
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)05月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1542 4面
ショートステイ(短期入所生活介護)は、在宅生活をしている要介護の高齢者が短期間施設に入所し、身体介助やリハビリテーションなどを受けるサービスです。ご家族の休息や急な用事への対応だけでなく、利用者さんの社会参加や心身の活性化も目的としています。介護老人保健施設(老健)かまくらしるばーほーむ(神奈川県)の磯和祐喜子・総看護師長は「在宅生活の継続を支える大切な柱」と強調。地域に根差した支援のあり方について解説します。
「ショートステイは前向きな選択肢です」と磯和・総看護師長
レクリエーションに参加することで心身の機能維持につながる
ショートステイの大きな役割のひとつに、ご家族の「レスパイト(休息)」があります。日々の介護は精神的・体力的な負担が大きいうえに、体調を崩したり、冠婚葬祭や外出が必要になったりすることもあります。そのような際、安心して預けられる場所があることは、在宅介護を長く続けるための安心材料になります。
利用者さんにとっても、ショートステイは多くのメリットがあります。ふだんは自宅で過ごしている方が、施設での集団生活やレクリエーション、リハビリなどを通じて刺激を受けることで、認知症の予防や心身の機能維持につながります。とくに、通所リハビリ(デイケア)を併用している方にとっては、顔なじみの介護職員がいる安心感のなかで入所できるため、抵抗なく利用できる利点がありますし、孤独感の解消にもつながります。
夏や冬の厳しい季節に、体調管理を目的として1〜2カ月といった少し長めの期間を利用する方もいます。高齢者のなかには、自宅で無意識的にエアコン使用を控えてしまう方もいて、それが熱中症や低体温症を引き起こす原因となります。とくに、独居の方や日中独居になる世帯では、適切な温度管理が難しいケースもありますので、安全な環境で過ごしてもらうこともひとつの活用法です。
「緊急ショートステイ」というサービスもあります。これは介護者の急病、事故、災害など緊急を要する理由で介護ができない時に、要介護者を一時的に施設で預かるものです。当施設では、地域のケアマネジャーさんと密に連携し、急なトラブルにも柔軟に対応できる体制を整えています。「どこも空いていない」と途方に暮れるご家族を救うセーフティーネットとして、老健が果たすべき役割は大きいと考えます。
当施設の特徴は、隣接する清川病院との強固な連携です。毎週1回の連携会議を行い、利用者さんの状態やベッドの空き状況を共有しています。何か体調に異変があった際にも、すぐに病院の医師や看護師と連携できる体制は、利用者さんやご家族にとって大きな安心感につながります。医療と介護の距離が近いからこそ、医療依存度が少し高い方でも柔軟に受け入れを検討することが可能です。
また、病院を退院する際、すぐに自宅での生活に戻るのが不安な場合は、ショートステイが「中継地点」として機能します。医療的な処置は必要なくても、介護的なサポートが欠かせない時期に、次の生活ステップへの準備をお手伝いします。
ショートステイの利用者さんに接する際、私たちスタッフは「過介護」にならないよう気を付けています。ご自身でできることは、できるだけ自分で行ってもらうことで、機能の低下を防ぎ、自宅に戻った際もスムーズに生活を再開できるようにサポートします。滞在中にADL(日常生活動作)が向上するケースも少なくありません。
ショートステイは単なる「お泊まり」ではなく、その人らしい在宅生活を一日でも長く続けるための前向きな選択肢です。利用者さんが「また来たい」と思えるような、そして、ご家族が「預けて良かった」と思えるような、温かな場所であり続けたいと考えています。