2017年(平成29年)6月5日 月曜日 徳洲新聞 NO.1085 四面
徳洲会グループ
2017年度新入研修医
合同オリエンテーション
医師としての基本学ぶ
徳洲会グループは5月27日から2日間、千葉県内で2017年度新入研修医合同オリエンテーションを開催した。今年度は医科109人、歯科8人の計117人の研修医が入職。そのうち115人が集い、2年にわたる初期臨床研修に臨むうえで知っておくべき心構えを学んだり、交流を深めたりした。
医科・歯科115人が交流
研修医115 人が全国の徳洲会病院から集まり交流
初日、徳洲会グループ研修委員会委員長の田村幸大・大隅鹿屋病院(鹿児島県)副院長が総合司会を務め、2日間の研修の流れを説明した。この後、一般社団法人徳洲会の鈴木隆夫理事長が会場に駆け付け、集まった初期研修医を鼓舞。米国での後期研修医時代のエピソードを披露し、「私の目標は徳洲会グループを東洋一にすることです。日本にとどまらず海外にも目を向けてください。将来、このなかから徳洲会を引っ張っていける人材が育つことを願っています」とエールを送った。
次に、研修医が12のグループに分かれ、2人1組になり互いの出身地や今後の目標などを聞き出した後、グループ内で、その内容を披露する他己紹介を行った。その後、グループの代表が会場全員にメンバーを紹介。各グループが趣向を凝らして発表し、会場は笑い声に包まれた。
初日に篠崎伸明・一般社団法人徳洲会専務理事が辞令を交付。研修医は緊張した様子
この後、徳洲会グループ研修委員会副委員長の今西康次・南部徳洲会病院(沖縄県)小児科部長が「2年間の臨床研修修了までに必要な事項」をテーマに講義。臨床研修の修了基準として実施期間、到達目標の達成度、臨床医としての適性を挙げ、未修了や中断した場合の注意点なども説明した。
医療情報システム会社からは、研修医が研修期間中に経験しなければならない症例などを記録しておく「電子カルテでの到達目標管理システム」の紹介もあった。①電子カルテシステムに組み込まれているため、ふだん診療で行っているオーダーの入力や検査結果の照会などと同一の端末で、症例登録が可能、②退院サマリーや病名など電子カルテに記録している情報の参照やレポートへの引用が可能、③気になるデータをピックアップしておく「ブックマーク機能」を搭載しているため、後でレポートを作成する場合でも容易、④グループで同じシステムを使用しているため、病院が変わってもストレスなく操作可能(データの移行については今後対応予定)──といったメリットがあり、同システムを活用することで到達目標の達成状況の管理、レポート作成などが簡便に行える。
「医師はずっと勉強し続けなければなりません」と鈴木理事長
「どんなにつらくても必ず味方はいるので相談してください」と田村副院長
NPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)の理事を務める橋爪慶人・東大阪徳洲会病院院長はTMATについて説明。主に徳洲会職員で組織し、国内外の被災地で医療支援活動を行うTMATの設立経緯や活動状況、機動性をはじめとする強みなどを紹介した。
また、自院が被災して機能を失っても患者さんを診療できる能力を身に付けるように研修医に呼びかけ、病院で実施している防災訓練などへの参加を促した。
周囲と協力しながら医療を提供する大切さを説く福島・副理事長
医療安全管理に関する講義も行い、徳洲会グループ医療安全管理部会担当理事の福島安義・一般社団法人徳洲会副理事長がコミュニケーションの重要性を指摘。「患者さんはもちろん、チーム内でもコミュニケーションを取ることで、はじめて良い医療ができます。さまざまな医療者と意思疎通を図ってください」と強調した。同部会長を務める片田淑子・大隅鹿屋病院副看護部長が「医療安全の実際」と題し、事例をもとに医療安全の基本的な考え方や医療事故を分析し事故の予防につなげるポイントを示した。
日野病院(神奈川県)の馬場淳臣院長は「研修医のストレス・マネジメント」をテーマに講義。ストレスから適応障害になる可能性を示し、自分ひとりで抱え込まず相談する大切さなどを訴えた。最後に野崎徳洲会病院(大阪府)附属研究所の伊藤和幸所長(同院内科部長)が「分子標的治療の研究」と題し、同研究所の紹介や難治がん(若年発症、転移症例など)の研究に取り組んでいる様子を披露。「医学の発展に役立つので、ぜひ研究にも関心をもってください」と呼びかけた。
