2018年(平成30年)6月4日 月曜日 徳洲新聞 NO.1136 四面
徳洲会グループ
全国の研修医が絆を深める
合同オリエンテーション開催
徳洲会グループは5月26日から2日間、千葉県で2018年度新入研修医合同オリエンテーションを開催した。今年度は医科139人、歯科8人の計147人が入職。全国から一堂に会した研修医は、2年間の初期研修に取り組むうえで知っておくべき知識や心構えを学んだり、親睦を深めたりした。
全国の徳洲会病院から研修医144人が集まり交流
初日はまず、総合司会である徳洲会グループ研修委員会委員長の田村幸大・大隅鹿屋病院(鹿児島県)副院長が挨拶。「能力を高めるためには、できそうでできない難易度で反復練習を行い、その結果を分析することが大切です。指導医からのフィードバックはしっかり受け止めてください」とアドバイスを送った。
その後、一般社団法人徳洲会の鈴木隆夫理事長が会場に駆け付け、〝生命だけは平等だ〟の徳洲会の理念や特徴、国際医療支援の現状など紹介。「徳洲会はいつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会を目指しています。『どこでも』というのは日本だけでなく、世界中という意味をもちます。まだ道半ばなので、『目指している』のです」と強調し、研修医の今後の活躍に期待を寄せた。
「日本だけでなく世界にも目を向けています」と鈴木理事長
このあと研修医を15グループに分け、このなかでさらにペアをつくり、目標や趣味などインタビューし合った後、グループメンバーにその内容を披露する「他己紹介」を実施。最終的にはグループの代表者が会場全員にメンバーを紹介した。和やかな雰囲気のなか、研修医同士の距離が一気に縮まった。
続いて、一般社団法人徳洲会の篠崎伸明・専務理事(医療法人沖縄徳洲会副理事長)が辞令交付。「これからは人生100年の時代になり、つねに勉強が必要になってきます」と鼓舞したうえで、「これから2年間の初期研修が始まりますが、徳洲会はジェネラリスト(総合的な診療能力をもつ医師)を育てる大きな方針があります。さらに後期研修の3年間も徳洲会で過ごし、専門医取得後も活躍することを願っています」とエール。その後、各病院の代表者に辞令を手渡した。
総合司会は徳洲会グループ研修委員会委員長の田村副院長
医療安全推進のため研修医にも協力を求める福島・副理事長
次に徳洲会グループ研修委員会副委員長の今西康次・南部徳洲会病院(沖縄県)小児科部長が「2年間の臨床研修修了までに必要な事項」をテーマに講義。臨床研修制度の理念や修了基準などを説明し、電子カルテを使った到達目標管理システムも紹介。「ぜひ電子カルテの便利な機能を活用してください。皆さんの2年間の研修が実り多きものになることを期待しています」と締めくくった。
休憩をはさみ、「CVライン挿入ハンズオンセミナー」を実施。合同オリエンテーションでハンズオン(体験学習)を行うのは初の試みだ。最初に田村・研修委員長が「4月に研修が始まり、これまでにCVC(中心静脈カテーテル)挿入の経験がある人はいますか」と質問すると、約3割の研修医が挙手。ハンズオン経験も加えると、さらに約3割の研修医が手を挙げた。
篠崎・専務理事(右)からの辞令交付に研修医は緊張した様子
ハンズオンの目的は、CVC挿入時の重篤な合併症リスクの軽減、患者さんの安全を推進するための指針を学び、エコーガイド下CVC挿入手順の基礎を習得することにある。研修医は7グループに分かれ、シミュレーターを使いCVC挿入を実践。未経験の研修医が四苦八苦しながら挑戦する一方、研修医同士が教え合う姿もあった。
続いて、日野病院(神奈川県)の馬場淳臣院長が「研修医のストレス・マネジメント」と題し講義。強いストレスにより適応障害を起こす可能性を示唆し、「つらくなったらいつでも相談してください。本人が諦めない限り、徳洲会は見捨てたりしません」と語りかけた。同時に、「人間関係をうまくつくるコツは大きな声で挨拶すること」とアドバイスを送り、笑いを誘った。
CVC ハンズオンに挑戦し真剣な表情の研修医
初日最後の講義は、東大阪徳洲会病院の橋爪慶人院長による「研修医として習得すべき虐待の知識」。グループごとに異なる症例を提示し、①虐待かどうか、②子ども家庭センターに通告するか、③その根拠――をディスカッション。症例ごとにグループの代表者が回答を示し、これに対して橋爪院長が虐待を見抜くポイント、記録写真の撮り方など解説した。「虐待は医師だけで解決できる問題ではありません。早期に子ども家庭センターに通告し、介入させることが大切です」と訴えた。
