ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2017年(平成29年)8月28日 月曜日 徳洲新聞 NO.1097 一面
岸和田徳洲会病院(大阪府)は7月29日、内閣府が主催する大規模地震時医療活動訓練に病院を挙げて参加、府内6カ所に設置された活動拠点本部のひとつとして役割を果たした。同訓練は政府や行政機関、医療機関、インフラにかかわる民間企業・団体が協力し、府内全域で同時に実施。トリアージ(重症度選別)など各現場での訓練だけでなく、実際に患者さん役を搬送したり、物資や医療従事者らを輸送したりし、広域・多機関連携がうまく機能するか検証、現状のシステムや体制のブラッシュアップを図るのが狙いだ。
DMAT本部では各地の情報をもとに搬送指示や必要な人員・物資の管理・調整を行う
訓練は、前日正午に和歌山県南方沖を震源とする最大震度7の地震が発生し、大阪府全域で甚大な被害が判明したため、全国から応援が入っている状況を想定。病院災害対策本部には各診療エリアからの情報が集まる
同時に、同院内のDMAT本部、DPAT本部が、大阪府庁に設けられた調整本部、ほかの5カ所の活動拠点本部、SCU、消防署、警察署、救護所、医療機関、各地のDMAT・DPATなどから入ってくる情報をもとに、それぞれ搬送指示や必要な人員・物資の管理・調整を行った。重症患者さんを扱う赤診療エリアでは中等度の黄エリア、軽症の緑エリアの情報も集約
岸和田病院はこの日のために机上訓練を2回、模擬訓練を2回実施しており、準備も含めると400人近い職員が関与。また、SCUでは日本赤十字社がdERU(仮設診療所)をフル展開し、手術室から分娩(ぶんべん)室、陰圧室、集中治療室、レントゲン検査室まで整う医療設備を披露、多くの参加者の関心を集めた。DMAT、DPAT本部も多くの人であふれていた。集中治療室や手術室、レントゲン検査室を完備したSCU
今回、特徴的だったのは従来、災害医療では中長期的な精神ケアを中心に行ってきたDPATが、災害急性期から積極的に救援に参加した点。同院周辺に精神科単科病院があり、災害時には、身体的ケアとは別の配慮を要する精神科入院患者さんを搬送するためだ。模擬患者さんのヘリ搬送も実施
このように過去の災害や訓練をとおし見出した課題について対策を検討し、「次回以降の改善につなげていくことが大切です」と岸和田病院の訓練統括者である出田淳副院長(神経内科)。鍜冶部長は「EMIS(被災状況、医療支援・搬送状況など共有する広域災害救急医療情報システム)には、今回の訓練の反省点も上げられるようになっています。ぜひ、検証に活用してください」と呼びかけていた。泉州地域の病院、消防、警察などが一堂に会し議論や演習
府災害拠点病院の岸和田徳洲会病院(大阪府)は、同じく府災害拠点病院のりんくう総合医療センターとともに、泉州地域大規模災害時医療連携プロジェクト会議を開催した。同地域の23病院に加え医師会、消防、警察、行政も参加。地域内の連携を密にし、顔の見える関係を築くのが目的で、内閣府主催の大規模地震時医療活動訓練前の顔合わせも兼ねた。