徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)12月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1112 四面

回顧この1年 ②
徳洲会 原点に新たな萌芽
離島・へき地 救急医療
“次代”への兆し

徳洲会グループは創設以来、“生命だけは平等だ”の理念の下、とくに離島・へき地医療と救急医療に力を注いできた。離島・へき地(農村部など含む)では医療・介護施設を展開し、マンパワーや医療機器・設備の充実に努めながら地域に密着した医療・介護サービスを提供。同地での医師の教育も積極的に実施している。救急では「断らない医療」を実践。今やグループ全体で全国の救急搬送受け入れ件数の約3%を担っている。2017年は、こうした徳洲会の原点に次代への“兆し”がうかがえた1年となった。

離島・へき地6病院認定

総合診療研修を行う徳洲会グループの離島・へき地(農村部など含む)病院

<  離 島 >
名瀬徳洲会病院(鹿児島県)
徳之島徳洲会病院(鹿児島県)
宮古島徳洲会病院(沖縄県)
< へき地 >
共愛会病院(北海道)
宇和島徳洲会病院(愛媛県)
大隅鹿屋病院(鹿児島県)
今年1年を振り返ると、離島・へき地医療では、まず「教育」がキーワードとなった。2018年度から始まる新専門医制度では、新たな専門医資格に全人的な医療を提供する総合診療専門医が加わる。この新制度下での総合診療研修病院が決定し、徳洲会グループでは23病院の研修プログラムが選出された。このうち離島・へき地でそれぞれ3病院ずつが来年度から後期研修医を対象に総合診療専門医の研修を行う(表)。

徳洲会グループはスケールメリットを生かし、1994年度から初期・後期研修医を対象に離島・へき地での研修を実施。指導医の下、救急医療から入院、外来診療などを担当し、総合的な診療能力を身に付ける機会を提供している。今まで同地での研修を修了した初期・後期研修医は計約2000人に及ぶ。

2年ぶりにJPC開催

台風にも負けず盛況な「Japan Physical Club 2017 in Amami」 台風にも負けず盛況な「Japan Physical Club 2017 in Amami」

もうひとつのトピックが2年ぶりに開かれたJPC(Japan Physical Club)だ。平島修・徳洲会奄美ブロック総合診療研修センター長が全国で開催しているワークショップ「フィジカルクラブ」を拡大したイベントで、合宿形式で身体診察(触診や打診など五感を用いた診察方法)の基本的な知識・技術の習得を目的としている。

今回も平島センター長が委員長を務め、地元・奄美大島のNPO法人やテレビ局、商工会議所関係者らで実行委員を編成。奄美市や地区医師会などの後援を受け、9月に開催した。台風の影響で欠航が相次ぎ、一時は開催が危ぶまれたものの全国から医師、医学生ら計70人が参加した。

前回好評だった島民参加型のシンポジウムを今回も目玉企画として実施。「命について語ろう~奄美から日本を変える~」と題し、地域医療について活発に意見を交わした。「地元の医療は自分たちで考える」と、参加した一般の方々は真剣そのもの。医師の態度や救急車を呼ぶタイミング、人生の終わりを自分らしく過ごす準備などテーマは多岐にわたり、時には医師や医学生に対して厳しい声が寄せられたが、医療を提供する側・受ける側それぞれの立場から本音で意見を交わした。

医療の第一線で活躍する講師陣の多彩な講義もおなじみ。今回はNPO法人ジャパンハートの吉岡秀人・最高顧問らが特別講演などを行った。

初の離島病院新築移転

今年も離島・へき地医療の「充実・発展」につながる取り組みが目立った。まず徳洲会グループで初の離島病院の新築移転が実現。12月1日に沖永良部徳洲会病院(鹿児島県)が旧病院の隣接地に新装オープンした。

