2021年(令和3年)4月5日 月曜日 徳洲新聞 NO.1281 四面
離島・沖縄ブロック
看護の質向上へ知見共有
徳洲会看護部門 業務改善発表会を開催
徳洲会グループ看護部門は第5回離島・沖縄ブロック業務改善発表会を開催した。看護の質の向上や業務の効率化など各病院が現場で日頃取り組んでいる改善活動について、同ブロックの12病院が演題発表を行った。グループ内で共有を図り、全体のレベルアップを図るのが狙い。WEB形式で開催した。
「今日得たことを生かし継続を」
「各病院の発表を業務改善の参考に」と大倉・看護部長
冒頭、離島ブロック長の大倉さとみ徳之島徳洲会病院(鹿児島県)看護部長は「新型コロナウイルス感染症への対応で大変ななか、参加いただきありがとうございます。各病院の発表を参考に、それぞれの病院にもち帰り、業務改善に役立ててください」と開会の挨拶。
業務改善発表会には職員の負担軽減、助産師による保健指導、身体抑制廃止、シームレスなケア提供、残業削減、退院調整・退院支援、満足度向上など多彩なテーマの演題が集まった。審査の結果、優勝は南部徳洲会病院(沖縄県)、2位は名瀬徳洲会病院(鹿児島県)、3位は中部徳洲会病院(沖縄県)が選ばれた。
南部病院は小松ちひろ看護主任が「急性期病棟における身体抑制廃止に向けた取り組み」をテーマに発表。医療機関では安全性や治療継続の観点から、必要に応じて身体抑制を行う。一方で、これは精神的苦痛や身体機能の低下、認知症進行の恐れといった弊害も指摘されている。
そこで同院では身体抑制率の低減を目指し、経鼻胃管の自己抜去予防のため、一日に必要な栄養量を日中に注入、その間、スタッフがかたわらに付き添ったり、皮膚剝離(はくり)リスクを抑えるためにミトンではなく軍手を用いたりするなど取り組みを開始。さらに身体抑制ゼロプロジェクトチームを立ち上げ、「身体抑制廃止」宣言を行い、ポスターを掲示。また各部署に配置していた拘束用具の中央管理を行い、貸出基準を設定したり、Eラーニング研修を行うなど知識向上に努めたりした。その結果、目標値を大幅に上回る達成を実現した。
「グループの力を合わせ乗りきりましょう」と照屋・看護部長
小松主任は「抑制が本当に必要かを考え、スタッフ一人ひとりが代替案を提案できるようになりました」とまとめた。
名瀬病院は世門奈穂美・看護師長が「残業削減に向けての取り組み~残業に対する意識調査~」をテーマに発表。同院は超過勤務の軽減による労働環境の整備や患者サービスの充実を促進することを目的として、残業時間の削減に向けて取り組みを実施。看護部の全部署で終礼を始めたり、問題点を抽出するためにアンケートを行ったりした。
その結果、残業時間は取り組み前と比べて減少。リーダー育成や残業時間を部署内で知らせることなどを今後の課題に挙げ、「引き継ぎや時間配分など個人の技量が左右することがあるため、振り返りのなかで業務進行のあり方を学んでいく必要があります」と指摘。続けて「しかし、時間ばかりにこだわると看護がおざなりになる恐れもあり、看護の質を落とすことなく業務を改善していくことが、患者サービスの向上につながると考えます」と結んだ。
中部徳洲会病院は當山夕香・看護師長が「ストーマ外来立ち上げに向けた取り組み~ストーマ患者の満足度向上を目指して~」をテーマに発表。同院では患者さん退院後のストーマ(人工肛門)ケアの継続的な支援体制が構築されていなかったことから、2018年4月にストーマケアチームを立ち上げ、知識・技術の向上を図るとともにストーマ外来を開設。
また同院のリンクナース(各種専門チームと病棟看護師をつなぐ役割をもつ看護師)が院外研修で研鑽(けんさん)を積んだり、ストーマ患者さんが多く入院する病棟の看護師を対象に院内研修を実施したりした。さらに、ストーマケア指導パンフレットを新たに作成し、クリニカルパス(診療計画書)の見直しも行った。
各病院がオンラインで参加(写真は喜界徳洲会病院)
ストーマ外来を受診する患者数は増加傾向で、アンケートから患者さんの満足度が向上していることがわかった。當山師長は「院内研修の継続によるスキルアップ、ストーマ外来担当看護師の育成、ストーマ外来開設日の増加などが今後の課題です」とさらなる改善に向け意欲を見せた。
閉会挨拶では沖縄ブロック長の照屋いずみ中部徳洲会病院看護部長が「発表者と、一緒に改善活動に取り組んだメンバーの皆さん、お疲れさまでした。各病院の臨床現場でのさまざまな改善活動の成果が、数多く発表され質疑応答も活発に行われました。今日得たことを生かして看護の質向上の取り組みを継続してください。まだコロナ禍が続いていますが、徳洲会グループの力を合わせて乗りきりましょう」と呼びかけた。