徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

病気の治療

medical treatment

乳腺外科の病気:乳腺症

症状は痛みやしこり、乳腺からの分泌物

乳腺は乳管上皮を含む実質とその間を埋める間質でできています。また、乳腺は女性ホルモンの影響により増生(細胞の数が増え組織、器官が大きくなること)と萎縮(細胞の数が減り組織、器官が小さくなること)を長年にわたって繰り返しています。乳腺症は実質と間質の増生や萎縮、化生(組織の変化)などの変化が同時に混ざり合ってみられる状態です。
症状は痛みやしこり、乳頭からの分泌物などです。特に閉経前の女性に多くみられます。組織学的には乳管過形成、小葉過形成、腺症、嚢胞、上皮のアポクリン化生、線維腺腫様過形成、線維症などの変化がさまざまな組み合わせで部分的に認められます。しかしこれらの変化は正常乳腺にもみられ、成熟期女性のほとんどに起こっていると考えられています。その程度が増して症状がみられる場合を乳腺症といいます。

乳がんとの鑑別では針生検が必要な場合も

原因は、月経、女性ホルモンの影響との関連が推定されていますが、はっきりしていません。診断には、マンモグラフィ、超音波検査、造影MRI検査が有用です。そのうえで乳がんとの鑑別が困難な場合には針生検、穿刺吸引細胞診などの病理的な検査が必要な場合もあります。

治療は対症療法が中心

乳腺症に対して積極的な治療は必要ありません。症状を抑えるための対症療法と定期的な経過観察を行います。

参考文献
乳房超音波ガイドライン 改訂第3版、マンモグラフィガイドライイン 第3版増補版

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