徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)4月20日 月曜日 徳洲新聞 NO.1232 三面

臨床宗教師が傾聴活動
札幌南病院 スピリチュアルケア

札幌南徳洲会病院は、臨床宗教師による「スピリチュアルケア」を実施している。臨床宗教師とは一般社団法人日本臨床宗教師会の資格制度で、被災地や医療機関、福祉施設などで心のケアを提供する宗教者。死と向き合う患者さんが「どう生きてきたか、どんな思いを抱えているか」など聞き取り、ケアに役立てている。

「臨床宗教師の会話記録は重要」と工藤昭子・看護部長(左)と須藤・看護師長「臨床宗教師の会話記録は重要」と工藤昭子・看護部長(左)と須藤・看護師長

札幌南病院で2年ほど前から傾聴活動をしている米本智昭・臨床宗教師は青峯山観音寺の住職。須藤純子・看護師長(緩和ケア認定看護師)は臨床宗教師をどうチーム医療に組み込んで良いか悩んでいたことを明かし、「まずはボランティアとしての活動をお願いしました。しかし、すぐにその価値に気付き、専門職としてチームカンファレンスに参加していただき、ケアの方針にアドバイスなどしていただくようになりました」と経緯を説明する。

傾聴活動では、主に緩和ケア病棟に入院している患者さんに対し「スピリチュアルケア」を行う。これは患者さん(含む家族)が、希望や生きる意味を喪失し苦悩に直面した時、患者さん自身がその苦悩を受け止め、悩み苦しみ、乗り越えたり、受け入れたり、拒否したりする「プロセス」を支えるケア。死と向き合う患者さんの人生の意思決定支援につながる。

米本・臨床宗教師は、スピリチュアルケアの際に患者さんと話した内容を同院の職員にも共有。同院で傾聴活動を始めた当初は、患者さんとの会話記録に所感を添えてメールで提出していたが、臨時職員となった現在、会話記録などを電子カルテに記載できるようになり、より職員内で共有しやすくなった。

須藤・看護師長は「患者さんは医療者に対し、忙しそうだからと、話すのを遠慮してしまうこともあります。一方、臨床宗教師のような専門スタッフには、どう生きてきたか、どんな思いを抱えているかなど医療者に話しにくい内容も話しやすいようです。その情報が患者さんを理解し、信頼関係を構築するうえで重要になりますので、米本さんの会話記録はとても参考になります」と太鼓判を押す。

チームカンファにも参加

スピリチュアルケアを説明する米本・臨床宗教師スピリチュアルケアを説明する米本・臨床宗教師

現在、米本・臨床宗教師は週に1回ほど同院を訪問。まずはチームカンファレンスに参加し、そこでスピリチュアルケアが必要な患者さんについて説明を聞き、その後に傾聴活動を行う。1回の訪問で1~2人の患者さんを担当し、時間は決めずに実施、15分ほどで終わる時もあれば2時間以上かかる時もある。

須藤・看護師長は「死と向き合う患者さんのなかには、スピリチュアルケアを繰り返し行う必要がある場合もあります。しかし、1週間で容態が変わる患者さんもいるため、できればもう少し頻繁に実施できれば良いというのが理想です。その場合、私たち看護師がスピリチュアルケアを理解し、患者さんに実践できなければなりません」と強調する。

そこで、同院では米本・臨床宗教師を講師に招き、「スピリチュアルケア」をテーマに、複数回にわたり院内勉強会を実施。2月14日の勉強会では、実際の患者さんとの会話記録を紹介、意図を解説すると同時に、自分自身の対応を振り返った。

米本・臨床宗教師は「患者さんがスタッフを信頼してくださる時、それは自分のスピリチュアルな苦悩を軽減してくれるからではなく、むしろそれが軽減できない苦悩であることを理解してくれる人だからではないでしょうか」と説明。

さらに、「当事者が現実を受け入れるように導くことだけにケアの意味があるのではなく、現実を受け入れられない患者さんを、周囲が〝認めて受け入れてさしあげる〟ことに大きな意味があります。あなたは、あなたのままで大切な人です」と強調した。

須藤・看護師長は「今後はスタッフのグリーフケア(深い悲しみから立ち直らせるサポート)にもかかわっていただけると良いと思います」と展望する。

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