2018年(平成30年)4月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1129 三面
徳洲会救急部会
多彩なテーマで研鑽
第8回ERCCMフォーラム
徳洲会救急部会は2日間、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)で第8回ERCCMフォーラムを開催した。全体テーマは「ER困難症例に学ぶ~もう困難とは言わせない~」。2日目には徳洲会グループ6病院などが計22の演題を発表。診断、薬剤、教育、救急管理など多岐にわたるテーマについて意見を交わした。
全国から徳洲会グループ病院が参加
今回は湘南藤沢病院を会場とし、同院の内田祐司・救急総合診療部部長が当番幹事を務めた。初日は世話人会を聞き、救急にかかわる医師以外の専門職にも部会への積極的な参加を促す方針などを決めた。このほか、同院の見学会を実施した。
2日目は宗像博美・湘南藤沢病院院長の挨拶でスタート。宗像院長は「良質な医療を提供するには医療者同士の研鑽(けんさん)や連携が不可欠」とし、会を通じて知見を高めることに期待を寄せた。
積極的に意見を交換
その後、「薬剤関連」、「中毒・臨床診断」、「診断・教育」、「救急管理・救命士の活動」の4つのセッションで計22演題の発表を行い、それぞれ自院の取り組みなどを説明した。各演題発表後には質疑応答を実施、活発な議論を繰り広げた。会の最後に、次回は札幌徳洲会病院、次々回は生駒市立病院での開催を予定していることを発表した。
閉会後、昨年まで部会長を務めていた篠﨑正博・岸和田徳洲会病院(大阪府)救命救急センター長は部会内に薬剤部会が立ち上がったことに触れ、看護部会や救急救命士の部会設立も検討しているとし、「幅広く活動していきたい」と、部会のさらなる発展を望んだ。
各セクションの発表演者・演題は次のとおり(順不同)。
【薬剤関連】▼齋藤靖弘・札幌東徳洲会病院薬剤師「ER専従薬剤師による薬歴情報取得代行の現状」▼村田翔・湘南藤沢病院薬剤師「救急領域における当院薬剤部のインシデント回避事例報告」▼大森俊和・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)薬剤部副主任(薬剤師)「プロポフォール注入症候群が疑われ薬剤師が早期介入した1例」▼宮田祐一・同院薬剤師「救命救急センターにおける薬剤師の早期介入に向けた取り組み」▼藤村一軌・同院薬剤部副主任(薬剤師)「当院救急外来における痙攣重積症例に対するホストフェニトインレベチラセタムの比較・使用実態調査」【中毒・臨床診断】▼今村文子・湘南藤沢病院看護師長「有毒植物の摂取による自殺企図の2例」▼田邉愛・同院診療看護師「身近な有毒植物」▼八幡俊勇・同院診療看護師「血液凝固障害を背景とし外傷を契機に脳室内出血をきたした1症例(外因性か内因性か、内科か脳外科か、disposition に難渋した症例)」▼松本悠・札幌東病院後期研修医「吐血を主訴に救急搬送された多発外傷の1例」▼増井伸高(同病院救急科部長)・徳洲会救急グループ「外国人旅行者に対する救急医療の疫学調査」【診断・教育】▼今村正敏・生駒病院総長「産婦人科救急の現状とトレーニングシステムについて」▼弘中雄基・岸和田病院初期研修医「当院における過去5年間の前頭葉脳挫傷患者の予後について」▼白坂渉・同院救急科医師「レジオネラLAMP法遺伝子検査の有用性」▼薬師寺泰匡・同院救急科医長「当院における誤嚥性肺炎診療の実際」▼守谷亜沙人・東京西徳洲会病院口腔外科歯科医「東京西徳洲会病院ERを受診する顎関節脱臼患者の現況」▼佐野太一・湘南藤沢病院初期研修医による症例報告【救急管理・救命士の活動】▼嘉陽英次・岸和田病院救急外来看護師「救命救急センター外来看護師による静脈穿刺成功率」▼伊藤典子・湘南鎌倉病院栄養管理センター副主任(管理栄養士)「集中治療室での経管栄養患者の栄養管理の実際と転帰について」▼腹子歩夢・同院救命救急センター救急救命士「今までの救急調整室とこれからの救急調整室」▼村上大樹・湘南藤沢病院救急総合診療部救急救命士「徳洲会グループERにおける院内救急救命士の今後について」▼鎌田智志・同院救急総合診療部救急救命士「当院の院内救命士同乗による転院搬送の実情と公的救急車の適正利用にむけた取り組みについて」