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  • 人のため仲間のために精一杯生き 努力を続けることが徳洲会の文化 さらなる成長へ「正しきもの強く大きくあれ」～医療法人徳洲会 理事長 一般社団法人徳洲会 理事長 東上 震一（ひがしうえしんいち）～
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2024年（令和6年）09月30日　月曜日 徳洲新聞 NO.1460

人のため仲間のために精一杯生き
努力を続けることが徳洲会の文化
さらなる成長へ「正しきもの強く大きくあれ」

どんな困難にも負けない根性、徳洲会グループの根底には創業者、徳田虎雄・名誉理事長のこの不屈の闘志が脈々と受け継がれています。将来、何が起こるか、未来は不確実性に満ちています。生き残るには目の前の問題に真摯に取り組み、成果という結果を積み重ねる必要があります。どんな困難が待ち受けていようとも、皆で知恵を絞り、汗をかいて乗り越えていくスピリット、すなわち闘う精神がグループの未来を切り開くには一番大切なことです。以前の「直言」でも触れましたが、まさに英国の著名な経済学者ケインズが言う“アニマル・スピリット”です。何かを実現しようとする野心、気概といった極めて主観的な欲求が、合理的であるはずの経済活動でも不可欠であるとするものです。

この人に付いて行けば何とかなる　安心感を与えるのがリーダーの姿

「いつでも、どこでも、誰でもが最善の医療を受けられる社会」の実現を目指す徳洲会の崇高な理想の具現化にも、同様の精神的強さが求められます。精神的強さとは、言い換えれば当たり前のことを当たり前に、単純とも取れることをやり続ける心の強さです。単調である仕事も手を抜かず、やり続けることです。目の前の患者さんの状態を肉親と同様に心配し、手当てできているかということです。医療者にとって、目の前の患者さんを第一に考え最善を尽くすのは当たり前です。病態を心配するならエコーやCT、MRI検査などもオーダーするはずです。主要検査の業務量アップなどと問題を矮小化せずに、患者さんと誠実に向き合った結果と捉えるべきです。救急入院率60%以上という目標設定にも同じことが言えます。患者さんの病状を気遣うなら、経過観察入院が選ぶべき選択肢であるはずです。時間経過が有力な診断法でもあることは、医療者には自明のことだからです。全職員がプラスαの気配り、心配りで患者さんに医療を提供できるなら、それは病院が持つ医療資源を地域医療のためにフルに使い切ることにつながるはずです。

私は35歳の時、心臓外科医として岸和田徳洲会病院に入職し、65歳でメスを置くまでの30年間に、私のチームは1万件に及ぶ心臓大血管手術を施行しました。この手術治療で地域医療に貢献したことになります。月～金は毎日2件、土曜日は1件のペースで心臓大血管手術を行い、緊急が飛び込んできた時は1日3件、私一人術者の15年近くはオーバーナイトで手術を行っていたことになります。いかなる状況でも絶対断らない。これが今も引き継がれるチーム信条です。毎日深夜に帰る時、駐車場には私の車だけがひとつ。さすがにタフな私も自分の人生とは何なのかと思い悩む時もありました。しかし強がりでも、患者さんの笑顔と感謝を自らの“quality of life”と捉え、延々と続く、ある意味ストレスに満ちた単調さに耐えたのです。

リーダーはどんな状況下でも揺らぐことなく即断し、「この人に付いて行けば何とかなる」という心理的な安心感を周りに与える必要があります。状況の変化に絶えず危機感を持ちながらも、未来を明るく捉える姿勢がリーダーには不可欠です。そうでなければ危機に際しギスギスした緊張感だけが漂い、本来チームが持つ対応力が発揮できなくなるからです。リーダーの泣き言など誰も聞きたくはないのです。たとえ苦しい時でも自らを励まし、前を向き、そして上を向くのがリーダーのあるべき姿だと思います。かつてグループ全体の収支が、赤字スレスレの状況にあっても病院をつくり続けた徳田先生は、財務状況を心配する小粒な幹部たちの声を前に「何も心配ない。金なら銀行にある」と。

いかに大きな組織になろうとも　職員が家族と思えるグループに

徳田先生の未来に対する圧倒的なポジティブ思考を支えた根拠は、徳洲会の理念が持つ正しさと、患者さんのために尽くすことを当たり前とする徳洲会イズムにあったと確信しています。いかにグループが大きくなろうとも、職員一人ひとりが徳洲会という事業体の中で、家族と思える組織づくりが必要だと思います。いったん徳洲会ファミリーの一員になれば、その人の人としての尊厳を終生守るという強い意志で、徳洲会という集団を成長させます。最後に、職員一人ひとりの努力と汗を結集し、公明正大にグループを運営して、徳洲会の理念を実現していきます。

皆で頑張りましょう。