2015年(平成27年)10月5日 月曜日 徳洲新聞 NO.1000 三面
私の人生を左右した1冊
『がんばらない』
地域医療への姿勢に感動
黒岩冴己・湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)初期研修医
高校1年生の時、鎌田先生の『がんばらない』を読み、地域医療に取り組む先生の姿に感動。信州で地域の方たちを診て、地域に寄り添ってきた先生の人生から、医療のあり方を学んだのです。
その後に出た『あきらめない』、『それでもやっぱりがんばらない』も熟読しました。「がんばらなくてもいいけど、あきらめないでね」という先生の言葉は、患者さんを励まします。
私は横浜生まれの横浜育ちです。横浜市立大学時代に鎌田先生のおられる諏訪中央病院に行くことも考えましたが、研修医時代は忙しく過ごそうと思い、湘南藤沢徳洲会病院での研修を選択しました。
私は地域枠で大学に入りましたので、神奈川県で9年間は働く義務があります。
徳洲会の研修システムはスーパーローテーションで、救急だけでなく内科、外科、産婦人科などもプログラムに組み込まれています。徳洲会の「救急は断らない」、「何でも診る医療」は、私の目指す方向と同じでした。
しかし、入職から1年間は、できないことが多すぎるという局面にぶつかってしまいました。
電子カルテを使えない、点滴もできない、どんな薬を出せばいいのかわからない、先輩医師や看護師の言葉が理解できない。その都度、確認する日々が続きました。
離島・へき地の研修は2年目からで、私は奄美大島の名瀬徳洲会病院(鹿児島県)に行きたいと望んでいましたが、じゃんけんで決めた結果、今年の6~7月に新庄徳洲会病院(山形県)に行くことになりました。
鎌田實 著 集英社刊 定価540 円+ 税
新庄病院で困ったのは、患者さんが何を話されているのかわからないこと。「どうですか?」と尋ねると「やんべだなぁ」の答えが返ってきます。これは「大丈夫だ」という方言で、当初は苦労の連続でした。
私の目標はさまざまな疾患に対応できる総合診療医。地域の方に信頼される医師を目指して、さらに努力していきます。