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Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)9月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1100 二面

湘南鎌倉総合病院
手術年1000件超
シャントケアセンター
第3回セミ開催

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は8月4日、第3回シャントケアセミナーを開催した。地域の透析医療関係者を中心に約120人が集まり、知見を共有したり情報交換を行ったりした。このなかで同院シャントケアセンターの手術実績が開設以来はじめて年間1000件(2016年)を超えたことがわかった。

透析医療関係者120 人が参集し知見・情報を共有 透析医療関係者120 人が参集し知見・情報を共有

セミナー冒頭、湘南鎌倉病院の小林修三・院長代行は「フェース・トゥ・フェースで皆さんの悩みを聞くことのできるシャントケアセンターを目指し、セミナーの開催も3回目を迎えました。皆さんとともに、さまざまな問題を考えていきたい」と開会の挨拶。

シャントは血液透析を受けるために、手首やひじの付近で動脈と静脈を縫い合わせ血流量を増やした血管をいう。シャントケアセンターの開設は2010年8月。シャントの造設に加え、狭窄(きょうさく)、閉塞、感染などあらゆるトラブルに対応する。

はじめに第1部として人工血管シャント(AVG)を共通テーマに、同センターの磯貝尚子医師が「人工血管の適応と手術方法のポイント」、透析室の村上奈央子看護師が「人工血管の透析室での管理」をテーマにそれぞれ講演。

磯貝医師はシャントケアセンターの診療実績やAVGの特徴、手技動画などを紹介。シャントケアセンターはあらゆるシャントトラブルに即日対応することを基本理念に掲げており、16年の日帰り率は83%だった。手術件数は年々増加傾向をたどり、14年685件、15年931件、そして16年には1019件と大台を超えた。17年も7月までに588件と1000件に達する勢いだ。紹介元の施設数も伸びている(17年は54施設)。

AVGはバスキュラーアクセスのひとつ。「自己動静脈内シャント(AVF)の設置が困難な場合にもシャント造設が可能であり、十分な血流量の確保や穿刺(せんし)が容易などの長所がある一方で、人工物であるためAVFと比べて感染しやすい、術後1~2週間の入院を要するなどの短所があります」と説明。村上看護師は人工血管の管理について、感染や狭窄・閉塞の予防、穿刺する際の注意点などを発表した。

このあと、参加者への事前アンケートの結果を紹介。たとえば「人工血管シャントのケアについて困っている点はありますか」との問いには「部位によっては、なぜか硬くて刺しにくい」、「どうしても皮膚から浅いところが刺しやすいので限局してしまう」、「自己止血ができない患者さんへの止血方法や注意点」など意見が寄せられた。

続いて、同センターの村田宇謙医師が「こんなときどうする? シャントトラブル」と題し、3症例の症例検討を中心とする講演を行った。

活発な質疑応答などにより予定時間を超過して終了。閉会の挨拶で、荻野秀光副院長兼シャントケアセンター長は「手術件数の増加に加えて、今後は新しいデバイスの開発に協力したり、シャントケアに関する新しい情報を発信したりしていける施設を目指します」と語った。

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