徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)3月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1280 四面

徳洲会グループ診療所
“かかりつけ”として安心感を提供
地域貢献へ接種に協力スクラム
新型コロナワクチン特集

新型コロナワクチン接種体制は公民館や病院など広い会場で行う集団接種と、診療所などで行う個別接種に大きく分けられ、全国の多くの自治体では集団接種と個別接種を併用し実施していく方針だ。徳洲会グループは多数の病院が基本型接種施設となっており、また多くの診療所が地域貢献の一環としてワクチン接種に協力していく意向。かかりつけの医療機関として日頃から患者さんを診ているだけに、患者さんも安心してワクチン接種を受けることができるなど利点がある。ワクチン供給の見とおしや徳洲会の診療所をめぐる動向などを紹介する。

徳之島2町では唯一の接種会場

新型コロナワクチン配送・接種スケジュール

当初、見とおしが不透明だった新型コロナワクチンの供給スケジュールが徐々に明らかになってきた。2月17日に先行してスタートした医療従事者等向け優先接種に関しては、厚生労働省によると、5月10日の週に約480万人分の2回分のワクチン配布が完了する予定だ。

また、高齢者向け優先接種は4月12日に一部の市町村から接種が開始される見込み。ワクチンの配布は4月5日の週に始まる予定で、五月雨式に各都道府県に配布され、6月末までに3600万人分の2回分の配布が完了する見とおしだ()。

こうしたなか「診療所での個別接種をメインに、集団接種会場がカバー」などの方針を打ち出したのが東京都練馬区。「早くて、近くて、安心」をコンセプトとする接種体制は〝練馬区モデル〟と呼ばれる。

身近なかかりつけの診療所でのワクチン接種の先行事例として、厚労省が全国の自治体に情報提供したことにより、注目を集めた。地域の実情に応じた接種体制の模索は各地で今も続いている。

有床・無床合わせて29の診療所を運営する徳洲会グループ。診療所に勤務する医療従事者向けの接種に関しては、地域差があり、3月中旬時点で1回目の接種が始まっている地域もあれば、まだ予定が明らかになっていない地域もある。鹿児島県や沖縄県では1回目の接種がスタートしている地域もあり、グループの診療所スタッフも順次接種を受けている。

ワクチン保管用の超低温冷凍庫(ディープフリーザー)は診療所にも設置されている。徳洲会グループでは鹿児島県の離島、徳之島の伊仙クリニック(伊仙町)、あまぎユイの里医療センター(天城町)、沖縄県のソフィアクリニック(沖縄市)の3診療所に設置された。

伊仙クリニックとあまぎユイの里医療センターは、基本型接種施設となっており、各町で唯一のワクチン接種会場として今後、一般の方向け(まず65歳以上の高齢者)のワクチン接種を実施していく予定だ。

伊仙クリニックの平保広事務長は「3月10日頃にディープフリーザーの設置が完了しました。伊仙町にお住まいの65歳以上の方々は約2400人。

このうち例年、インフルエンザのワクチン接種を受けているのが約1600人です。新型コロナワクチンも同程度の方々が接種されることを想定しています」と見とおす。

ソフィアクリニックがある沖縄市は人口約14万3000人。同市は中部徳洲会病院が立地する北中城村(人口約1万8000人)と合同してワクチン接種体制を計画している。ソフィアクリニックの花城勝事務長は「沖縄市の65歳以上の人口は約3万人で、中部徳洲会病院を含む2病院が基本型接種施設です。この2病院には、それぞれ8病院・診療所からなる連携施設があり、一般向けの接種を共に実施していくことになります」と説明。

基本型接種施設と連携施設を合わせた18施設のうち9施設にディープフリーザーが設置されたという。同院は日頃、小児に対するワクチンの定期接種に取り組んでおり、コロナワクチンの接種に関しても積極的に協力し、地域貢献を果たす考えだ。

伊仙クリニックに設置されたディープフリーザー伊仙クリニックに設置されたディープフリーザー

巡回接種を予定する診療所もある。ドラゴンクリニック(秋田県)では、菊地次郎院長が嘱託医となっている地域の介護施設に入所する方々に、ワクチン接種を行う見とおしだ。インフルエンザワクチン接種を例年、巡回接種で行っていることから、コロナワクチンに関しても同様に巡回接種を望む声が多いという。

畠山美樹子事務長は「当院はグループホームや特定施設といった介護施設を併設しています。巡回接種に加え、入所者さんへの個別接種に協力していきたいと考えています」と意気込みを語る。

「市からの協力依頼に対し、当院では月曜から土曜まで1日15人の接種ができることを返答しました。かかりつけの患者さんは、病状を把握している医師がワクチン接種を行うことで安心できると思いますので、ぜひ協力していきたいです」と話すのは加須ふれあいクリニック(埼玉県)の小島敬文事務長。同クリニックはサテライト型接種施設として市民向けの個別接種に協力していく意向だ。ほかにも多数の診療所が個別接種の実施や、集団接種へのスタッフ派遣など、ワクチン接種への協力を表明している。

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