徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)01月14日 火曜日 徳洲新聞 NO.1474 4面

稲邊・榛原病院副院長
『プリマドンナ・デル・モンド』
世界第一の女性テーマに小説出版

榛原総合病院(静岡県)の稲邊富實代副院長は『プリマドンナ・デル・モンド~誰も知らないモナリザの秘密~』(幻冬舎刊、1,870円)を出版した。同書はイタリアの女性貴族、イザベラ・デステをモチーフにした長編小説、そこに込めた思いを聞いた。

「ひとりでも多くの方にイザベラを知っていただきたい」と稲邊副院長『プリマドンナ・デル・モンド~誰も知らないモナリザの秘密~』(幻冬舎刊、1,870円)

──同書の内容は?

稲邊◦15世紀、イタリアは多くの国々に分かれていました。そのひとつフェラーラを治めるフェラーラ公爵の長女に生まれたイザベラは15歳の時、隣国マントヴァを治めるマントヴァ侯爵フランチェスコ・ゴンザーガのもとに輿入れします。小国マントヴァをヨーロッパの芸術と文化の中心にしようとイザベラは心血を注ぎました。18歳の時、イザベラは「プリマドンナ・デル・モンド(世界第一の女性)」とまで呼ばれるようになりました。

しかし、その2年後、突如フランスの大軍がアルプスを越え、イタリアを征服しようとなだれ込んで来たのです。ルネッサンスの花が咲き誇っていたイタリアは、たちまち地獄と化しました。過酷な運命のさなかに巡り会ったレオナルド・ダ・ヴィンチ。そして国を、国民を守るため、身の危険を顧みずイザベラはある行動を取ります。

──同書を書いたきっかけは?

稲邊◦大学医学部5年生の夏休みに1カ月間で書き上げました。今、読み返してみて「どうして私にこのようなことが書けたのかしら?」と不思議に感じることばかりで、そもそも素人が1カ月間で書けるような作品ではありません。仏師の運慶は「自分が仏像を創るのではない。木の中に埋まっているのだ。それを彫り出すだけだ」と言いましたが、私は「この作品も木の中に埋まっていたのだ」と感得したのです。この人を埋もれさせたくない。ひとりでも多くの方にイザベラを知っていただきたい。これが私の悲願でした。

──イザベラの魅力はどこにありますか?

稲邊◦アカデミックな学究生活に憧れていた医学生の私は、イザベラを知って初めて「国を、国民を守る」ということに目覚めました。外交の力で、いかにして武力侵攻から国を守るか……日本を取り巻く国際情勢が厳しさを増すなか、イザベラ・デステ生誕550年の今年、彼女の生きざまは、われわれに多くの示唆をもたらすでしょう。

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