徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)12月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1112 一・二面

情報共有と意思統一を図る
徳洲会病院・施設の文化醸成に寄与

徳洲会グループの病院・施設で行われている8時会と朝礼――。その最大の意義は情報共有と意思統一だ。医療安全や経営改善などをテーマに発表し、これらの課題について職員の理解を促し、解決に向け一丸となって取り組む。また、『徳洲新聞』掲載の「直言」を朗読したり、徳洲会の理念を唱和したりすることで、徳洲会の文化を醸成していく。今号では8時会と朝礼にスポットを当て、その一端を紹介する。

各部署がプレゼン 名古屋徳洲会総合病院

「救急搬送は高蔵寺より1件、一宮より1件、瀬戸より1件、小牧より2件、春日井より1件の合計6件です」。11月のある日、名古屋徳洲会総合病院の2階講義室で行われた8時会。医事課の当直担当者が患者数など日報を報告した。

同院は毎週木曜日の8時会で、各部署のもち回りで、取り組みなどを発表するプレゼンテーションの時間を設けている。取材で訪れた日はリハビリテーション科の当番で、高塚将人主任(理学療法士)が「~リハビリテーション科の取り組み~退院時指導」と題し発表。胸腰椎(きょうようつい)の術後リハビリの退院時指導を例に紹介した。

前週は薬剤部がジェネリック医薬品(後発医薬品)をテーマにプレゼン、医事課が担当した時は未収金の発生を未然に抑制する取り組みの説明と周知があった。

毎週木曜日の8時会では多様なテーマのプレゼンで情報共有(名古屋病院) 毎週木曜日の8時会では多様なテーマのプレゼンで情報共有(名古屋病院)

朝礼は8時30分から開始。日報や8時会の内容報告に続き、医療安全に関して同院臨床工学室の和田英喜技師長がミニレクチャー。この日は「コンセントの容量(定格電流)を超えた医療機器や電気機器等の接続」がテーマ。日本医療機能評価機構がまとめている医療安全情報によると、国内では容量を超えて接続したことにより「ブレーカーが落ち停電」や「発火」が報告されている。医療機器のなかには生命維持に必要なものもあるため、停電は避けなければならない。そこで、あらためて注意喚起を行った。その後、徳洲会の理念の唱和で朝礼が終了。

朝礼で医療安全のミニレクチャーを行うのは毎週木曜日。水曜日は直言の朗読と感想の発表を行っている。金曜日は朝礼の代わりに病院周辺の清掃活動を実施。

朝礼後は10~15分の医局会を行う。前日の時間外以降の救急患者さんの症例報告を実施し情報共有。複数の診療科にまたがる患者さんの場合、ここで主治医を決めることもある。マイコプラズマ肺炎や脳卒中など、この日は6件の報告があった。

同院の前田徹院長は8時会について「各部署の責任者や病院幹部が集まり、その日その日の病院のデータや現状を共有し、病院の方向性や運営方針などを伝えて意思統一を図ることは、とても重要なことだと考えています」と強調。

村松世規事務長は「当院では病院四役や医師、部署長が一堂に会する定例の会議は、スケジュールの調整が難しいため設けていません。それだけに8時会や医局会は病院の方針などを伝達する機会として欠かすことができません」と説明する。

多職種で課題解決 福岡徳洲会病院

医療安全に関する職員が一堂に会し協議 医療安全に関する職員が一堂に会し協議

福岡徳洲会病院は毎週金曜日の8時会で「医療安全ウィークリーカンファレンス」を開催。医療安全にかかわるインシデント(事故などの発生の恐れがある事態)、トラブル、クレームをテーマに協議している。

目を見張るのは医療安全に関するメンバーが一堂に会すること。海江田令次院長を筆頭に副院長、看護部長、事務部長、事務長らで構成する「医療安全管理委員会」と、上野正子・医療安全管理室室長(専従の医療安全管理者)を部会長に各部署のセーフティマネージャーで構成する「セーフティマネジメント部会」のメンバー計23人が出席。

同カンファレンスは各部署が半年に1回のペースでインシデントケースや対策などを定型の様式にのっとって発表。課題解決に向け部署の枠を越えて話し合う。

この取り組みは2015年からスタート。リスクマネジメント委員会の設置など、以前から医療安全に力を注いでいたものの、「各部署に委ねてしまい、対策の評価や別課題の把握が十分でなかった」(上野室長)ことから、病院全体で取り組もうと体制を変えた。

