
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)05月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1542 4面
今回は、吹田徳洲会病院(大阪府)の浅川寛子・がん性疼痛看護認定看護師を紹介する。院内のがんサポーティブケアチーム(SCT)に属し、専門知識を生かしながら、患者さんや家族の身体的・精神的苦痛を軽減、双方のQOL(生活の質)向上に力を注ぐ。
浅川寛子 吹田徳洲会病院(大阪府)がん性疼痛看護認定看護師
医師の説明時に患者さんに寄り添うことも(右)
院内のがんサロンで患者さんの家族に支援制度などを説明する浅川・認定看護師
がん性疼痛看護認定看護師は、日本看護協会が設ける認定看護師資格の一分野。がんによる患者さん・家族の①痛みの総合的な評価と個別的ケア、②薬剤の適切な使用と痛みの緩和に関する熟練した看護技術・知識が求められる。
浅川・認定看護師は同資格を生かしたいと、がん疼痛治療料を新設した吹田病院を希望し2023年に入職。SCT発足に携わり認定看護師としての活動を開始した。
専ら心がけているのは、患者さんや家族の苦痛の正しい評価と適切な対応だ。がんの痛みは、身体的、精神的、社会的な痛み、スピリチュアルペインも絡み合い増幅すると言われている。痛みや不安は目に見えず、患者さん自身もうまく表現できないこともある。浅川・認定看護師は「まずは痛みの原因を把握し、患者さん自身にも知っていただくことが大事」と指摘。続けて「人の痛みをすべて理解することは難しい。だからこそ、わかったつもりにならず、“わかってもらえた”と思っていただけるかかわりを大切にしたい」と話す。
培った専門技術・知識を駆使しながら、現在は全病棟のがん患者さんを対象に、苦痛や不安を抱える方をカルテから抽出し、必要に応じて介入。用いる薬剤を医師と話し合い、非薬物ケアも組み合わせ、苦痛の軽減に努めている。院内のがん疼痛緩和医療センター、地域のケアマネジャーや訪問看護師、がん患者団体と連携し、がんサロンを定期的に開催するなど院内外問わず患者さん・家族のQOL向上に余念がない。
看護師を目指したのも、認定看護師を取得したのも、がんの痛みで苦しむ自分の家族の姿を目にしたことがきっかけとなった。「当時は中学生で、何もしてあげられなかったという後悔がありました」。認定看護師の取得直後は“(家族に)してあげられなかったことをやらなければならない”と自分を追い込み、専門性から離れた時期もあった。
しかし、今は学んだことを生かせる喜びを感じ、着実に前進している。「悩むこともありますが、感謝の言葉をいただいたり、痛みが和らいで患者さんの表情が明るくなったりすると、やっぱりうれしいです」。今後は、看護職員への勉強会や相談対応などを通じ、がん看護に関する知識や技術の底上げ、人材育成にも力を入れ「専門性を個人で抱えるのではなく、組織に還元していきたい」と意気込む。