徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)2月8日 月曜日 徳洲新聞 NO.1273 二・三面

重症に対応!
第3波では高齢患者さん増 後方連携で地域差も
コロナ対応緊急総力特集

徳洲会グループでは、感染対策をきちんと施し、本院で中等症以上の新型コロナウイルス感染症患者さんに対応している病院も多くある。第3波では高齢の患者さんが増加、急性期の治療を終えたものの後方連携がままならず、入院が長期化する地域がある一方、退院調整がスムーズに行えている地域もあり、〝地域格差〟が浮き彫りとなっている。

後方病床の役割も発揮──古河病院

古河病院は患者さんの状況を遠隔モニターで確認古河病院は患者さんの状況を遠隔モニターで確認

「今日(1月22日)も2人のコロナ陽性患者さんが入院しました。ひとりは1月中旬に陽性が判明し、在宅療養中に呼吸状態が悪化した患者さんで、人工呼吸器を装着し治療を受けています。第3波以降、入院要請が増え、車で1時間以上かかる地域からの搬送もあり、5床すべて埋まったこともあります」。こう話すのは古河総合病院(茨城県)の堀井勝徳事務長。同院は重症を含む最大5人の入院に対応する。

目下、後方病床の確保が全国的な課題となっている。茨城県では県の入院調整本部が入院先を調整しているが、コロナ回復後の転院がスムーズにいかないことがある。そのため同院は県から後方病床の役割も求められ、入院後、陰性になった患者さんの回復期リハビリに取り組んでいる。

同院はスタッフステーションに液晶モニターを設置し、病室の様子や患者さんの心拍数・心電図などを遠隔で確認できる仕組みを築くなど、感染リスクの低減を図りながら治療に集中している。

役割分担と体制強化奏功──宇治病院

患者さんに懸命に対応する宇治病院のスタッフ患者さんに懸命に対応する宇治病院のスタッフ

宇治徳洲会病院(京都府)は救命救急センターの一部を新型コロナ専用病床として確保。従来の病床(28床)の8床と、「ERHCU(救急外来高度治療室)」と称するスペースの12床の計20床で、主に重症患者さんに対応している。京都府では庁内に設置した「京都府新型コロナウイルス感染症入院医療コントロールセンター」が、入院病床の確保・病院間調整などを実施。「役割分担や入退院の調整は比較的うまくできています」(齊藤文代・看護部長)。

重症患者さんに対応するために、同院は体制を強化。4対1以上の看護師を配置するとともに、薬剤師や臨床工学技士ら多職種でチームを編成した。医師は循環器内科、呼吸器内科、救急総合診療科がローテーションで参加し、毎朝、カンファレンス(症例検討会)を実施している。

設備は4台あるECMO(体外式膜型人工肺)の1台をコロナ病床に配備。人工呼吸器は25台を有し、適宜、コロナ病床で使用する。こうした体制の下、第1波からこれまで気管挿管やECMOを用いるような、とくに重症の患者さん30人以上に対応したが、亡くなった方はひとりもいない。

現在はとくに高齢の方に対応。末吉敦院長は「救急の受け入れが少し制限されたり、スタッフに疲労がうかがえたりするなど、当地域でも医療崩壊が進んでいるように感じます」と指摘。それでも「ワクチン接種など希望の光が見えつつある」とし「地域のために踏ん張りたい」と前を向く。齊藤・看護部長も「全看護師にPPE(個人防護具)の着脱テストを行うなど、誰がいつ、かかわっても良いように教育にも力を入れています」と余念がない。

増床要請なら仮設病棟も──野崎病院

コロナ病棟では看護師は日勤4~5人、夜勤3人を配置コロナ病棟では看護師は日勤4~5人、夜勤3人を配置

野崎徳洲会病院(大阪府)はコロナ患者さんの受け入れに中等症38床、重症4床を用意している。中等症のコロナ病棟では、看護師を日勤4~5人、夜勤3人を配置しているが、第3波のピーク時には33人の入院患者さんに対応、声をかけ合いながら乗りきった。1月中旬以降、入院患者さんは減少傾向にあり、今は第4波に備え看護師の募集なども進めている。

