徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

直言

Chokugen

鈴木 美智子(すずきみちこ)(仙台徳洲看護専門学校校長)

直言 生命いのちだけは平等だ~

鈴木 美智子(すずきみちこ)

仙台徳洲看護専門学校校長

2017年(平成29年)12月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1112

患者さんに寄り添うことを具体的に
自分の言動として考える学生育てる
人の役に立ちたい思い実現させるのが役割

2010年の本校開校以来、徳洲会の〝生命だけは平等だ〟の理念の下、「いつでも、どこでも、誰に対しても創造的な看護を提供でき、社会に貢献できる看護師の養成を目指したい」、「個別指導に力を入れ、学生自身に問題解決できる力をもたせたい」。そのような看護師を「徳洲会グループに送り出したい」という思いで学校運営に携わってきました。この思いは今も変わっていません。

開校8年目という歳月のなかで、看護基礎教育を取り巻く状況は変化し続けています。変化があっても、どんなに時間が経っても、本校に入学する学生は「人の役に立ちたい」、「看護師になりたい」という目的意識がとても強いことには変わりがありません。この思いを実現させることが、私たち教員の役割であると思っています。

しかし、学生の物事に取り組む姿勢(主体性・創造力)、環境変化への対応能力や人間関係構築能力などから、指導の難しさに頭を悩ますことも常です。そうしたなかで、生活と医療の両面から患者さんやご家族を支える今後の看護を担っていく学生に、期待することが少なからずあります。

患者さんに何ができるか 理想もてる看護師を育成

期待のひとつ目は「自分をもって進んでほしい」というものです。自分は何を大事にしているのか、何をしたいのかなどを考えて行動することが大切で、そうしないと自らの考え方を主張できず、周囲の言動に右往左往した結果、流されてしまいます。患者さんと向き合っても自分は患者さんのために何をしたいのかという理想をもてない看護師になってしまうのです。

ふたつ目は「自分をもつと同時に相手を許容する心をもってほしい」というものです。自分と考え方の違う相手を受け入れ、認めることができなければ、単なる頑固者になってしまいかねません。さまざまな患者さんとかかわる看護師は、自分を中心に考えると、考えの違う患者さんに対して批判的になりがちになってしまいます。医療チームとして患者さんにかかわる時も、他職種を尊重し協働していくことが難しくなり、自己だけを主張する看護師になってしまうことでしょう。

3つ目は「相手に関心をもってほしい」。関心をもつことで相手が見え、その人の変化を知ることができます。自分は患者さんに何ができるか、この患者さんに何が必要か、患者さんサイドに立って物事を考えるためにも、患者さんに関心をもつことが大事だと思います。

4つ目は「自分の思いを抽象的表現ではなく具現化できる人であってほしい」というものです。耳触りの良い言葉はたくさんあり、学生はそのような言葉を使いがちです。「○○な看護」、「○○らしく」――。そのためにあなたはどうするのか? これを自分の言動として表現することができなければ、看護の展開になかなか結び付いていきません。○○さんらしく生きてもらうために、○○さんらしく入院生活を送ってもらうための援助ができる看護師になるために、患者さんへの思いを具現化してほしいのです。

必要なサービスを総合的にマネジメントする役割担う

病院完結型医療から地域在宅完結型医療への転換にともない、今、看護師には、必要なサービスを総合的にマネジメントする役割が求められています。このために必要とされる能力として臨床推論力、看護実践能力、判断力、調整力などが挙げられています。また、看護師教育の基本的な考え方(看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン)に、①知識に裏付けされた実践、②高い倫理観、③コミュニケーション能力、④他職種との連携――が明確化されています。これらを、いかにカリキュラムに組み入れ、いかに教育の実践のなかで展開していくかが大きな課題であり、今はもちろんのこと、今後も求められることでしょう。

こうした期待されることと学習内容・量を考えると、看護基礎教育の期間もまた、大きな課題となります。

「患者さんのために」、「患者さんの立場に立って」、「患者さんに寄り添って」――。よく耳にする言葉ですが、何がその人のためになるのか? その人の立場とは? 患者さんに寄り添うとは? これらを自分の言葉で具体的な言動として考え、実行できる学生を私は育てたいのです。皆で頑張りましょう。

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