徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

心臓血管外科の病気:狭心症と心筋梗塞

狭心症と心筋梗塞は、成人の心臓病で最も多い病気であり、決して見逃してはいけない病気の一つです。特に救急を多く扱う急性期の病院では、心臓病の多くが狭心症あるいは心筋梗塞の患者さんです。狭心症と心筋梗塞について、わかりやすく説明します。

心臓は全身に血液を送り出すポンプ

人は考えて動きます。そのための動力源が心臓です。発電所のようなもの、あるいは車でいうとエンジンといえます。人が考えたり、運動したり、生活したりできるのは、働いている全身の臓器に血液を送って十分なエネルギーが供給されているからです。

全身の臓器に血液を送るポンプが心臓です。肺で酸素を得た赤い血液を全身の臓器に一瞬たりとも休まず供給しています。なぜならすべての臓器は片時も酸素なしでは生きていけないからです。心臓がとまった場合、全身への血液の供給がストップします。直ちに頭に血液がいかなくなるので意識をなくして倒れてしまいます。心臓は休むことができないのです。このように心臓は絶え間なく全身に血液を送っているポンプといえます。

血管は血液の通り道

心臓から拍出された血液は、くまなくかつもれなく全身の臓器に流れ、心臓に帰ってきます。 このように循環する血液を運ぶ臓器が血管です。血液は体内には一定の量しかなく全身の血管の中を循環しています。そのため、心臓と血管を合わせて循環器と呼んでいます。

心臓の動力源となる冠動脈とは?

なぜ心臓は動いているのでしょうか。それは心臓にも酸素の豊富な赤い血液が供給されているからです。心臓は脳や筋肉、肝臓、腎臓などに血液を送っていますが、自らの筋肉にも血液を送って心臓を働かせています。心臓の筋肉に血液を送っている血管を冠動脈といいます。

冠動脈は心臓から出た大動脈のすぐのところから出て心臓に巻きつくように存在しています。右冠動脈と左冠動脈があります。右冠動脈は心臓の右心室、左心室の下側に存在します。左冠動脈は2本に別れ、左心室の前面に左前下行枝が、左心室の側面後面に回旋枝が存在します。すなわち右冠動脈1本、左冠動脈2本の計3本によって心臓へ均等に血液が供給されています。冠動脈に異常をきたし、心臓の動力源が不足する病気が狭心症、心筋梗塞であり、2つを総称して冠動脈疾患といわれています。

心筋の血のめぐりが悪くなる狭心症

心臓はポンプとして1日に約10万回血液を送り出しています。このため常に新鮮で酸素のある血液が心臓にも必要です。心臓の筋肉に血液を送っている冠動脈が細くなったり、つまりかかったりすると、心臓への血液の供給が少なくなります。このように心臓の筋肉への血のめぐりが悪くなることを狭心症といいます。しかし、まだ心臓の筋肉の機能は完全には低下していません。いわゆる黄色信号がついた状態です。このとき多くの人は胸痛を訴え、無理な運動はしなくなります。このようにして少しでも心臓の負担を少なくし、心臓への血のめぐりが不調に対応しようとします。しかし、心臓に負担をかけた場合、また同じような胸痛を繰り返すことになります。

冠動脈が完全につまると心筋梗塞へ

冠動脈がさらに完全につまったり、急速に細くなったりして、心臓の筋肉細胞が死んでしまい機能が低下することを心筋梗塞といいます。心筋梗塞はほとんどが急に出現しますが、知らず知らずのうちに出現してしまっている場合もあります。死んだ心臓筋肉細胞の範囲と程度によりますが、恐ろしい不整脈や極端な心機能の低下をもたらすこともあり、突然死を引き起こすこともあります。

動脈硬化が大きな要因

前にも述べたとおり、狭心症や心筋梗塞は冠動脈の血管がつまりかかったり、あるいはつまることで起こります。なぜそのようなことが起こるかというと、動脈硬化が大きな原因です。動脈硬化は血管の異常であり、加齢に加えて、糖尿病、高脂血症、高血圧、腎臓病、喫煙、生活習慣、肥満、そして体質によって起こりやすくなります。冠動脈の壁が動脈硬化によって徐々に内腔が細くなる場合もあれば、血液が急に固まって細くなった冠動脈につまることもあります。

冠動脈の動脈硬化

動脈硬化を伴わない異型狭心症とは?

