2017年(平成29年)4月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1079 三面
湘南鎌倉総合病院
死亡時画像診断の勉強会
新たな死因究明法で注目
「死因を想定しながら画像を見る姿勢が大切です」と山本・代表理事
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)はAi(Autopsy imaging =死亡時画像診断)勉強会を開催した。AiはCT(コンピュータ断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像診断装置)など画像診断装置で遺体を検査し、死因究明に役立てる手法を指す。全国的に病理解剖の実施率が低いなか、新たな死因究明法として近年注目を集めている。
同院は2011年にAiの取り組みを開始。田中江里副院長(医療安全管理室室長)は「死因究明の方法として必ず普及すると考え、Aiの運用マニュアルを整備するなどし早い時期から実施してきました」と説明する。
同院は「14歳以下の小児死亡全例」、「外因死およびその疑いがあるもの」、「死因が明らかでない死亡」のほか、医師が死亡診断書の作成、医学の発展のために必要と判断した場合や、遺族が望んだ場合などを撮影対象としている。撮影後、外部機関の一般財団法人Ai情報センターを交え症例検討を行い、読影が必要と判断した場合、同センターに読影を依頼。1カ月前後で同センターから報告書が送られてくる。
この日の勉強会では同センターの山本正二・代表理事(医師)が「医療事故調査制度とAi―Aiから見た、制度の現状と課題―」をテーマに講演を行った。同院のスタッフ約70人が熱心に聴講した。同制度は、医療機関内での診療行為に関連した予期せぬ死亡が発生した際に、原因究明と再発防止を目的として行われる調査の仕組み。
山本・代表理事は15年10月の同制度開始以降の事故報告件数や院内調査報告件数など国内の状況を紹介。また徳洲会グループ外の医療機関で発生した90歳代女性の気胸患者さんのケースを取り上げ、事案に即して問題点や対応方法などをレクチャーした。最後に湘南鎌倉病院の症例に言及し、報告書の内容に沿って画像の見方などを解説した。
山本・代表理事は「病歴や身体所見など情報から、可能性のある死因を想定しながら画像を見て、死因を追求する姿勢が大切です」と呼びかけた。