グループごとに行う虐待の症例検討に助言する橋爪院長
2日目は橋爪院長の「虐待について」をテーマにした講義でスタート。12グループが異なる症例を見て、虐待かどうか、児童相談所(児相)に通告するか、その根拠は何かを話し合い、代表者が発表した。橋爪院長が症例ごとに虐待やネグレクト(保護怠惰(たいだ)・放置)を見抜くポイント、記録写真の撮り方などを解説。「虐待を見落とすことは、医師が虐待に加担しているのと同じこと」と強調したうえで、「医師だけでは解決できません。疑ったら早期に児相を介入させることが大切です」と念を押した。
最後に札幌東徳洲会病院の増井伸高・救急科部長が「心電図ハンター・ハンター」と題し講義。心電図を提示し、STEMI(ST上昇型心筋梗塞)がどこに隠れているか見抜くテストを実施した。そのなかで、以前の心電図を探して比較すること、心電図を繰り返しとることなどをポイントに挙げた。さらに、一見すると虚血変化に見えるが、実は違う「STEmimic(ST上昇+擬態)」を見抜くテストも出題。「最終的には、心電図で判断できること、できないことがわかるようになってください」と目標を伝えた。
医科と別に歯科のプログラムも実施
閉会の挨拶で田村副院長は、最初から腎臓内科を目指していたわけではなく、偶然が重なって目標が定まったというエピソードを披露。「日頃から頑張っていると、いろいろな偶然が起こりやすくなり、それが自分のキャリアを形成します。そのためにも初期研修医時代には好奇心、冒険心、持続性、柔軟性をもちましょう」とメッセージを送った。最後に集合写真を撮影し、2日間のプログラムが終了した。
歯科のプログラムも設け、研修歯科医は適宜、別会場に移動。初日は医科との連携をはじめ、1年間で意識すべきことなどを学び、2日目はインプラント(人工歯根)の治療計画の立て方など具体的な内容を学んだり議論したりした。
研修医インタビュー
患者さんの思いに沿う歯科医師に
村田真由美・歯科医師 札幌徳洲会病院
今年度、当院に入職した研修歯科医は私1人なので、ほかの歯科医師と会って話を聞けたことが良かったと思います。ディスカッションする講義もあり、とても刺激を受けました。いろいろな知識を吸収し、患者さんの思いに沿う歯科医師が目標です。
診療でいろいろ考える必要を痛感
鈴木純医師 札幌東徳洲会病院
診療するうえで、いろいろ考えなければならないと感じた2日間でした。同期が一堂に会し、個性あふれる仲間が大勢いると思いました。今はいろいろ覚える段階ですが、研修で学んだことを忘れず、患者さんの気持ちに寄り添える医師を目指します。
他病院の研修医と一体感が生まれる
佐野太一医師 湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)
当院の初期研修はハードだと思っていたのですが、他病院の研修医の先生と交流するなかで自分だけが大変なわけではないとわかり、一体感が生まれました。徳洲会は自分を追い込める場所なので、まずは1年間乗り越えることを目標に頑張ります。
同じ理念で多くの仲間いることに感動
豊田玲奈医師 中部徳洲会病院(沖縄県)
刺激を受けた2日間でした。同じ理念の下で、これだけ多くの仲間が一緒に働いている素晴らしさに感動しました。とくに虐待とストレス・マネジメントに関する講義は、ふだんの仕事とは違う新しい視点で、心構えができました。
懇親会で研修医が努力誓う
研修医が自己紹介。写真は八尾徳洲会総合病院(大阪府)
タンザニアの国立ドドマ大学の医師らを紹介する小林・院長代行(右)。メレモ医師は日本語でスピーチ(右から3人目)
オリエンテーションに参加した新入研修医は5月27日、徳洲会グループ5月度医療経営戦略セミナーの懇親会に出席。病院ごとに研修医が登壇し、列席する一般社団法人徳洲会幹部やグループの病院四役の前で、各研修医は夢や目標を掲げ、努力することを誓った。
懇親会ではアフリカのタンザニアで初の腎移植実施に向け、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)と東京女子医科大学病院で研修を受けている国立ドドマ大学の医師らを紹介した。小林修三・院長代行兼副院長(腎臓病総合医療センター長)ら湘南鎌倉病院関係者も登壇し、徳洲会グループが国際医療協力の一環で取り組んでいることなどを説明した後、メレモ・アルフレッド・ジャクソン内科医師が日本語で謝意を表明。一生懸命に思いを伝えようとする姿に会場から大きな拍手が起こった。