中川秀光院長は「今後の体制は大阪府の考えにもよりますが、もし増床の要請があれば、プレハブ建ての仮設病棟を設置する予定です」と意欲的。

続けて「今も当院に医療崩壊はありません。スタッフ皆が真摯(しんし)にコロナに対応しながら、一般診療の機能も落とさないように頑張っています」とも強調する。

同院では昨年12月、職員・患者さん含め計38人の院内クラスター(感染者集団)を出したが、同月末に終息。その反省を生かし、勉強会を開くなど対策を念入りに講じた。また、谷澤由香・看護師長(感染管理認定看護師)は昨夏から、地域の病院に赴き感染対策の指導も実施している。谷澤・看護師長は「コロナ病棟勤務は固定ではなく、合間に一般病棟に戻ってもらうなど、面談しながら個人の意向に合わせて対応しています。長期戦が続くと思いますので、スタッフの精神的ケアを行いながら頑張ります」。

重症の受け入れに専念──岸和田病院

重症患者さんの治療を行う岸和田病院ICU重症患者さんの治療を行う岸和田病院ICU

岸和田徳洲会病院(大阪府)は第1波が襲来した昨年3月にコロナ患者さんの入院受け入れを開始。大阪府の重点医療機関として、救急病棟28床を、14床のコロナ専用病床とし集中治療が必要な患者さんを受け入れている。最も多い時期には13床が埋まった。

同院が受け入れているのは人工呼吸器やECMOによる治療を要する大阪府全域の重症患者さん。1月26日時点で入院患者数は累計81人、延べ人数は920人に上る。

同院救命救急センターの鍜冶有登センター長は「重症の患者さんに関しては、大阪府では救急医のネットワークを生かし、大阪急性期・総合医療センターが中心となり、重症病床をもつ20病院の空き状況に応じて入院先を調整しています。このシステムが機能し調整はうまくいっています」と説明する。

コロナ病床の多くが埋まってきた場合、大阪コロナ重症センターを中心に、入院期間が10日程度を超えた患者さんの転院搬送を受け入れている。これにより同院は新たな重症患者さんの受け入れ枠を確保している。

コロナ患者さんのケアを担うのは救急病棟の看護師。「重症患者さんに対応するには、チーム力が非常に大切ですので、あえて配置換えを行わずに、救急病棟配属のスタッフが患者さんのケア管理にあたっています」(深野明美・看護部長)。

2月から受け入れ拡大──福岡病院

さらに受け入れ人数を増やした福岡病院さらに受け入れ人数を増やした福岡病院

福岡徳洲会病院は陰圧室がある病棟1フロアをコロナ専用病床に利用。状況に応じてスペースを変えるなか、2月1日からは最大24人を受け入れられる体制を整えた。4対1で看護師を配置していることに加え、とくにリハビリテーションに注力。3人のセラピストを専属として1週間交代で配置し、患者さんの回復、早期退院に努めている。

第2波の後半以降、高齢の感染者が増え、最近では中年でも重篤な患者さんが増加。伊藤恭子・感染管理室長(看護師)は「とくに基礎疾患のある方で人工呼吸器を装着するようなケースや、付きっきりの対応が必要な高齢者が増えていると感じます」と説明する。

患者さんに対応するかたわら、治療後の受け入れ医療機関の確保にも注力。「昨年の秋頃は後方支援が受けられない状況でしたが、医師会や県に働きかけ、少しずつですが解消しつつあります」と伊藤室長。

早期リハビリで退院支援──南部病院

PPEを着用しベッドサイドでリハビリを実施PPEを着用しベッドサイドでリハビリを実施

南部徳洲会病院(沖縄県)は多職種による入院直後からの退院・在宅支援により、高齢のコロナ患者さんを地域の施設や在宅に戻す取り組みに力を入れている。入院患者さんは第1波では30~50代が中心だったが、第2波以降は70~90代が多くなり、ADL(日常生活動作)要介助で転倒転落の危険性が高くなった。このため、なるべく早期からリハビリテーションを開始。理学療法士(PT)はPPE(個人防護具)を着用、歩行器などをコロナ患者さん用とするなど感染対策を徹底し実施した。

上地利明リハビリ室副室長(PT)は「コロナ病棟は隔離され、人の出入りができない状態なので、入院患者さんは動けずにどんどん体力が落ちてしまいます。そのため病棟内でもリハビリできる環境を整えるなど工夫して、早期介入を目指しました」と説明する。

退院前には、介護施設や家族も含めた多職種によるカンファレンスを実施。比嘉恵美子・看護師長は「厚生労働省により、退院基準が発症から10日経過と見直されても、陰性にならないと受け入れられないという施設も多くあります。そこで、まずは当院の関連施設である介護付き有料老人ホーム徳洲苑かふう、ヘルパーステーションいこいと協力し、スムーズに退院できる流れをつくりました」と明かす。これにより病床を回し、コロナ患者さんの受け入れに対応している。

PAGE TOP

PAGE TOP