狭心症の原因は一般的には冠動脈の動脈硬化によるものですが、稀なものに異型狭心症があります。これは本来、冠動脈が動脈硬化によって徐々に狭くなるのとは違い、いつもは正常に働いているのですが、突然冠動脈がけいれんを起こして細くなり(れん縮)、狭心症の症状をきたすものをいいます。症状としては急に胸が痛んだりします。運動で胸が痛むことはないのですが、例えば夜寝る前に胸痛に見舞われたり、何の前触れもなく痛みに襲われることがあります。特に若い女性に多いといわれています。

狭心症、心筋梗塞の症状

狭心症や心筋梗塞の代表的な症状を列挙します。

胸痛
最も多い症状です。左前胸部からみぞおち、あるいは左肩にかけての痛みです。しめつけられるような、動けないような痛みが多いです。痛みは階段を昇ったり、運動をしたり、風呂やトイレのように無意識に、あるいはとっさに心臓に負担をかけるようなときにも起こりやすいです。休むと少しは楽になりますが、一度始まった発作がなかなか収まらないこともあります。どんどんひどくなる場合は心筋梗塞に進行した可能性があります。
息苦しさ
心臓の機能が低下した場合に起こります。あるいは胸痛がなく心臓に負担をかけた場合、息苦しさを認めます。ひどくなる場合は、呼吸困難、顔色不良がみられ、命にかかわることもあります。
無症状もある
全く症状のない方もいます。特に高齢者、糖尿病の方にみられます。冠動脈が徐々に細くなり、別の冠動脈が助けている場合に多いです。
その他の症状
腹痛、肩痛で困られていた方が実は狭心症、心筋梗塞であったという場合もあります。
ひどい場合:失神、ショック、呼吸停止
急性心筋梗塞の場合は、心臓の機能の状態によっては、さまざまな症状をきたし、命にかかわる場合もあります。

自覚症状があればすぐに受診を

胸痛がある場合、多くの方が心配で病院に来られます。しかし、必ずしもすべての方々が狭心症あるいは心筋梗塞とは限りません。一方、検査されるのが怖くて病院に来られない場合もあります。我慢しすぎてついには救急車で運ばれたり、早く入院しておれば大事に至らなかったケースも少なくありません。また、何の症状もないのに冠動脈の動脈硬化が進行し、突然の胸痛で救急搬送される場合もあります。

病院に来られた場合の対応

医療機関での対応方法は、病院に来られたときの状況によって異なります。

緊急の場合
胸が苦しい、あるいは息苦しい、その他、道で倒れたなど、さまざまなケースがありますが、緊急を要する狭心症、心筋梗塞の場合は一刻を争いながら検査そして治療へと迅速な対応が必要となります。心電図、胸部レントゲン検査、心臓超音波検査、血液検査、そして冠動脈造影検査と進み治療を開始します。その間に全身状態を観察して場合により、人工呼吸、大動脈バルーンポンプ、心肺補助装置と全身状態を助ける治療を並行して行います。
予定してこられた場合
過去に胸が苦しいことがあった、ときどき胸痛があるが今はない、心電図等で狭心症といわれた、その他緊急性はないのですが心配で来院された方々に対しても、希望によりなるべく早く検査を行います。

さまざまな検査を組み合わせて診断

狭心症や心筋梗塞の検査では、心電図、胸部レントゲン検査、心臓超音波検査、血液検査、冠動脈造影検査を行います。他の病気かも知れない場合、CT検査、腹部超音波検査を実施する場合もあります。

心電図

心臓が脈を打っている電気信号を記録するわけで、これですべてがわかるわけではありませんが、心筋が酸素不足になったり心筋梗塞でさらに障害された場合に心電図に異常を認める場合があります。

