徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)3月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1280 二面

徳洲会の離島・へき地病院
都市部より早い開始も 地域に最大限協力体制
新型コロナワクチン特集

徳洲会グループの離島・へき地病院は、早いところでは3月8日から医療従事者に対する新型コロナウイルスのワクチン接種がスタートした。一日の接種人数を抑えて慎重に対応する病院もあれば、逆に接種の応援に訪れた医師のスケジュールに合わせ、一気に実施した病院もあった。そこには医療資源の少なさゆえの苦労が垣間見えた。

徳之島病院では藤田安彦院長からワクチン接種徳之島病院では藤田安彦院長からワクチン接種

鹿児島県の離島では奄美大島と徳之島にいち早くワクチンが届いた。このうち徳之島徳洲会病院では3月9日から職員のワクチン接種を開始。初日は5人、翌日は10人と様子を見ながら人数を増やしていき、一日に30人を上限として臨んだ。高齢者や一般の方の接種に関しては、地域の保健センターが住民アンケートを実施、同院との打ち合わせも進めている。

インフルエンザのワクチン接種では、接種率を上げるために集団接種の形式を取っており、コロナワクチンも同様となる見込み。勇利幸事務長は「外来での混雑を避けるためにも集団接種のほうが助かります。スタッフ派遣の要請があれば、協力する予定です」と話す。

喜界徳洲会病院には奄美大島の基本型接種施設からワクチンが分配。大島郡医師会からの紹介で接種の応援に来た医師の日程に合わせ3月14日から2日間、同院職員と徳洲会外の診療所の医療従事者らに対し、応援医師と浦元智司院長の2チーム制を組んで対応した。

ワクチン接種の役割分担や流れなどを確認(石垣島病院)ワクチン接種の役割分担や流れなどを確認(石垣島病院)
大隅鹿屋病院では1瓶で7回接種する方法を採用、超音波診断装置で皮下脂肪厚を測定大隅鹿屋病院では1瓶で7回接種する方法を採用、超音波診断装置で皮下脂肪厚を測定

都一成・事務責任者は「急な対応となりましたが、重篤な副反応もなく、無事に終えられました」と安堵(あんど)の表情。さらに「高齢の方や一般の方向けでは、集団接種会場にスタッフを派遣することになると思いますが、外来を止めるわけにはいかないので、スケジュールなど詰めて協力していきたいと思います」と説明する。

沖永良部徳洲会病院と与論徳洲会病院には、3月末までにワクチンが届く見込みだ。与論病院では高齢者や基礎疾患のある方に向けた接種について、自治体と協議が進んでおり、高杉香志也院長を含む医師3人が協力する計画を立てている。

沖縄県の離島にある石垣島徳洲会病院では3月8日、宮古島徳洲会病院では3月16日からそれぞれ職員のワクチン接種をスタート。このうち石垣島病院では午後1時から3時までに30分ずつの4枠を設け、1枠5人が実施。一日に20人を上限として慎重に対応した。

高齢者や一般の方に向けた接種は八重山地区医師会が統括。まだ具体的な協力要請はないが、同院では院内での個別接種に備え、患者さんの動線などを確かめるシミュレーションを実施。山川宜則・事務責任者は「協力要請があった時にあわてないように、しっかりと事前の準備をしています」と意欲的だ。

大隅鹿屋病院では1瓶7回接種採用

一方、へき地病院ではワクチン到着が遅れているところが多い。そんななか鹿児島県にある大隅鹿屋病院と山川病院では、共に職員のワクチン接種を3月15日から開始。大隅鹿屋病院では700人以上の希望者がいるにもかかわらず、第1弾として分配されたのは48瓶のみ。追加分がいつ到着するかわからないため、宇治徳洲会病院(京都府)が考案した1瓶で7回接種できる方法を採用した。

まず中山義博院長と田村幸大副院長が最初に接種し、直後の副反応がないことを確認、他の職員に順次接種を進めた。坂口勝章事務長は「まずはワクチン接種が必要な職員に最優先で対応しました」とやり繰りを明かす。

皆野病院(埼玉県)では先行で14瓶が届き、3月17日からスタート。副反応があった場合に備え、同じ部署の職員が同日にまとめて接種を受けないように調整、4日に分けて対応した。

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