高い手術を行い、世界中の患者さんを救うことにつながれば嬉しいです」とにっこり。

今後は11月にケニア、12月にベトナム(2回目)でライブ手術を予定。

「また手術を見たいと思っていただけるのは、友好の証しだと思います」と北原副院長はアピールする。

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