徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)4月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.1231 一・二面

徳洲会グループ栄養部会
料理コンテストの結果出揃う
古河病院と老健愛心園が連覇

徳洲会グループ栄養部会は昨年8月から今年2月にかけて各ブロックで2019年度料理コンテストを実施した。同コンテストは調理師のモチベーションアップや相互交流、食事メニューの共有、患者さん目線での食事の工夫を目的に18年度に初開催。ふだん入院患者さんに提供している食事メニューを対象に、病院・介護施設が競い合う。今回は、より実践に即したルールに変更するとともに、予選を設けるなど効率的な運営を試みた。各ブロックで熱戦が繰り広げられ、なかには連覇を果たした施設も見られた。新型コロナウイルスの影響で“おうちごはん”が増えているが、今日の献立のヒントにいかがだろう。
https://www.tokushukai.or.jp/media/newspaper/1231/article-12.phpに関連記事)

予選・決勝方式で効率運営

コンテスト参加者に檄を飛ばす鑓水部会長コンテスト参加者に檄を飛ばす鑓水部会長

前回の経験をふまえ、今回のコンテストは運営面とルールを大幅に見直した。運営面では、できるだけスムーズにコンテストを進行できるように工夫。各ブロックで参加施設が一堂に会して調理する“一発勝負”のスタイルから、予選・決勝方式に変えた。予選はレシピと写真の書類審査とし、昨年8月から10月にかけて実施。決勝は上位3施設が一堂に会して調理する形式で11月から今年2月にかけて行った。

また、今回は病院と、介護老人保健施設(老健)や特別養護老人ホーム(特養)など介護施設とを分けずに行った。審査員も変更し、すべて栄養部門職員で統一。予選ではブロックが異なる施設の調理師や管理栄養士、決勝では予選を突破した3施設以外の調理師や管理栄養士が務めた。

決勝で調理を進める参加者。手際の良さなども審査される(沖縄ブロック)決勝で調理を進める参加者。手際の良さなども審査される(沖縄ブロック)
決勝で調理を進める参加者。手際の良さなども審査される(沖縄ブロック)調理した料理を審査員が実食。参加者が料理についてプレゼンテーションを行う場も設定(北・南関東ブロック)
関西・大阪ブロックは独自で表彰状を作成。「雰 囲気づくりとして良かったです」と佐治主任

これらの変更について、栄養部会長の鑓水弘樹・一般社団法人徳洲会(社徳)栄養部部長は「前回のスタイルでは、限られた設備を交代で使用するため、どうしてもあわただしくなり、参加者や運営スタッフの負担が少なくありませんでした。調理師ブロックリーダーから『料理を提供するタイミングに、ばらつきが出て、味や見た目を左右しかねない』との意見もあり、コンテストの円滑な進行、公平性を担保するために見直しました」と説明。

審査員については「作業工程も評価の対象となり専門的な視点が必要なことから、職員に務めてもらうことにしました」。

ルールも、より実践に近い内容に修正。具体的に①通常時のメニューで、昼食または夕食として提供可能な一般食(常食)1食分(病院は1600㎉、介護施設は1400㎉)、②品数は主食(米のみ)、主菜(鶏モモ肉かサワラ)、副菜(温冷1品ずつ。汁物やデザートでも可)の4品、③原価は250円まで(調味料は含まない)、④作業時間は90分(盛り付け含む)、⑤調理する各メニューのレシピの提出――など。審査基準は盛り付けや色彩、食事バランス、量、味付けに加え、新たに衛生面を盛り込んだ。「鶏肉とサワラについては、調理師ブロックリーダーから『どの施設も使用頻度が高い食材。コンテスト実施後に全国の施設で実践できるようにしたい』という意見もありました」(赤嶺涼佳・社徳栄養部副主任)

今回のスタイルに各ブロック関係者も好感触。大阪ブロック長の佐治利章・和泉市立総合医療センター栄養管理室主任(管理栄養士)が「主菜の食材を決めていたので評価がしやすかったです」と満足げ。同部会沖縄ブロック教育担当の比嘉華花・中部徳洲会病院管理栄養士も「滞りなくコンテストを開催できました。参加者からも良かったという声が多く聞かれました」と目を細めた。

鑓水部会長は「調理師が主体的に携わったことも良かった点です。栄養部として管理栄養士、栄養士、調理師はひとつのチーム。今回のかたちをベースにしつつ、患者さんや利用者さんへのサービスにつながるよう努力します」と一層の向上を目指す。

色彩の良さなどが高評価 関西・大阪ブロック

【岸和田病院】タンドリーチキンカツ~彩り野菜添え~、ほっこりキノコの豆乳スープ、小松菜とトマトのサラダ【岸和田病院】タンドリーチキンカツ~彩り野菜添え~、ほっこりキノコの豆乳スープ、小松菜とトマトのサラダ

関西ブロックと大阪ブロックは前回同様、合同で開催。病院と特養の計12施設が参加した。昨年11月2日に岸和田徳洲会病院で決勝を行い、同院が優勝した。表彰式で両ブロックが用意した賞状が贈られると、会場に大きな拍手が響いた。同院のメニューに対して、審査員からは色彩をはじめ全体的なバランス、量の良さなどを評価する声が上がっていた。