歯科専用のプログラムも設け、研修歯科医は別会場に移動し受講。「歯科医としての経営分析について」、「患者クレームの対応について」をテーマに学んだ。
2日目は医療教育団体「めでぃぷろ!」の佐藤和弘メディカルアートディレクターによる「これからの医療に必要なノンテクニカルスキル~組織で問題解決する技術~」の講義からスタート。医療現場にはテクニカルスキル(専門技術)とノンテクニカルスキル(ノンテク:非専門技術)があり、前者が「患者さんを健康にするスキル」だとすると、後者はそのために「組織で問題解決するスキル」。
ノンテクをテーマに盛り上がるグループディスカッション
佐藤ディレクターは「患者さんの治療には、多職種を巻き込みながら、現場のあらゆる問題を組織で解決することが必要で、どちらが欠けても医療の質は高まりません」と強調。この考えに基づき、研修医はグループディスカッションなどで理解を深めた。
続いて、徳洲会グループ医療安全管理部会担当理事の福島安義・一般社団法人徳洲会副理事長が医療安全をテーマに講義。研修医に実践してほしいこととして、①インシデント(事故などの発生の恐れがある事態)・アクシデントレポートの提出、②医療安全管理分野の8項目の業務標準化への協力――を挙げた。
次にNPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)の野口幸洋・事務局員(一般社団法人徳洲会係長)が、TMATについて説明。徳洲会職員が多数隊員として登録しているTMATは、国内外の被災地で活動する災害医療支援団体。この設立経緯や活動状況などを紹介、TMATの研修プログラムへの参加を呼びかけた。最後に集合写真を撮影し、2日にわたる合同オリエンテーションが終了した。
研修医インタビュー
自分から積極的に臨む
瀧口翔也医師 大隅鹿屋病院(鹿児島県)
毎日忙しいですが、指導医から優しく教えていただき、ストレスなく研修を進めています。この2日間でたくさんの同期と会い、それぞれの病院で頑張っている話など聞けたのがとても励みになりました。将来は外科に興味があるので、もし手技を経験できるチャンスがあれば自分から「やらせてください」という姿勢で臨んでいきたいと思います。
2年間で医師のベースを
後生川輝医師 名古屋徳洲会総合病院
自分のやりたいことを自由にやらせていただき、とても良い病院で研修できている実感があります。この2日間で同期とたくさん話ができたのは刺激になりましたし、講義も役に立つ内容ばかりでした。私は整形外科医になるのが目標なので、3年目にスタートダッシュができるように、この2年間で医師としてのベースをしっかりつくっていきます。
同期と一体感生まれる
井上瑛子・歯科医師 東京西徳洲会病院
研修は大変ですが、自分で時間をつくらないとメリハリがなくなってしまうので気を付けています。歯科の同期が徳洲会にどれだけいるのか知らなかったので、この2日間で同期といろいろ話せて良かったです。病院によって特徴もそれぞれだと感じました。まずは1年間をしっかり過ごすことを目標に、自分の成長につなげていきたいと思います。
懇親会で研修医が自己紹介
研修医が趣向を凝らし夢や目標を表明。写真は千葉西総合病院
合同オリエンテーションに参加した新入研修医は5月26日、徳洲会グループ5月度医療経営戦略セミナーの懇親会に出席した。列席する一般社団法人徳洲会の幹部やグループ病院の四役らが見守るなか、病院ごとに院長と研修医が登壇。まず院長が研修医を紹介した後、研修医がそれぞれ趣向を凝らして夢や目標を語り、会場を盛り上げた。
タンザニアから看護師2人(中央の2人)が徳洲会グループの支援に対し謝意
懇親会には、アフリカのタンザニアで初の腎移植を実施した際、現地で治療に携わったアベラ・ムゲニ・モリス看護師とハピネス・トビアス・オボンヨ看護師も参加。湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の日髙寿美・腎移植内科部長とともに登壇し、徳洲会グループの支援に対し謝意を述べた。
最後に、医療法人徳洲会の東上震一・副理事長が挨拶。「徳洲会にはいろいろな才能が集まっています。研修医のみなさんが、私たちのもつ多様性のなかに飛び込んで来ると、驚かれると思います」と笑いを誘い、「多くの能力がまとまることで力を発揮するのが徳洲会の良さ。これからも力を合わせていきましょう」とエールを送った。