2021年(令和3年)3月8日 月曜日 徳洲新聞 NO.1277 四面
教えてドクター 発達に影響の可能性も
工藤直子
高砂西部病院(兵庫県)
小児科部長
Q「子どもが冬でも氷をかじりたがります」(35歳・女性)
お答えします。
A
小児鉄欠乏性貧血かもしれません。口の中の違和感から氷を食べたくなる「氷食症」は、鉄欠乏性貧血によく見られる症状のひとつです。小児の鉄欠乏性貧血は、9カ月~1歳半くらいまでの乳幼児と、思春期の女の子に多く見られます。思春期の子どもの場合は、氷食症や立ちくらみなどが現れるため発見しやすいのですが、問題は乳幼児。貧血でも普通に泣き、食べ、元気いっぱいの子も少なくありません。しかし、この時期は、母親の胎内で得た鉄の貯えが減る一方、肉など鉄分を多く含んだ食物を十分に摂ることができず、どうしても鉄分が不足しがち。
脳の成長には多くの鉄分を要するため、この時期の鉄欠乏は不可逆的に子どものその後の発達や性格形成に影響を及ぼす可能性も示唆されています。食物から摂る鉄分は、過剰な場合は自然に体内から排出されますから、摂りすぎを気にせず、この時期に鉄不足になることを見越して、6~7カ月頃から鉄分がしっかり入った離乳食を食べさせたり、母乳に含まれる鉄分を増やすため、お母さんも意識的に鉄分の多い食材を摂ったりするように心がけてください。