徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)4月24日 月曜日 徳洲新聞 NO.1079 三面

初のモーニング・レクチャー
院長ら内科知識を共有
3月度 徳洲会医療経営戦略セミ

3月度の徳洲会医療経営戦略セミナー2日目の早朝、院長・幹部などを対象にモーニング・レクチャーを行った。初の試みとなる同レクチャーには40人が参加し、内科の知識を共有。湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の宗像博美副院長が消化器内科、湘南鎌倉総合病院(同)腎免疫血管内科の守矢英和部長が腎臓内科をテーマにそれぞれ講演した。

「ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍の最大の原因です」と宗像副院長 「ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍の最大の原因です」と宗像副院長

冒頭、湘南藤沢病院の亀井徹正総長が挨拶。徳洲会グループ病院の院長に外科系の医師が多いことを明かし、「最近は内科系の疾患を見る機会も増えています。こうした状況に対応するため、また生涯教育のきっかけにと思い、レクチャーを企画しました」と説明。「皆さんの意見を聞きながら、続けていければと思います」と意欲を示した。

宗像副院長は「総合診療医のための消化器疾患ミニレクチャー」と題し講演。肝硬変症での食道静脈瘤(りゅう)は64~83%、胃静脈瘤は8~59%の頻度であり、それぞれ出血の疑いがあった場合のアプローチ法を説明した。

治療として薬物療法、バルーンタンポナーデ法、内視鏡的治療などを列挙。薬物療法ではバソプレシン、サンドスタチン、ニトログリセリンなどの使用方法、作用機序、副作用を解説した。

バルーンタンポナーデ法とは、風船付きのカテーテルを鼻から食道・胃に挿入し、風船を膨(ふく)らますことで出血している静脈瘤を圧迫して止血する方法。止血率が80~90%と高いものの、再出血率も50%と高値であることを指摘し、あくまで一時的な治療法と説明した。

「ただ漫然と透析すれば良いわけではありません」と守矢部長 「ただ漫然と透析すれば良いわけではありません」と守矢部長

静脈瘤の硬化退縮が大切とし、そのための治療法として有効なのが内視鏡的治療。EVL(内視鏡的静脈瘤結紮(けっさつ)術)は、内視鏡下で静脈瘤を輪ゴムのような器具で結紮して止血し、再出血を防ぐ手技。一方、EIS(内視鏡的静脈瘤硬化療法)は、内視鏡下に静脈瘤内やその周辺に硬化剤を注入し静脈瘤を縮小させる手技だ。さらにBRTO(バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術)も挙げ、それぞれの手技を写真で示しながら説明した。

ピロリ菌が引き起こす疾患も解説。日本でのピロリ菌の推定感染者数は衛生環境の改善で年々減少しているとは言え、3500万人にも上る。関連が疑われる疾患として胃・十二指腸潰瘍、胃がん、胃悪性リンパ腫などを挙げ、ピロリ菌は細菌のなかでヒト悪性腫瘍の原因となり得ることが明らかになっている唯一の病原体であることを強調した。

ピロリ菌が感染した胃内視鏡所見や診断法などに続き、除菌療法について解説。一次・二次除菌療法ともに保険適用となる薬剤を示し、除菌後の再感染率は1%以下であることにも言及した。

守矢部長は「腎機能障害患者の診療ABC」がテーマ。腎機能障害患者さんの初期鑑別診断を具体的な症例を提示して説明し、なかでも尿検査と腹部エコーの重要性を指摘。尿検査は外来受診時にルーチンで評価すべきとし、腹部エコーでは腎サイズ、腎皮質の厚さ、腎形態などをチェックポイントとして挙げた。

早朝にもかかわらず40人が参加 早朝にもかかわらず40人が参加

次に保存期腎不全患者さんの管理を解説。慢性腎臓病(CKD)患者さんは腎生検を含めたCKDの原因疾患の検索、腎機能の把握、薬物治療方針の決定などを行い、心血管疾患合併症の評価や高血圧・腎性貧血の治療、電解質・酸塩基平衡の管理などを行えば、腎代替療法を回避することも可能と示唆、そのためには管理栄養士、薬剤師、看護師と連携して生活や食事の指導を行う必要があると説いた。

CKD患者さんに対する造影剤腎症の予防法にも触れ、生理食塩水を検査前後に点滴すること、利尿薬の使用禁止、造影剤の量を限りなく少なくするなど工夫して、造影検査が必要な患者には注意しながらも行うべきとした。

さらに緊急透析の適応として、クレアチニンやBUN(尿素窒素)の値が高いだけでは透析導入の適応にはならないことを示し、尿量と透析前クレアチニン値を確認して透析の回数を減らしたり、離脱も検討できたりすることを説いた。

講演後には質疑応答の時間も設け、早朝にもかかわらず会場からは積極的に意見が寄せられた。

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