徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)3月21日 月曜日 徳洲新聞 NO.1074 四面

徳洲会は4度目の申請へ
修復腎移植 なお「継続審議」
厚労省先進医療技術審査部会

厚生労働省は3月16日、先進医療技術審査部会を開き、徳洲会が申請している修復腎移植術について先進医療への適用の可否を協議した。配布された資料には「条件付き適」と記載されていたが、構成員や専門技術委員による議論の末、引き続き「継続審議」となった。この結果を受け、一般社団法人徳洲会の安富祖久明・副理事長と修復腎移植臨床研究責任者である東京西徳洲会病院の小川由英・腎臓病総合医療センター長らは記者会見を開き、今後も適用に向け取り組んでいく意向を明かした。

患者団体関係者「非常に悔しい」

傍聴席で資料を読み込む(左から)安富祖・副理事長、小川センター長 傍聴席で資料を読み込む(左から)安富祖・副理事長、小川センター長

修復腎移植は徳洲会が2009年12月から臨床研究として実施。ドナー(臓器提供者)の腎臓に生じた小径(直径7㎝以下)のがんを切除した後、その腎臓を修復して透析患者さんであるレシピエント(臓器受給者)に移植、腎機能を回復させる治療。これまで第三者間、親族間での移植を計18例行っており、おおむね良好な成績を収めている。

16日の部会では、研究の実施計画などに対し、昨年8月に同部会が指摘した事項について徳洲会側が修正、見直した点を評価する声も多かったが、当日配布された机上資料の理解もなく、実施医療機関の体制、有効性・安全性の評価方法、モニタリングの体制・実施方法が、いまだ不十分と一部から指摘があり、最終的に「継続審議」となった。

具体的な指摘事項は、臨床研究を適正に実施するために必要な第三者評価の体制や、治療の有効性や安全性について臨床的判断を行うための指標といった部分。配布資料の総評では、「第三者評価の体制整備がなされ、プロトコール(実施計画書)やIC(説明同意)文書の内容が適切になされていれば、承認可能な段階まで来たと考えられる」と記され、「条件付き適」となっていた。

傍聴していた安富祖・副理事長、小川センター長らはメディアの求めに応じ記者クラブで会見。安富祖・副理事長は国内で1万人以上が腎移植を希望しているものの、献腎移植の待機期間は平均15年と長く、その間に亡くなる透析患者さんが多いことなどを説明し、「今回の結果は非常に残念。『修復腎移植を受けたい』と待っている患者さんに本当に申し訳ない」と肩を落とした。

しかし、すぐさま「継続審議という結果を受け止め、諦めずに取り組んでいきたい」と前向きな姿勢を見せた。

小川センター長も「安富祖・副理事長とまったく同じ気持ち。私たちは修復腎移植で患者さんを救うことを目指しているので、できるだけの努力をしていきたい」と力強く語った。

会見には、患者団体である「NPO法人移植への理解を求める会」の向田陽二理事長と野村正良・副理事長も同席。報道陣から今回の結果について聞かれた向田理事長は「資料では条件付き適となっていただけに、非常に悔しい」と怒りをあらわにしていた。

向田理事長は「私も修復腎移植を受けたひとり。移植して15年経過しますが、今もこうして元気です。この間、亡くなっていく透析患者さんを何人も見てきましたが、本当につらい。現実に修復腎移植で助かっている人がいるのに、なぜ、なかなか認めてもらえないのでしょうか」と訴え、今後も患者団体として積極的に活動していく覚悟を示した。

会見後、安富祖・副理事長、小川センター長らは徳洲会東京本部に戻り、今後の対応を協議。指摘事項に対する具体的な改善策を話し合うとともに、4度目の申請に向け速やかに対応していく方向で一致した。

前日に親族間移植5例目

厚労省内の記者クラブでの会見の模様。「患者さんのために、諦めずに取り組んでいきます」と安富祖・副理事長 厚労省内の記者クラブでの会見の模様。「患者さんのために、諦めずに取り組んでいきます」と安富祖・副理事長

宇和島徳洲会病院(愛媛県)は3月15日、親族間の修復腎移植を行った。親族間は15年7月以来、今回で5例目、第三者間を含めると18例目。

ドナーは50歳代男性で、レシピエントは60歳代女性。当初は他院で移植術を検討していたが、ドナーに小径腎腫瘍が見つかり、宇和島病院へ紹介。同院で検査を行った結果、小径腎がんと診断された。治療法の選択肢などを説明した後、ドナーは腎摘出術を選択。修復腎移植の臨床研究への参加に同意を得たため、院内の倫理委員会の承認を経て、東京西病院の移植事務室に登録。

レシピエントに対しても修復腎移植に関する治療や臨床研究への参加に対する同意を得て、東京西病院の移植事務室にレシピエントとして登録。

その後、修復腎移植検討委員会でドナー・レシピエントの適格性などをあらためて確認するなど所定の手続きを終え、手術に至った。手術は成功し、患者さんの容態も安定しているという。

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