徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2017年(平成29年)6月5日 月曜日 徳洲新聞 NO.1085 三面

モーニングレクチャー
院長らが内科の知識共有

2日目の早朝、院長・幹部ら40人以上が参加しモーニングレクチャーを行った。3月度の全国セミナーから始まった同レクチャーは、今回で2回目。外科系が多い院長らが、内科系の知識を共有することが目的だ。

関節リウマチの診療 相澤・静岡徳洲会病院総長

静岡徳洲会病院の相澤信行総長は「リウマチ膠原(こうげん)病診療の初歩」と題し講演した。まずは発熱をともなう関節炎の鑑別診断を解説。急性か慢性か、少関節か多関節かに注目することが重要で、膠原病で頻発する関節リウマチは、慢性で多関節炎が鑑別のポイントと説いた。関節炎を診断するキーワードとしては、先行する発熱、朝のこわばり、再発を繰り返す――などを挙げ、それぞれ該当する疾患について解説した。

血液検査で重要になるのが抗核抗体検査。症状がないのに同検査をしてはいけないと注意喚起し、有用なのは全身性エリテマトーデス(全身性の炎症性臓器障害を起こす自己免疫疾患)の診断に必要な場合と示した。

早朝から40 人を超える院長らが参加 早朝から40 人を超える院長らが参加

血管炎の解説も行い、部位や血管サイズにより異なる症状を列挙。ステロイドを使っている患者さんが来院した場合の注意点(表)にも触れ、投与期間によって副作用が異なること、日和見感染の起こる量と期間の関係、副腎不全の診断と対処について説明した。

最後に、意外に多い高齢者の病気で全身性・慢性炎症性のIgG4関連疾患にも言及。「こうした病気は知っていれば簡単に診断がつきますが、知らないと診断に苦慮します」(相澤総長)。

表 ステロイドの副作用

開始当日~
不眠、うつ、精神高揚、食欲亢進
数日後~
血圧上昇、Na ↑、K ↓、浮腫
2~3 週間後~
副腎抑制、血糖上昇、コレステロール上昇、創傷治癒の遅延、ステロイド潰瘍
1カ月後~
易感染性、中心性肥満、多毛、瘡、無月経
数か月後~
紫斑、皮膚線条、皮膚萎縮、ステロイド筋症
長期的に
脱毛、無菌性骨壊死、骨粗しょう症、圧迫骨折、白内障、緑内障

高齢者のてんかん 亀井・湘南藤沢徳洲会病院総長

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の亀井徹正総長は「高齢者のてんかん」をテーマに講演した。意識消失発作の鑑別として失神とてんかんを挙げ、てんかんでは舌をかむ、頭部の回旋が顕著に見られると指摘。てんかんは高齢者(65歳以上)の1~2%に発症、初発の約30%はてんかん重積状態となり、その死亡率は20~40%であると強調した。

これまで初回発作では、てんかんの診断はできないとされてきたが、再発率の高さから、脳梗塞の既往や脳波異常があれば治療開始を考慮するのが最近の流れ(表)。初回発作後の治療開始で再発率が下がることをデータで示した。

脳卒中後のてんかんも多く、皮質下出血とラクナ梗塞のMRI(磁気共鳴画像診断装置)画像を並べ、てんかんのリスクは前者が高いことを指摘した。

非痙攣(けいれん)性てんかん重積も高齢者に多発。これは原因不明の意識障害のひとつで、脳波検査やMRIに特徴的な所見があることを示し、治療は急性期と慢性期に分けて解説した。最後に、てんかんと運転免許の関係にも言及。亀井総長は、医師が正しい知識をもつことの大切さをアピールした。

表 てんかん重積の定義

国際てんかん連盟(1981)
新しい定義(2015)
  • 発作がある程度の長さ以上に続くか、または、短い発作でも反復し、その間の意識の回復のないもの
  • 発作停止機構の破たん、あるいは異常に遅延する(t1)発作を引き起こす機構が惹起された状態
    t1:強直間代発作5分、意識障害を含む焦点発作10分
  • また、発作型や持続時間(t2)によっては神経細胞死、神経細胞障害、神経ネットワーク変化を含む長期的な後遺症をもたらす状態
    t2:強直間代発作30分、意識障害を含む焦点発作60分

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