徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

乳腺外科の病気:肉芽腫性乳腺炎

炎症性乳がんなどと似た症状を示す

非乳輪領域(乳頭からやや離れた部位)に生じる良性肉芽腫形成性病変で、腫瘤や皮膚の発赤で発症します。両側同時に罹患することは少なく、乳房が浮腫上に腫脹する炎症性乳がんや乳腺膿瘍とよく似た症状を示します。授乳をしていない妊娠可能な年代、特に出産後5年以内の女性に多いといわれています。

内分泌環境の変化や細菌感染などが関与?

原因はいまだ不明です。自己免疫疾患、妊娠・出産・授乳、経口避妊薬、喫煙、高プロラクチン血症などの内分泌環境の変化、乳汁うっ滞性乳腺炎、未知のウイルス・細菌による感染等の関与が推測されており、乳腺上皮の障害による分泌物の間質への逸脱とそれに対する炎症反応がさらに乳腺上皮の障害を惹起して肉芽腫を形成すると考えられています。結節性紅斑(すね部に痛みを伴う紅色の結節ができる疾患)との合併例もみられます。

肉芽腫を形成する他疾患との鑑別が必要

超音波検査による画像診断に特徴的な所見は少なく、画像のみで乳がんとの鑑別は困難であり、組織学的な検査(針生検等)が有用です。複数回の検査を行うことで確定診断に至ったという報告もあります。組織学的には乳腺小葉を主とする類上皮細胞、好中球などの炎症細胞の浸潤と多核巨細胞よりなる肉芽腫組織でその中心に乾酪壊死がなく血管炎や乳管拡張もみられないことが特徴です。また、抗酸菌・真菌の存在を否定する必要があります。
さらに、肉芽腫を形成する乳腺疾患、結核、非定型抗酸菌症、真菌症、脂肪織炎、サルコイドーシス、ベーチェット病、アレルギー性肉芽腫性血管炎、Wegner肉芽腫、形質細胞乳腺炎、Weber-Christian病、外傷、異物、乳管拡張、破裂した嚢胞等との鑑別が必要となります。細菌培養検査では菌が同定されることは少ないようです。また穿刺時には画像に反して膿みの排出が少ない印象があります。

治癒・軽快例は多いが治療法は確立されず

抗生剤の投与はほぼ無効です。経過観察や穿刺を繰り返しただけで軽快した例も報告されていますが、中途半端なドレナージでの改善は困難であり、痔瘻に用いられるSeton法で治癒した報告があります。薬剤としては副腎皮質ステロイドの投与が第一選択と考えられるものの、標準的な投与量、投与期間はいまだ確立されていません。免疫抑制剤効果との併用が有効であったとの報告もあります。
経過は、視触診や超音波検査で観察します再燃した場合にはステロイドの再投与が有効といわれていますが、薬物療法に抵抗性の場合には手術が必要な場合もあります。

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