発作の続いている方
狭心症かどうか、心筋梗塞かどうか、心臓のどの部分が悪いか、不整脈があるかどうかがわかります。もちろん心電図は万能ではありません。心臓の傷害されている場所や範囲によっては心電図に異常がない場合もあります。
発作のない方
わからない場合もあります。過去に心筋梗塞があったかどうかはわかることがあります。
負荷心電図

普段胸痛がないのに、階段を昇ったり、走ったりすると胸が痛む場合には、健康診断や、病院で安静にして心電図をとっても正常な場合がよくあります。その場合、運動をして心臓に負担をかけてそのときの心電図で異常が発見される場合があります。このように階段を昇り降りしたり、自転車をこいでもらって心電図をとることを負荷心電図といいます。

いずれにせよ、心電図検査は簡便な検査ですが、狭心症あるいは心筋梗塞があるかないかが診断できる程度で、これによってどの冠動脈にどの程度の病変が起こっているかまでは、判断しかねます。そういう点でスクリーニングには最適の検査です。もちろん負荷心電図でも診断できない場合があります。

24時間ホルター心電図

ときどき胸が痛む、明け方になると発作が起きるなどの患者さんの場合、24時間心電図をとっていただくことがあります。病院に入院することなく24時間分の心電図変化が分析できます。夜中の発作のときの心電図変化、あるいは不整脈の種類とその程度が診断できます。この検査で狭心症、心筋梗塞が判明するわけではありませんが、診断の助けになります。

胸部レントゲン検査

狭心症、心筋梗塞が胸部レントゲン検査で判明することはありません。しかし、心電図と同じで簡便ですぐできる検査であり、非常に有用な場合があります。特に胸痛の症状が心臓以外の場合、例えば肺、肋骨の場合にレントゲン検査は有用です。また、心臓の状態も、心臓の大きさや肺の血液がうっ滞しているかどうかなどある程度わかります。これによって大まかですが心臓の衰弱の度合いを判断できます。

CT検査
最新の造影CTでは、冠動脈の状態を詳しく描出することができ、簡便で外来でも検査可能でありスクリーニングとしても有用になってきました。さらに大動脈の状態、心臓の形、肺の状態が詳しくわかります。よって、狭心症、心筋梗塞以外の胸痛の病気も見つけ出すことができます。

320列造影CTによる冠動脈

心臓超音波検査

胸に当てて、心臓の形と動き、弁の形と逆流、心臓を何かが圧迫しているかどうかなど多くのことがわかります。心筋梗塞であれば、重症な心筋梗塞で心臓に穴があいたり、心臓から出血しているかどうかなど、心臓の動きの悪化をとらえることが可能です。

血液検査
狭心症、心筋梗塞の診断を血液検査だけで診断することは不可能です。しかし、急性心筋梗塞の場合、血液検査で白血球、CPK、LDH等が上昇します。そのため心筋梗塞になったかどうか、どの時期に起こったかの判断の助けになります。狭心症、心筋梗塞の原因は動脈硬化ですので、糖尿病、高脂血症、腎臓病等の診断も必要であり、スクリーニングとして重要です。
冠動脈造影検査

狭心症、心筋梗塞の原因は冠動脈の異変ですから、最終的な診断には冠動脈造影検査でどこの冠動脈がどの程度悪いかを診断する必要があります。これが狭心症、心筋梗塞の最終検査となります。かつ治療の始まりになります。動脈に2㎜径程度の細長い管(カテーテル)を差し込みます。そして心臓の近くまで到達させ、冠動脈の入り口に挿入します。そこで造影剤を注入しレントゲンで撮影します。冠動脈の内腔がつまっている場合は途切れたように映されます。最近では手首からカテーテルを穿刺するようになり検査も安全かつ日帰りでできるようになりました。

昔はよほどでないと検査しないことが多かったのですが、今では簡単に手軽に実施できるようになりました。検査時間は平均で15分、検査終了後は約3時間穿刺部位を圧迫止血してその後退院となるなど、日帰りが可能な検査となっています。
胸痛、息切れ等の症状が続いて、心電図で狭心症、心筋梗塞が疑われる場合、直ちに行う必要があります。発作がときどき起こる方はなるべく早く冠動脈造影検査をお勧めします。

