
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)09月30日 月曜日 徳洲新聞 NO.1460 2面
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は8月11日、SED実践セミナーと同セミナーの指導者養成コースを初開催した。同トレーニングは鎮静・鎮痛(セデーション)の対応方法が体系的に学べる職員向けの教育プログラム。いずれも米国麻酔科学会の「非麻酔科医のための鎮静・鎮痛薬投与に関する診療ガイドライン」に沿った内容で、日本医学シミュレーション学会から修了証が発行される。
SED実践セミナーで模擬患者さん役の鎮静状態を評価する受講者
両プログラムの受講者全員で修了書を手に記念撮影(前列左から2人目が太田部長)
鎮静とは、治療に対する患者さんの不安感を和らげ、快適さを確保するのを目的に、薬剤を投与して意識レベルを低下させること。意識レベルが低下していても、痛みを感じることがあるため、鎮痛薬を投与するケースもある。適切に対応しなければ無呼吸や心停止といった重大な合併症を引き起こす可能性があることから、適切な薬剤の選択、鎮静状態の評価など、鎮静・鎮痛に関する知識・技術の習得が求められる。
両プログラムを企画した太田隆嗣・麻酔科部長は「麻酔科以外の医師や看護師も鎮静・鎮痛薬を日常的に取り扱いますが、専門的な処置を学ぶ機会は決して多くはありません。より安全・適切に処置できるようになることを目指し、企画しました」と説明する。
SED実践セミナーは麻酔科以外の医師や看護師、指導者養成コースは麻酔科を含む医師が対象となる。当日は先に指導者養成コースを開き、同院の鎮静委員会に所属する放射線科医師ら5人が受講。e-learningによる事前学習をすませたうえで臨み、鎮静・鎮痛薬名が書かれたカードを薬の作用時間や拮抗薬の違いで分類したり、それぞれの薬剤の投与状況や投与タイミングを議論したりした。シミュレーターを用いた緊急気道確保の実践や、指導する際のポイントも確認した。
終了後にSED実践セミナーを開催。総合診療科など医師6人、予防医学センターや内視鏡センターの看護師6人が受講した。e-learningによる事前学習をすませたうえで、カードを用いたディスカッションや緊急気道確保のトレーニングを行った。
シナリオディスカッションも実施。受講者は意識レベルや声かけに対する反応、バイタルサイン(生命兆候)から、「興奮状態」、「傾眠状態」、「深い鎮静状態」など鎮静状態を評価する方法を確認し、その後、「いびきをかき始めた」、「日帰りを希望している」といったシナリオに沿って鎮静薬を投与された模擬患者さん役に対し、鎮静状態の評価、薬剤の選択を含め必要な処置を検討した。
指導者養成コースに参加した佐々木亜希子・消化器病センター部長は「当センターで使用している鎮静薬の使い方を確認する機会にもなり、勉強になりました」と振り返った。
太田部長は「当院は今年JCI(国際的な医療機能評価)の更新を控えています。JCI基準に基づく鎮静管理を実践していることや、教育体制を整えていることを示したいです」と強調、「今回、鎮静・鎮痛に携わる多くの職員が積極的に参加してくれました。患者さんに、より安心・安全に医療を受けていただくことにつながります」と期待を込める。