
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2026年(令和8年)02月09日 月曜日 徳洲新聞 NO.1529 1面
千葉西総合病院はアブレーションセンターを新たに開設した。心房細動など不整脈に対する根治療法のカテーテルアブレーション治療に取り組んでいく。センター長には、同治療の年間件数が約1,200件(2023年実績)に上るハイボリューム施設で、豊富な経験を積んできた佐藤明医師が就任(兼循環器内科診療部長)。24年9月に保険適用となった心房細動に対する新しい治療法であるパルスフィールドアブレーション(PFA)を積極的に活用するとともに、総合病院の強みを生かし、他診療科との連携により、併存疾患にも対応しながら不整脈の患者さんのために貢献していく。
「最新・最良の治療を患者さんに提供し続けていきたい」と佐藤センター長
PFAを駆使して心房細動を治療
心房細動は加齢とともに発症率が高まる頻度の高い不整脈。国内の患者数は現在100万人を超えるとされる。症状は動悸や息切れ、胸苦しさ、胸の圧迫感など。
全身を巡った血液が戻ってくる心房内で、異常に多くの電気信号が発生し、心房が痙攣状態となることで引き起こされる。心臓のポンプ機能が失われ、心房内に血液が滞り、血栓(血の塊)が生じやすくなる。
そのため放置すれば心不全や、血栓が血流に乗って脳に運ばれることで脳梗塞といった深刻な事態を招くリスクがあり、早期の適切な介入が不可欠だ。千葉西病院が新設したアブレーションセンターは、こうした医療ニーズに対し、より迅速かつ専門的に対応するための拠点となる。
カテーテルアブレーション治療は、具体的には大腿の付け根から専用のカテーテルを挿入し、心臓内に誘導、右心房を経由して治療部位のある左心房に導く。不整脈の発生源となっている部位を、高周波による熱や冷凍凝固、パルス電場(パルスフィールド)によって焼灼する。
同院は虚血性心疾患に対するカテーテル治療(PCI)で国内トップを走る。この強力なカテーテル診療を基盤に、不整脈専門のアブレーションセンターを加えたことで、カテーテル治療の幅の広がりと専門性の深化という診療機能の一層の拡充が実現した。
不整脈に対するカテーテルアブレーション治療に関して、同院では佐藤センター長が着任した25年9月以前から取り組んでおり、治療手段として高周波アブレーション、バルーンアブレーション、PFAを完備。アブレーション専用のカテーテル室は2部屋を確保し、PFAの設備も2台導入して運用している。佐藤センター長の着任によって、アブレーション治療を担う医師数は3人体制に強化された。
24年の実績でアブレーション治療は600件を超えており(そのうち半数以上が心房細動)、佐藤センター長の着任以降は従来を上回るペースで症例を重ねている。地域の医療機関からの紹介に加えて、院内の他診療科からの紹介も多いという。
現在、同院が心房細動に対するアブレーション治療の主力と位置付けているのがPFAだ。佐藤センター長は「PFAは特殊な電気パルスで心臓の標的部位(心筋細胞)を選択的に治療する新しい技術です。心臓の周囲にある食道や神経などに影響を及ぼす可能性が低いため、より安全性が高く、治療時間が短いのも特徴です」とアピールする。
治療時間はカテーテル室への入室から退室まで、おおむね2時間程度で、入院期間は基本的には3泊4日。術後1週間程度は激しい運動や重労働を控える必要があるものの、それ以降は通常の社会復帰が可能だ。
大規模な急性期総合病院の一部門としてアブレーション治療を手がけることも、同センターの大きな強みとなっている。心房細動の患者さんは高齢であることが多く、心臓以外の併存疾患を抱えているケースも少なくないためだ。そのような場合でも、院内の各診療科と緊密に連携することで、安全かつ包括的な医療を提供することができる。
今後の目標について佐藤センター長は「より多くの患者さんに貢献するという意味で治療件数は重要な指標です。また、それ以上に地域の患者さんからの信頼を大切にしていきたいです。結果的に、それが症例数の増加にもつながっていくのだと考えています」と力を込める。
また「医療技術は日進月歩であり、今後も新しい治療デバイスが登場する可能性があります。当センターでは、つねに最新の情報をキャッチアップし、最新・最良の治療を患者さんに提供し続けていきたいと考えています。心房細動でお悩みの方がおられましたら、ぜひ当院にご相談ください」と呼びかけている。