同院は沖永良部島唯一の病院として1990年に開院。島内の診療所と連携しながら28年にわたり地域医療に貢献してきたが、建物の老朽化により建て替えに踏みきった。

新病院は外来化学療法の専用スペースを新たに確保したり、空調システムを切り替えたりするなど患者さんの療養環境を改善。医療機器は従前の装置と比べ高性能の1.5テスラMRI(磁気共鳴画像診断装置)を新規導入した。従前よりも広範囲の撮影が可能になり、画質が大幅に向上。撮影時間も約半分に短縮されるなど、患者さんにメリットをもたらす。

11月23日に挙行した新病院の竣工祝賀会には、徳洲会グループの離島病院関係者をはじめ多くの地元関係者らが列席。新病院の完成を盛大に祝った。内覧会には約1000人が訪れ、期待の高さを表した。

離島で災害訓練実施

災害対策本部でテレビ電話を通じ現場の様子を確認する藤田院長(徳之島病院) 災害対策本部でテレビ電話を通じ現場の様子を確認する藤田院長(徳之島病院)

災害訓練プログラムの見直しに向け訓練を実施した離島病院もあった。徳之島徳洲会病院(鹿児島県)は6月に院内で災害訓練を実施。30人を超える職員が参加した。問題点を抽出し、訓練プログラムに応用する目的で当時、同院で研修していた札幌東徳洲会病院の合田祥悟・後期研修医が企画・運営した。

はじめに合田医師が講義を行い、初期研修医の頃に宮古島徳洲会病院(沖縄県)で遭遇した巡視船事故での経験を紹介。その後、日中に巡視船が事故に遭遇したという想定の下、実地訓練を行った。徳之島病院の藤田安彦院長は訓練をふまえ、トライアスロン大会の救護活動でテレビ電話を用いた連携などを実践した。

奄美でドクヘリ運行開始

島外搬送で救急車からドクターヘリに患者さんを移す(喜界病院) 島外搬送で救急車からドクターヘリに患者さんを移す(喜界病院)

離島の救急医療を充実する動きも見られた。鹿児島県が県内2機目となるドクターヘリを配備。奄美大島を拠点とし、奄美群島・トカラ列島の緊急島外搬送を徳洲会病院とも連動しながらサポートしている。

先に配置した1機目は鹿児島市内を拠点とするドクターヘリで、同市から約380㎞離れている奄美群島は運航範囲外。地理的に近い沖縄県のドクターヘリや自衛隊ヘリが主に離島の緊急搬送を担っていた。今回、奄美大島にドクターヘリを配備したことで、搬送時間の短縮による救命率の向上、後遺症の軽減などが期待されている。運行時間は午前8時30分から日没前まで。日没以降は従来どおり沖縄および鹿児島本土(鹿屋市)の自衛隊ヘリが搬送を担当する。

奄美のドクターヘリを利用し、すでに徳之島病院や喜界徳洲会病院、与論徳洲会病院、沖永良部病院などが島外搬送を実施。鹿児島本土の医療機関などに患者さんを搬送したが、名瀬徳洲会病院や沖縄県の南部徳洲会病院、中部徳洲会病院が受け入れたケースもある。

2病院が救急WS設置

中部徳洲会病院から出動する中城北中城消防組合の救急車 中部徳洲会病院から出動する中城北中城消防組合の救急車

救急医療では救急ワークステーション(WS)を運用するグループ病院が増えた。同WSは、病院実習でスキルアップに努める救急隊員が有事の際に医師とともに救急車で現場に駆け付け、病院前救護体制を強化し救命率の向上を図るシステム。

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は7月に鎌倉市と「救急救命士再教育病院実習にかかる派遣型ワークステーションに関する協定」を締結。中部徳洲会病院(沖縄県)は同院が立地する北中城村などを管轄する中城北中城消防組合と協働し救急WSの運用を開始。同消防組合は救急隊員と救急車を同院に派遣し、院内に活動拠点を設けている。

徳洲会グループでは、ほかに福岡徳洲会病院、湘南厚木病院(神奈川県)が救急WSを運用。

PAGE TOP

PAGE TOP