徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)3月12日 月曜日 徳洲新聞 NO.1124 一・二面

大和徳洲会病院
4月1日に新築オープン
職員一丸となり地域医療へ貢献

医療法人徳洲会の大和徳洲会病院(神奈川県、199床)は4月1日、旧病院と同地に新築オープンする。1981年3月に徳洲会9番目の病院として開設以来、救急医療を中心に地域医療を担ってきたが、建物の老朽化から建て替えを実施。工事を開始した2015年4月以降、隣接地で病床数を14床に縮小し運営してきた。新病院では患者さんの療養環境の改善、高性能な医療機器の新規導入などにより、医療機能が向上。“断らない医療”を実践し、地域医療に貢献していく。

療養環境の質を大幅アップ

地上7階・地下1階の新・大和病院。主要幹線道路に面した南側が表玄関 地上7階・地下1階の新・大和病院。主要幹線道路に面した南側が表玄関

大和病院は建物の老朽化により十分な療養環境の提供が困難となったため、2015年4月から新病院建設を開始した。近隣に望ましい土地がなかったことから、同じ場所での建て替えを決断。このため旧病院の隣接地で14床に規模を縮小し、診療科を内科(循環器内科、糖尿病科、リウマチ科)、小児科に限定し運営を開始した。新規の手術は行わず、透析患者さんはグループ病院の大和青洲病院(同)などに依頼した。

北側の裏玄関は大和駅からのアプローチに便利。緑あふれる癒やしの空間を創出 北側の裏玄関は大和駅からのアプローチに便利。緑あふれる癒やしの空間を創出

3年間、仮設病院で診療を実施。川本龍成院長は「地域の方々には大変不便をおかけしました。これから新病院で地域の期待に応えていきたい」と意気込みを見せる。

新病院は約6402㎡の敷地に地上7階・地下1階建てで建設。延床面積は旧病院の2.8倍に当たる約2万129㎡、地震に強い耐震構造を採用した。設計は現代建築研究所、施工は熊谷組。仮設病院の跡地は年内をめどに立体駐車場にする計画だ。

カウンターのある休憩スペースはロビーに隣接し、待ち時間もゆっくり過ごせる カウンターのある休憩スペースはロビーに隣接し、待ち時間もゆっくり過ごせる

敷地の南側に主要幹線道路、北側に大和駅からのアプローチがあることから、南北に貫通する総合待合ホールを設け、どちらからもアクセスしやすくした。

待合ホールのそばには売店と休憩スペースを設置。外来の待ち時間やお見舞いなどの際に、ゆったりと時間を過ごすことができる。また、病院の外溝に植樹するなど敷地全体を公園に見立て、緑あふれる癒やしの空間を創出。地域の方々に愛される憩いの場になることを目指している。

手術室は7室に拡大、ゆくゆくはハイブリッド手術室も完備する予定 手術室は7室に拡大、ゆくゆくはハイブリッド手術室も完備する予定

1階に外来、ER(救急外来)、放射線部門、薬剤部門、2階に特殊外来、検査部門、透析室、内視鏡室、健診センター、リハビリテーション室、3階に手術室、中央材料室、心臓カテーテル検査室、循環器病棟、ICU(集中治療室)を配置。4階から6階は一般病棟となる。透析室は旧病院の18床から35床に拡大し、患者さんの受け入れ能力を増強。手術室も旧病院の4室から7室に拡大、ゆくゆくはハイブリッド手術室(血管造影装置を配備した手術室)も開設する予定だ。

各フロアとも階段、エレベーター、設備用スペースなど建物のコア部分を中央にコンパクトにまとめ、フロアの外側部分に自由度をもたせる設計を採用。そこに外来や手術室、検査関連部門などを配置、職員の動線に配慮した。さらに廊下は旧病院の2倍ほどの広さを保ち、ベッドや医療機器などがストレスなく、すれ違えるようにした。また、内装のデザインは今まで以上に親しみがもてるように、アースカラー(地球の大地や植物などの自然物をイメージした色)を基調とした優しいカラーコーディネートとなっている。

