2017年(平成29年)7月3日 月曜日 徳洲新聞 NO.1089 四面
他人事とは言えない病気
「眠れない」はその背景を診る
最近、お笑いコンビ「インパルス」の堤下敦さんが、東京都狛江市の路上で意識が朦朧(もうろう)とした状態で見つかった。自宅近くの銭湯で、牛乳と一緒に医師から処方された薬を飲んだところ、体調がおかしくなったという。本人は「蕁麻疹(じんましん)がつらかった、眠れなかった」と話している。
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)総合内科の新津敬之医師は「報道では眠れないとの話ですが、背景の蕁麻疹、また他に甲状腺などのホルモン異常を含めた原因に関してアプローチします。その中でご高齢の方を見る機会が多い身としては薬剤自体による悪影響はないかも必ずチェックしないといけません」と注意を喚起する。「睡眠剤は睡眠作用だけでなく、抗不安作用のほかに、筋弛緩作用、抗コリン作用なども含みさまざまな悪影響を及ぼします。私は患者さんがなぜそうなったかの経緯と、その背景に注目します。世間とのつき合いは避けて通ることができません」と新津医師。
高齢の方の場合、筋力低下や食生活の乱れが薬効を阻害することがある。「ご高齢の方は他にもたくさんのお薬を飲まれています。その結果、容易に転倒し、意識朦朧となり、最悪、過剰な鎮静で命にかかわることもあり、睡眠剤の処方はできるだけ避けたいです。なかにはとにかく薬を出して欲しい、処方すれば安心するという方も多くいらっしゃいます。安易に処方するのを良しとしない心構えも必要です」(新津医師) 。
眠れない時には次の注意が必要だ。
「眠らないといけない、という考え方にも注意する必要があります。加齢とともに睡眠時間の絶対量が少なくなってくるので、患者さんには眠たくなってから布団に入るように試してもらいます。もちろん、困った時は相談にのりますので、病院受診を勧めます」と新津医師は言う。