徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)6月4日 月曜日 徳洲新聞 NO.1136 三面

多様な連携で医療革命
出雲・武田薬品工業
再生医療ユニットGHが講演

自社の取り組みを交え新時代の医療を語る出雲GH 自社の取り組みを交え新時代の医療を語る出雲GH

武田薬品工業の出雲正剛・再生医療ユニットグローバルヘッド(GH)兼日本サイエンティフィックアフェアーズヘッドは「武田薬品の再生医療とオープン・イノベーションへの取り組み」と題し講演した。

はじめに、製薬企業の創薬研究や研究開発のプロセスについて説明。1980年代後半から2000年代までは、低分子医薬品(分子量が小さく、体への吸収が良いといった特徴をもつ)が主流だったが、近年は生物製剤業界の成長が加速し、新たな抗体や治療方法が開発されたことで、高分子医薬品(バイオ医薬品など主に注射で用いる薬)の割合が増加。新薬のほぼ半数を占めるまでに至っていることを示した。

治療法も進化しており、最近はiPS細胞(人工多能性幹細胞)などに見られるように、人間の細胞や遺伝子を活用した技術に注目が集まっている点を指摘。一例として昨年8月に米国で承認されたCAR-T療法を紹介した。同療法は、患者さんの血液から抽出した免疫細胞を、特定の血液がん細胞を攻撃するように遺伝子改変し、再び患者さんに戻す治療法。これにより米国人の少女に繰り返し再発していたリンパ性の白血病を根治したエピソードを披露した。

「画期的な治療が可能な時代」と、出雲GHは自社でも再生医療の応用に取り組んでいる様子を説明。社内研究はもちろん、国内外の有力な研究機関などと関係を構築し、そのひとつに京都大学iPS細胞研究所(CiRA)との連携を紹介した。

同研究所と“T-CiRAプログラム”と称して15年に大規模な共同研究を開始。全プログラムを同研究所の山中伸弥所長の指揮下で進めている。具体例としてコントロール不良のⅠ型糖尿病やデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対する治療法、がん免疫療法などの開発を紹介した。

最後に出雲GHは、こうした研究を「自前で行っていては限界がある」と、オープンにして外部のさまざまな研究機関などとともに進めていく必要性を強調。神奈川県の湘南地域に「湘南ヘルスイノベーションパーク」(湘南アイパーク)と称する研究所を開所したことを明かし、すぐ近くにある湘南鎌倉総合病院をはじめ「神奈川県内には多くの徳洲会病院があります。たとえば共同研究や実験施設の活用などで連携していきたい」と呼びかけた。

また、県内に研究機関が点在している状況をふまえて、「県全体で取り組めば、効率的にイノベーション(革新)を起こすことができるのではないでしょうか」と期待を寄せた。

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