4階から6階の一般病棟にも工夫がある。フロアの外側部分に病室を配置、東と西に個室、北と南に大部屋を据え、それぞれ壁の色を東が竜胆色(青系)、西が山吹色(茶系)、北が薄紅色(赤系)、南が若草色(緑系)のアースカラーで統一。これにより患者さんは自分の病室を色で覚えることができ、広いフロアでも迷わなくなる。また、大部屋はすべて4床室とし、療養環境を大幅に改善。

こうしたハード面の強化に加え、診療科も仮設病院から大幅に増加。内科(呼吸器科、循環器科、消化器科、腎臓内科、糖尿病科、リウマチ科)、外科(一般外科、呼吸器外科、乳腺外科)、小児科、整形外科、形成外科、脳神経外科、泌尿器科、皮膚科、麻酔科、救急科をそろえ、充実した体制で地域医療に注力する。

4床室は北側に薄紅色(左)、南側に若草色(右)の壁紙を採用、患者さんが色で自分の病室とわかる 4床室は北側に薄紅色(左)、南側に若草色(右)の壁紙を採用、患者さんが色で自分の病室とわかる

さらに新築オープン後は地域連携室に「入退院支援部門」を新設する。看護師に加え、MSW(医療相談員)やケアマネジャーなどで組織し、患者さんや家族への入院・退院時の説明や、地域の医療施設、介護施設との橋渡しなどを実施。きめ細かく入退院を支援し、サービスの向上を図る。

川本院長は「日本が直面している医療問題は多くありますが、なかでも超高齢化社会にともない、日本の社会保障の方向性として医療から介護への移行が大きな課題です」と問題提起したうえで、「地域の中核病院の役割として、病院と地域社会との連携強化を一層図らなければなりません。同時に救急医療についても、介護の現場から救急受診やスムーズな入院ができるよう、受け皿が必要になってきます」と地域医療の重要性について強調する。

「地域に頼りにされる病院を目指します」と里・事務部長 「地域に頼りにされる病院を目指します」と里・事務部長

さらに「このような時代背景のなかで当院は、これからも大和市や周辺地域の医療を支える病院として新しく生まれ変わります。地域住民の方々や近隣の医療・介護施設の方々の期待に応えられるよう職員一同、精進を重ねてまいります」と意欲を見せる。

里憲明・事務部長は「仮設病院運営の3年間で離れてしまった患者さんに帰ってきていただけるよう頑張ります」と宣言。このため「医療講演を積極的に開いて地域の方々に情報発信すると同時に、消防署の救急隊員の方々への訪問も行い、地域に頼りにされる病院を目指していきます。さらに健康友の会の方々にもご協力いただき、院内を活性化していきたいと思います」と先を見据える。

新世代320列CTなど導入 患者さん満足度向上へ

新たに導入する新世代320列CTは低被ばくで撮影時間も短縮 新たに導入する新世代320列CTは低被ばくで撮影時間も短縮

新病院オープンを機に医療機器も新規導入。目玉は新世代320列CT(コンピュータ断層撮影装置)で、旧病院の16列CTから大幅に能力増強した。

CTはX線管装置からX線を照射、体を透過したX線データを検出器で受け取り、検出器から送られてきたデータをコンピュータで再構成し画像化する装置。今回導入した機種は撮影から画像再構成までの時間の短縮、画質の向上などを実現し、被ばく低減、検査時間の短縮など患者さんにメリットがある。また、撮影できる部位も拡大。旧病院では撮影できなかった心臓CT検査も可能になり、医療の幅が広がる。

