2017年(平成29年)6月5日 月曜日 徳洲新聞 NO.1085 二面
2017年度
増収・コスト削減対策
種を蒔き育てる
「種を蒔き育てていくことが大切」と鈴木理事長
徳洲会グループ医療経営戦略セミナーの初日、2017年度の支出削減対策について、実施責任者の東上震一・医療法人徳洲会副理事長の司会の下、発表があった。
資材部門では、過去に効果があった削減対策の再見直しを実施。これまで徳洲会は医療消耗品費や旅費、水道光熱費などの見直しにより年間60億円超の経済効果を出した。
17年度は、これまで行った支出削減対策項目のなかから38項目をピックアップし、あらためて削減を実施。具体的には職員寮や駐車場、レンタルテレビなどの契約、エレベーター・エスカレーターなどの保守契約の見直しや、航空券効率的購入などを進める。
とくに職員寮に関してはフリーレント契約を積極的に導入する方針。フリーレントにより、空き室発生時に次の入居までの1~3カ月程度の賃料が無料となる。湘南鎌倉総合病院(神奈川県)はフリーレント契約により、14年に空き室が31室あったが、現在では7室に減少している。
薬剤部門では、まず多剤投与が14年と比較し現在は約30%減少したと報告があった。多剤投与に関しては、入院外の患者さんに対し、1処方につき7種類以上の内服薬を投与した場合、処方料(処方せん料)が低額となり、薬剤料も減額となるデメリットがある。効率的な多剤投与逓減の方策としては、病院内での意思統一が最も重要。具体的には院長、事務長以下、医局、看護部、薬局、医事課などが協力し削減する。
「増収を図ると同時にムダをなくすこが必要」と東上・副理事長
給食部門では、各病院の米、うどん、鶏肉、ジャガイモ、大根、冷凍鮭、サラダ油の購入価格を示し、施設間でばらつきがあり、グループのスケールメリットが生かされていない問題点を指摘。
今後は現場の調査・分析を推進し、地区別に業者と共同交渉を行う計画。また情報システムの構築も図る考えだ。
17年度の増収対策について実施責任者の篠崎伸明・一般社団法人徳洲会専務理事が発表した。具体的な施策として①施設基準の取得推進、②特定集中治療室管理料等、③総合入院体制加算、④救急管理加算取得の対策、⑤重症個室、個室料の見直し、⑥各種補助金、交付金制度の活用、⑦メディカルツーリズム(医療観光)の推進を17年度~18年度までの間で実施。
鈴木隆夫・一般社団法人徳洲会理事長は、グループ病院の空きベッドを稼働させることを強く訴えた。「たとえば空きベッド500床を稼働させることができれば、500床規模の大病院をひとつ開院したのと同じ結果になります」と説明。
「夏目漱石は『あなたの今蒔く種は、やがてあなたが収むべき未来となる』という言葉を残しています。今まさに種を蒔き、育てていくことが大切です」と呼びかけた。