病変のつまり具合などがわかる冠動脈造影検査

この検査で冠動脈のどこの部位がどの程度つまっているか、あるいはつまりかかっているかがわかります。冠動脈の病変の場所、程度を知ることによって、患者さんの狭心症・心筋梗塞の程度、重症度を把握することができるのです。 そして、この結果に対してどのような治療をするべきかを決定します。

冠動脈造影検査で異常はないが胸が痛む場合

狭心症を疑い、冠動脈造影検査をしてみたけど異常がない場合もあります。胸痛は、不整脈、肺梗塞、高血圧やその他、胃食道の病気、肺の病気でも起こります。また、いろいろな検査をしても何の異常もない方も稀にいます。医療者としてはまず安心することから説明しますが、それでも不安が続く方はご相談ください。

無症状でも異常の場合がある

症状というのは患者さんの訴えであり、これがすべて狭心症、心筋梗塞の病変の程度、重症度と一致するわけではありません。慢性的に徐々に冠動脈の病変が進行してきた場合、糖尿病、高齢者の場合は無症状のことがよくあります。逆にこのような方が将来、突然の心筋梗塞発作、狭心症発作を起こす危険性があり、重症化しやすいこともあります。

緊急かどうかで異なる治療の選択肢

冠動脈がつまるケースは大きく2つに分けられます。1つは突然血液が固まってつまる場合、すなわち急性心筋梗塞です。この場合は緊急でなるべく早くつまった血管を広げる必要があります。もう1つは、以前から徐々にゆっくりつまってきている場合、いわゆる狭心症です。冠動脈のつまっている場所、程度によってはなるべく早く治療をする必要があります。もちろん狭心症、心筋梗塞は必ずしも判別が可能ではありません。患者さん一人一人の冠動脈の病変、心臓の状態、全身状態を見ながら、それぞれに適した治療を行います。

「治療をしない」という選択はあり?

狭心症の場合、胸痛により仕事、生活を制限せざるを得ませんが、気をつけて生活をしていても、無意識に心臓に負担をかける場合が必ずあり、そのようなときに胸痛、息苦しさを認める場合もあります。
さらに恐ろしいのは、心臓発作(心筋梗塞)です。昨日まで元気であった方が、突然倒れられた、とういった話は珍しくありません。 発作がなくても徐々に心臓が弱っていって慢性の心不全、不整脈、弁膜症も合併してくることもあります。 異常を自覚したら早めの受診をお勧めします。

冠動脈疾患における治療の3原則

患者さんの状態、冠動脈の病変の程度によってさまざまな治療方法が考えられます。

治療の原則は

です。

具体的には薬物療法、カテーテル治療(インターベンション)、手術治療があります。

薬物療法は予防薬主体で

冠動脈の病変の程度が軽度、または病変の場所があまり心臓に重大な影響を与えない場合があります。冠動脈疾患で使用する薬は、冠動脈を広げる薬、冠動脈に血液が固まってつまるのを予防する薬、心臓の負担をとる薬がありますが、いずれも予防薬です。発作時に飲む薬(ニトロペン)もあります。これは緊急避難的な方法であり、いつもニトロペンを飲んで生活することは大変危険です。ニトロペンを持ち歩くことのないように、治療をすることが大事です。

亜硝酸剤(ニトロールR、ニトロペン)
発作時には速効性で効果があります。冠動脈そのものを広げる作用から、全身の血管を拡張させて心臓の負担をとる作用もあります。
カルシウムブロッカー(ヘルベッサー、アダラート)
予防的に飲むお薬で有効です。冠動脈の収縮を防ぎ、広げる作用があります。特に異型狭心症では冠動脈の収縮を防ぎます。
β-ブロッカー(テノーミン、トーアミン、アーチスト)
心臓の動きを少し抑えて負担を抑え、冠動脈への血液のめぐりが少なくても狭心症、心筋梗塞へならないようにします。血圧の低下、脈が遅くなることもあります。
アスピリン(バッファリン81、バイアスピリン)
血液が固まらないようにする薬です。冠動脈内の血栓をつくるのを予防します。
パナルジン、プラビックス
同じく血液を固まらないようにする薬です。強力ですが副作用(血小板減少等)も報告されており、慎重投与が必要です。

