徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)8月3日 月曜日 徳洲新聞 NO.1247 四面

八尾病院の管理栄養士
ICUや外来化学療法
患者さんへの介入強化

多職種連携で存在感を発揮

【写真上】ICUでのカンファレンス。小山室長(左)はタンパク質の投与量やエネルギー量などを確認。【写真下】その後すぐに外来化学療法室でカンファレンス【写真上】ICUでのカンファレンス。小山室長(左)はタンパク質の投与量やエネルギー量などを確認。【写真下】その後すぐに外来化学療法室でカンファレンス

八尾徳洲会総合病院(大阪府)の管理栄養士は、4月から多職種との連携を強化、ICU(集中治療室)や外来化学療法の患者さんに対し、積極的にかかわり、存在感を発揮している。

具体的に、ICUでは専任の管理栄養士を配置し、全患者さんに栄養スクリーニングを実施。必要に応じて入室から48時間以内の栄養評価、栄養管理計画の作成、経腸栄養などの開始を行う。経腸栄養などを開始した後は看護師による1日3回以上のモニタリングを行い、その結果をふまえ専任の管理栄養士が栄養計画の見直しや、新たな計画の下での栄養管理、再評価などを実践。患者さんに早期介入することで、早期の離床や在宅復帰を促す。

小山洋史・栄養科室長(管理栄養士)は「以前からNST(栄養サポートチーム)でICUにかかわっていましたが、より死亡率の低下や在院日数の短縮を期待し、専任の管理栄養士を2人配置しました」と説明。「毎朝、医師や看護師、薬剤師、理学療法士、診療放射線技師、臨床工学技士らとのカンファレンス(会議)を行いながら、集中治療が必要な患者さんや術後の患者さんに介入しています」と明かす。

一方、外来化学療法では、抗がん剤の副作用などで食事がままならない低栄養の方などに、少量で栄養を摂取できる食事や複数回に分けて食事を摂取する方法などを進んで提案。外来化学療法への関与も従来から行っていたが、「以前は医師やスタッフから依頼があった場合に行っていましたが、より個別のニーズに応え、きめ細かい栄養管理を継続して行いたいと、全患者さんに介入することを目標にしています」と小山室長。

ICUでのカンファレンス後、毎朝、管理栄養士が外来化学療法室に赴き、薬剤師や看護師らとカンファレンスを行っている。

小山室長は、こうした活動を通じ、スタッフ間の関係強化も図られている点を強調する。「電子カルテの導入前と比べ、導入した現在は他職種とコミュニケーションを直接図る機会が減りました。質の高い栄養管理を行うには他職種の力が不可欠。毎朝、各現場でカンファレンスに参加する意義は大きいです」。

今後、同院は活動を継続しながら結果を分析していく方針。「4月の診療報酬改定を見ると、管理栄養士に期待する内容がうかがえます。国の期待を患者さんに還元できるように努力していきたい」と小山室長は意欲を見せる。

八尾病院以外にもこうした活動を行っている徳洲会病院がある。

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