1.5 テスラMRIは高画質の画像を撮影できる 1.5 テスラMRIは高画質の画像を撮影できる

MRI(磁気共鳴画像診断装置)は1.5テスラを採用した。MRIは磁石と電波を利用し、さまざまな方向から体の断面を画像化する装置。検査中に大きな音がするが、今回導入した機種は少しでも患者さんの負担を減らすために静音技術機構を搭載している。また、画質など検査のばらつきをなくすため、自動化ワークフローで各プロセスを単純化し、安定した高画質画像を実現。

乳がんの検査・診断に用いるマンモグラフィ(乳房X線検査装置)は、3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)という機能を搭載。装置のヘッド部分だけを± 25 度の範囲で動かしながら25回の撮影を行い、集積データから1ミリ厚の乳房のスライス画像をつくり上げ、これにより今まで見つけにくかった病変も見つけやすくなる。

3D画像が撮影可能なトモシンセシスを搭載したマンモグラフィ 3D画像が撮影可能なトモシンセシスを搭載したマンモグラフィ

また、患者さんの負担軽減も実現した。従来装置よりも撮影にともなう被ばく量が低減したほか、乳房をはさむ圧迫板に柔らかい素材を使用、乳房形状に沿ってしなるため、圧迫時の痛みを和らげることができる。

一般撮影装置にはフラットパネルシステムを導入。同システムは読み取り機を介する必要がないため、撮影時間の短縮が可能だ。ポータブル撮影に対応したワイヤレス端末により、ER(救急外来)や病室、手術室などでも撮影後、すぐに画像が確認でき、緊急時にも対応しやすい。

また、散乱線補正処理「インテリジェントグリッド」も採用。これはグリッドを使用せずに、画像処理によって散乱線の影響を取り除き、画像コントラストを改善する技術だ。これにより、とくにポータブル撮影で、撮影ごとの調整の手間が少なくなる。

さらに、オートポジショニング機能も搭載し、撮影準備の効率化や全脊椎(せきつい)・下肢撮影もできる。効率良い画像診断、待ち時間短縮を実現し、患者さんの満足度向上につなげていく。

川本龍成(かわもとたつなり)院長
全職員で〝断らない医療〟

規模を縮小して運営した3年間は地域の方々にご迷惑をおかけしました。その間、新病院に期待する声も聞こえてきました。新病院が完成し徳洲会グループの基本となる“断らない医療”を実践すべく、職員一丸となって取り組んでいきます。同時に高齢化社会への対応にも注力していきます。今後は、医療から介護への移行や、介護の現場からの急変患者さんの受け入れなどの対応が必要です。地域の中核病院として周辺施設と連携を図り、患者さんの退院後の生活をしっかりサポートできるようにしていきたいと思います。

新しい病院は旧病院に比べかなり広くなり、院内が明るくなりました。療養環境も改善され、患者さんは安心して治療に専念できると思います。当院は199床と大きな病院ではありません。だからこそ職員がまとまって同じ方向を見ることができるのが強みです。職員同士が助け合い、全員で地域の方々に貢献していきます。

永渕仁美(ながふちひとみ)・看護部長
患者さんに優しい病院

新病院は地域連携室に「入退院支援部門」を創設し、地域の医療施設や介護施設との連携を強化、スムーズな入退院を実現できる体制にしていきます。4月1日のオープンに向け新しくMSW(医療相談員)やケアマネジャーも入職するため、周辺施設を訪問し“地域のカラー”をしっかり把握しようと思います。

地域からの要望として救急受け入れ体制の強化があります。看護部でも3月中からBLS(一次救命処置)やACLS(二次救命処置)の院内講習を始めるなど、スタッフ教育に力を入れています。

新病院は東西南北の病室ごとに壁の色を変えて、患者さんが迷わずに自分の病室にたどりつけるようにしています。また、患者さんがトイレで転倒したらナースコールが鳴るようなシステムを設置するなど、患者さんに優しい工夫がいっぱいです。これから、この病院で患者さんのために頑張っていきたいと思います。

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