
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

Tokushukai medical group newspaper digest
2021年(令和3年)5月31日 月曜日 徳洲新聞 NO.1289 四面
受講者の発表に耳を傾ける中村・看護師長(奥)と鵜飼・看護部長補佐
南部病院の新人看護職員基礎看護技術研修は、4月入職の新人看護師が基礎となる看護技術を身に付けるため、例年行っている教育プログラム。従来は院内の大会議室で実施していたが、コロナ禍のため今回、初めてオンラインを活用、ふだん支援している石垣島徳洲会病院(沖縄県)と沖永良部徳洲会病院(鹿児島県)の新人看護師も参加した。
研修は4月5日から30日まで平日午後に実施。受講者は午前中の業務を終えると、午後2時から5時まで各配属先の病棟(離島は病院の会議室など)から研修に参加した。研修は、まず社会人の基礎などをテーマとした講義を行い、そのうえで約3週にわたり看護技術について講義と演習・振り返りを繰り返す。講師は中村・看護師長をはじめ教育委員会のメンバーや看護主任が務めた。
看護技術のテーマは「移動介助・体位変換」、「吸引・ネブライザー」、「口腔(こうくう)ケア/食事援助」、「点滴・インスリン・輸血」、「呼吸のアセスメント」など13項目。受講者は講義を受けた後、先輩看護師がランダムに選定した患者さんのカルテを確認し病棟に移動、ベッドサイドで学んだ看護技術を先輩看護師が見守るなか実践する。
最終日は「統合演習」で、中村・看護師長が講師を務めた。まず研修全体を振り返り、初期の講義内容をあらためて説明。社会人基礎力では3つの能力(前に踏み出す力、考え抜く力、チームワーク)の必要性や「看護は人間性が出る」と指摘し、思いやりや倫理性が大事であると強調した。また、アサーティブコミュニケーション(相手を尊重しながら適切な方法で自己を表現する)、臨床判断思考についても簡単に解説した。
講義後すぐに病棟に赴き学んだ看護技術を実践
その後、演習を行い、受講者は病棟ごとに指定された患者さんのカルテを閲覧し、ベッドサイドで呼吸音やバイタルサイン(生命兆候)などを計測。1時間後、それぞれ対応した症例の報告を行い、今後の看護ケアで必要なことなどについて議論した。
適宜、中村・看護師長が「この患者さんが塩分制限をしているのはなぜ?」などと質問を投げかけ、解説を行ったりアドバイスを送ったりした。最後に中村・看護師長が「皆さんの話を聞いて非常に感動しました。呼吸不全や心不全の病態を基本としながら、それ以外にも配属先の病棟で患者さんの特性を捉えていると感じました。より深くアセスメントできることに感心しました」と締め括った。
初の試みに中村・看護師長は「多くのメリットを感じました」と手応えを示し、主に①移動にともなう負担軽減とそれにともなう時間の有効活用、②自院以外の参加、④教育者の成長――を挙げた。
「とくに講義を受けた後、すぐに患者さんの下に少人数のグループでベッドサイドに行けるのは大きい」と中村・看護師長。「コロナ禍のため、今年度の卒業生は学校での臨床実習がほとんど経験できなかったと聞きます。この方法であれば研修を臨床的な内容にすることができます」。
研修の様子を見守っていた鵜飼悦子・看護部長補佐は離島の新人看護師が参加できることを強調する。「離島の病院は教育にマンパワーを割く余裕がありません。新人がひとりという年もあり、同期と交流する良い機会となります」。
南部病院看護部は今後も継続していく方針。中村・看護師長は「今後はもう少し振り返りを深めたり、受講者のレベルに応じたきめ細かいフィードバックを行ったりしていきたいと考えています」と意欲を見せる。
南部病院看護師の玉元 綾佳さん(写真・左)、兼口 佳澄さん(写真・右)
演習で多くのことを感じる
玉元 綾佳 南部病院看護師
研修では演習が良かったと思います。たとえば、インスリンにしても他の人が行っているのを見て「自分もやらなければ」と思い、家でe-ラーニングを見直したりしました。座学だけではできるつもりになっていたと思います。
入職してから1カ月、看護師になったことを実感しています。研修を終え、もっと自分から動いて先輩の力になれるようにならなければいけないと思いましたし、患者さんが治療に向き合えるようにするのも私たちの力だと痛感しました。
自分から動く大切さ実感
兼口 佳澄 南部病院看護師
オンラインでしかできなかった研修だったと思います。大人数であれば病棟に行けませんし、指導していただく方にとっても教えにくかったのではないかと思います。研修では自分から動くことの大切さを実感しました。ある時、学んだ実技を自分も実践してみたかったのですが、言い出せず、家に帰ってから後悔しました。次の機会に勇気を出して切り出すと、行わせていただくことができました。何事もきちんと言葉にしなければ伝わらないと学んだので、今後に生かしていきたいです。