患者さんの負担少ないカテーテル治療

20年前から行われるようになった治療法ですが、細い管のみで治療できるため、患者さんの負担も少なく一般的に行なわれる治療になりました。腕または足の付け根の動脈から管を入れて、心臓の冠動脈まで到達させます。そこで内腔が狭くなっている冠動脈を風船のように膨らませて、冠動脈を拡げます。金属製の網を血管内に入れるステント治療もあります。

風船療法ってなに?
  • カテーテル

  • 風船を膨らませたところ

カテーテルによる風船療法
  • 正常血管
  • つまりかかっている血管
  • 血管の中で硬い風船で膨らませている
  • 膨らんだ後の血管
ステントって何?

金属製の網で血管の中に入れるように細く折りたたんでいます。

中から風船で膨らませると大きくなり、形状がそのままの状態で血管内に残ります。

カテーテルによるステント療法
  • 正常血管
  • つまりかかっている血管
  • 血管の中で金属製の網で膨らませている
  • 膨らんだ後の血管

つまった部位を飛び越える冠動脈バイパス術

自分の血管を採取し、つまっている冠動脈を越えてバイパスすることにより血の流れの少ない冠動脈の血流を改善させる方法です。バイパスする血管は、内胸動脈(胸板の裏の血管)、橈骨動脈(前腕の親指側の血管)、(大伏在静脈)足の表面の静脈、胃大網動脈(胃の周りの血管)を使用して、心臓の冠動脈に吻合します。カテーテル治療よりも古く、30年前から行われている治療です。最近では患者さんの負担が少なくなるように、オフポンプバイパス術が一般的な方法になりつつあります。カテーテル治療が内科治療であるのに比べ、冠動脈バイパス術は外科治療となります。

カテーテル治療か冠動脈バイパス術か

カテーテル治療は簡便で患者さんの負担が少ないため、なるべくカテーテル治療で治療できるものであれば、カテーテル治療を第一選択にします。しかし、カテーテル治療にも限界があります。最近では薬物療法、カテーテル治療、手術治療での大規模な患者さんの治療成績が明らかになってきました。その結果をもとに海外および日本でも狭心症、心筋梗塞に対する治療のガイドラインが出されています。

手術が勧められるのは

があります。

具体的には冠動脈の病変の場所、程度から判断します。カテーテル治療か冠動脈バイパス手術かの選択は患者さんを診る主治医の判断と説明を受けた患者さん、ご家族の判断によります。実際、カテーテル治療か手術か判断の難しい場合が多くあります。診ていただいた循環器内科医の説明を聞いて判断するのが重要と思います。迷われている方はセカンドオピニオンとして、他の医師の意見を聞かれることをお勧めします。

手術の実施時期は病態により異なる

患者さんの病態により、今すぐ手術が必要な場合、なるべく早くしたほうがいい場合、少し時間をおいたほうがいい場合とあります。

今すぐ手術が必要な場合
胸の痛みが突然起こり、どんどん悪化する場合、あるいは心臓の機能が極端に悪化し命の危険がある場合です。すなわち急性心筋梗塞あるいは不安定狭心症と診断された場合です。
なるべく早くしたほうがいい場合
すべての狭心症、心筋梗塞の患者さんは現在苦しみがなく症状が安定している場合でもなるべく早く手術をされることをお勧めします。
少し時間をおいたほうがいい場合
特に冠動脈バイパス手術では、全身の状態がなるべくよい状態で行ったほうが術後の回復も良好となります。心筋梗塞で心機能が悪化しているものの、改善傾向にあるものは少し時間をおいて手術を行うほうがいい場合があります。あるいは風邪をひかれたとか肺炎等の感染症で発熱されている方は状態の回復を待って手術を行うようにします。ただし、心臓の状態がどんどん悪化する場合、あるいはいつ悪化してもおかしくない場合は待たないほうがよい場合もあります。

手術の死亡率は緊急時で1割

日本における予定の冠動脈バイパス術の死亡率が2%、緊急冠動脈バイパス術の死亡率は11%と報告されています。生存はしているものの重大な合併症をもたらす場合もあります。

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