徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2016年(平成28年)9月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1049 二面

小林・湘南鎌倉総合病院副院長
腎移植の仕組みづくり協議

タンザニア・ドドマ大学を訪問

キクラ大学長(左)と会談する小林副院長 キクラ大学長(左)と会談する小林副院長

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の小林修三・副院長兼腎臓病総合医療センター長は8月22日から2日間、タンザニアを訪れた。国立ドドマ大学医学部の腎疾患総合診療プログラムの確立に協力するのが狙い。同プログラムのひとつとして、今回は腎移植について協議した。

タンザニアには腎移植を行うスキームがなく、移植を希望する患者さんはインドや南アフリカに行って受けなければならない。小林副院長は22日に保健省を訪れ、ンポキ・ウリスビシャ事務局長らと面談。23日にドドマ大学本部や同大学付属病院を訪問、キクラ・イドリス大学長、ゲサセ・アイノリ医学部長兼院長、腎移植プロジェクトチームと移植スキームについて協議した。

法制度や教育体系など総合的な仕組みづくりに向けて話し合うなか、小林副院長は術前の組織適合性検査や免疫抑制剤投与に関する術後管理とともに、移植にともなう倫理を強調した。「臓器売買の禁止や公正な臓器移植の推進を掲げるイスタンブール宣言(2008年)などがあり、移植には高い倫理が求められることを強く訴えました」。

具体的な取り決めなどは今後としながらも、日本国内の大学と連携を図り進める意向や、近い時期にドドマ大学付属病院の医師や看護師、臨床検査技師らが来日する可能性を示唆。「合併症や移植後の腎症進展防止のための医療を最高のレベルで行うことを強調しました。途上国だからといって妥協はしません。彼らもそれを望んでいます」と、強い覚悟で臨む姿勢を見せた。

また、移植は腎疾患総合診療プログラムの一環であることを強調し、将来、検尿を含めた腎臓病の予防や早期発見・治療に関するスキームまで発展することに期待を寄せた。

徳洲会はアフリカ諸国に2008年から医療支援を開始。モザンビークに透析機器を寄贈するとともに、小林副院長ら湘南鎌倉病院の透析チームが訪問し指導した。タンザニアにも透析機器を10台寄贈。同国の医師や看護師が2度にわたり来日し、血液透析について指導したり、小林副院長らが赴いてアドバイスを送ったりしている。今回の訪問でも小林副院長が現地の透析センターを視察。経済的な制限はあるものの、順調に稼動していたという。

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