徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2026年(令和8年)05月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1542 4面

私の推し本

『飯舘村は負けない──土と人の未来のために』 千葉悦子、松野光伸 共著(岩波書店刊、880円)

足沢 美由貴 仙台徳洲看護専門学校 校長

震災を風化させてはならない――。その一心で紹介するのが、2012年3月発刊の本書です。15年前の東日本大震災の影響で発生した福島原発事故によって、飯舘村が全村避難に至るまで、そして避難してからの住民の苦しい気持ちをリアルに書き記した一冊です。共著者のひとり、千葉悦子先生は私の大学時代の恩師でもあります(発刊当時は福島大学教授)。

飯舘村ではコミュニティや家族のつながりが希薄となり、孤立感にさいなまれる住民が少なくありませんでした。当事者がどう考え行動したのか、これからどう生きようと考えたのか。本書を読むと、その時の情景が想像でき胸が詰まるとともに、震災当時の思いを風化させず長い目で寄り添うことの大切さを実感します。ぜひ一読していただきたい本です。

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