「幹部をはじめ多くの職員が集まる朝に行うことで、情報共有はもちろん、当日の業務開始から注意喚起ができるようになりました」と上野室長。文書管理の方法など、良い対策を他部署でも導入するケースが増えたという。

同院は朝礼にも多くの職員が出席。竹中学・事務部長は「8時会や朝礼の最大の意義は情報共有と意思統一。なぜ行うのかを各職員が理解し、積極的に参加することが重要です。そうして必要なスタイルを模索し、自分たちで8時会や朝礼を磨き上げていく。その積み重ねが自院の文化になっていくと思います」。

ヒヤリハット議論活発に 仙台徳洲会病院

佐野院長(左奥)をはじめ出席者からは業務改善に向け、鋭い指摘も(仙台病院) 佐野院長(左奥)をはじめ出席者からは業務改善に向け、鋭い指摘も(仙台病院)

仙台徳洲会病院が力を入れている朝の取り組みのひとつが毎週木曜日に8時会のなかで行う「インシデント検討会」。佐野憲院長、佐藤裕恵・看護部長、小松良司事務長を筆頭に、各部署長ら約30人が出席し、院内で起こった“ヒヤリハット事例”を検討する。各部署のもち回り制で、毎回、担当部署が1例をスライドにまとめて発表。出席者全員で原因や対策を協議する。

特筆すべきは毎回、予定時間を超えるほど活発な議論が繰り広げられることだ。発表者に対し、出席者から厳しい質問や指摘が寄せられるなど、単なる報告にとどまらない。「気合を入れて行っています。木曜日はいつも全体朝礼がずれ込むほどです」と佐野院長は説明する。取材当日も点滴の混合注射の方法をテーマに看護部リスクマネージャーが発表し、他職種から質問が投げかけられたり、佐野院長がプレゼンテーションそのものに言及したりする場面が見られた。

会が充実するようになったのは2015年に佐野院長が同院に着任してからだ。同院では以前から実施していたが、「8時30分からの朝礼を含め形骸化している雰囲気を感じていたので、活性化を図りました」と佐野院長は振り返る。

「会で出席者に意見を問うと、どの職員も自分の考えをもっています。良い取り組みですから、これまで以上に実りあるものにしたいと思いました」(佐野院長)

積極的に意見する職員が増えるなど、少しずつではあるものの、手応えを感じている佐野院長。見学などで訪れた方から、朝礼を含め朝の活動に感心されることもあるという。「8時会や朝礼は徳洲会の素晴らしい文化。各部署に横のつながりをもたせるなど、うまく活用することが大事です」。

医療安全文化を強化 古河病院

朝礼の最後に徳洲会の理念を唱和(古河病院) 朝礼の最後に徳洲会の理念を唱和(古河病院)

古河病院(茨城県)は8時会で、業務量や各種委員会の活動など連絡事項と並び、前日分のインシデント、アクシデントを報告。医療安全文化の定着と強化に注力し、スピーディな対応を心がけている。

取材で訪れた日の8時会では、インシデント、アクシデントに該当する報告はなかったものの、検査科から健診でのスピッツ(血液検査などで検体を入れる試験管)に関する報告が1件あった。通常、スピッツにはバーコードラベルが添付されている。ところが、その上に手書きのラベルが貼られ、患者さんの氏名のみ記入されたスピッツが1本見つかった。類似した氏名の患者さんがいた場合、ミスにつながりかねない。このため8時会で報告、情報共有と注意喚起を行い、改善につなげた。

この後、インフルエンザ予防接種のワクチンの在庫状況など伝達事項があり、堀井勝徳事務長が当日の予定として、徳洲会グループ外の病院が見学に訪れることなどを説明した。

8時30分からの朝礼では業務量報告と8時会の内容を報告、3分間スピーチ、徳洲会の理念の唱和を行った。朝礼後、当日出勤している医局員全員で朝のミーティングを開き、8時会の内容を共有。福江眞隆院長は「インシデント・アクシデント報告は、電子カルテ上で共有できますが、各部門長がそろう8時会で伝達することで、より意識づけを高めることができます。8時会はタイムリーに日々の課題を話し合ったり指示を伝えたりでき、すぐに行動につなげられる貴重な会議だと位置付けています」と話す。

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