老健愛心園が接戦制す 離島ブロック

【老健愛心園】揚げ鶏の甘酢あんかけ、ニガウリ味噌、そうめん汁【老健愛心園】揚げ鶏の甘酢あんかけ、ニガウリ味噌、そうめん汁

5病院と2老健の計7施設が参加。昨年12月8日に名瀬徳洲会病院(鹿児島県)で決勝を行い、前回に続き徳之島の老健愛心園が優勝した。2位の名瀬病院とは、わずか1点差。川上朝美調理師は「驚きました。他施設のメニューが見られるなど、良い経験になりました」と目を輝かせた。

老健ほのか雪辱果たす 東北ブロック

【老健ほのか】キムチ炒飯、切干大根と豆苗のごちそうスープ、蒸し鶏の香味おろししゃぶ和風仕立て、カリカリ梅のシャキシャキ蓮根サラダ【老健ほのか】キムチ炒飯、切干大根と豆苗のごちそうスープ、蒸し鶏の香味おろししゃぶ和風仕立て、カリカリ梅のシャキシャキ蓮根サラダ

4病院と8老健の計12施設が参加。昨年12月8日に山形大学で決勝を行った。老健ほのかが頂点に立ち、前回3位の雪辱を果たした。三浦俊之調理師と佐藤理美調理師は「当栄養科は19年度、“ほのかの顔は、ほのかの食事”を掲げ取り組んできました。評価されて大変嬉しいです」。

ブロック長の星川由香里・新庄徳洲会病院(山形県)栄養管理室主任(管理栄養士)は「上位の施設は試作を繰り返し、調理師の連携が図れていると感じました」と総括。

石垣島病院が初戴冠 沖縄ブロック

【石垣島徳洲会病院】鶏肉のアーサあんかけ、ミミガーの和え物、すまし汁【石垣島徳洲会病院】鶏肉のアーサあんかけ、ミミガーの和え物、すまし汁

6病院と1老健、1介護付有料老人(有老)ホームの計8施設が参加。昨年12月13日に南部徳洲会病院で決勝を行い、石垣島徳洲会病院が制した。「他の施設のほうが優れていると感じていたので、びっくりしました」と島村卓調理師。番場直斗・管理栄養士は「いつも患者さんが美味しいと言ってくださる沖縄を意識した食材・メニューで挑みました。不安もありましたが、今回の結果を受けて自信になりました」。

2位は前回に続き中部徳洲会病院、3位は介護付有老ホーム徳洲苑かふうで、メニューは鶏肉の味噌焼きなど。

同一会場で別々に決勝 北・南関東ブロック

【古河総合病院】サワラのパン粉焼き、タラモサラダ、花野菜のペペロンチーノ【古河総合病院】サワラのパン粉焼き、タラモサラダ、花野菜のペペロンチーノ
【老健かまくら】チキンの白ワイン蒸し~トマトクリームソース仕立て~、大根の昆布茶煮~鎌倉シラスのあんかけ~、男爵イモとブロッコリーのイタリアンサラダ【老健かまくら】チキンの白ワイン蒸し~トマトクリームソース仕立て~、大根の昆布茶煮~鎌倉シラスのあんかけ~、男爵イモとブロッコリーのイタリアンサラダ

北関東ブロックは9病院と3老健の計12施設、南関東ブロックは9病院と2特養、6老健の計17施設が参加。昨年12月15日に鎌倉女子大学でそれぞれ決勝を行った。北関東ブロックは古河総合病院が連覇。南関東ブロックは、老健かまくらが審査員の心をつかんだ。

北関東ブロック長の土屋輝幸・武蔵野徳洲会病院栄養管理室主任(管理栄養士)は「ふだんの衛生に対する意識を垣間見ることができて良かった」。南関東ブロック長の深谷朋子・茅ヶ崎徳洲会病院(神奈川県)栄養管理室副室長(管理栄養士)は、決勝に進めなかった施設との情報共有などを今後の課題に挙げた。

8病院すべてが参加 九州ブロック

【福岡徳洲会病院】サワラの彩り野菜あんかけ、ナガイモのバターソテー明太子ソース、ナスとキュウリの酢の物ミョウガ添え【福岡徳洲会病院】サワラの彩り野菜あんかけ、ナガイモのバターソテー明太子ソース、ナスとキュウリの酢の物ミョウガ添え

8病院と1老健の計9施設が参加。1月26日にかごしま県民交流センターで決勝を行い、福岡徳洲会病院が制した。ブロック長の松元めぐり鹿児島徳洲会病院栄養管理室主任(管理栄養士)は「当ブロックに属する8病院すべてが参加できたことを嬉しく思います。会場選びもうまくできました」と述懐。「患者さんの満足度と質の向上につなげていきたいです」。

季節を感じられる献立 北海道ブロック

【サ高住徳洲苑しろいし】山菜栗ご飯、梅しそ竜田揚げ(サワラ)、秋の卵蒸しキノコあんかけ、キュウリの昆布和え【サ高住徳洲苑しろいし】山菜栗ご飯、梅しそ竜田揚げ(サワラ)、秋の卵蒸しキノコあんかけ、キュウリの昆布和え

6病院と1老健、1特養、1サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の計9施設が参加。2月2日に札幌徳洲会病院で決勝を行い、「施設にいても季節を感じられる献立」を作成したサ高住徳洲苑しろいしが制した。審査員の澤田千恵・札幌南徳洲会病院栄養室副室長(管理栄養士)は「どの施設も香味野菜や出汁など上手に生かして美味しくいただける工夫を施していました」と評価。「審査員にも良い勉強になります」と強調した。

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