徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
Tokushukai medical group newspaper digest
2025年(令和7年)01月14日 火曜日 徳洲新聞 NO.1474 3面
第44回医療情報学連合大会が昨年11月21日から4日間、福岡県で開かれた。大会テーマは「デジタルヘルスの新未来」。徳洲会グループは6演題を発表し、とくに徳洲会インフォメーションシステム(TIS)が5演題と精力的だった。
大会参加を通じ研鑽する病院とTISのSE(前列左から2人目が福田・部長代理)
TISの福田秀樹・導入管理部長代理はシンポジウムで発表。「グループ病院でのセキュリティ対応とその課題~システム監査を中心に」と題し、徳洲会グループ内で行っているシステムセキリュリティ監査について紹介した。
福田・部長代理は、まずグループのIT管理・推進体制に言及。TISと、グループ病院に所属するシステムエンジニア(SE)で構成する徳洲会情報システム管理部会(SE部会)が担っていることを説明し、今回のテーマでもあるサイバーセキュリティ対策にも注力している点を強調した。
監査は電子カルテの導入病院を対象に、2017年から実施。1回当たり1病院とし、50項目に及ぶチェックシートに基づき関係文書類を提出してもらい、まずは文書監査を行う。後日、結果を通知し、約2週間後に現場を訪れ丸1日かけてヒアリングするとともに目視で確認。各監査項目を3段階で評価し、コメントを付して、最後に病院幹部や院内のシステム委員会メンバーの前で総評を行う。
現地監査から10日前後で監査報告書を病院に送付し、病院は指摘事項を改善していき、3カ月後に改善報告書を提出する。監査員は、SE部会の各ブロック(監査を受ける病院の所属ブロック)長をリーダーとし、同部会の法令順守部門メンバーから2人、TISから2人の計5人。
福田・部長代理は、こうした流れや体制、チェックシートなども提示しながら解説。これまで15病院の監査を終えたことを明かし、多くの病院で良い評価だった項目、逆に課題が残る項目などを示した。
また、病院ごとの評価結果を分析したところ、施設の規模や在籍しているSEの人数には明確な相関が見られなかったことを指摘。
あらためて監査報告書やチェックシートを見直した結果、成績上位の病院には、①院長や事務長ら病院幹部がセキュリティの重要性を認識している、②SEのセキュリティ知識レベルが高い、③SE以外の職員も基本的なセキュリティの知識をもっている、④院内の情報システム委員会が機能しており、SEとともにセキュリティ対策を担っている――といった共通点があることを示唆し、「病院幹部と職員が意識を高めることで、サイバーセキュリティのレベルも向上します」と締めくくった。
このほかTISは4演題をポスター発表。庄畑吉之助SEが「モバイルアプリケーションによる棚卸業務の効率化」、石川大介SEが「電子患者日誌と電子カルテのリアルタイム連携アプリケーションの開発」、江村葵SEが「徳洲会グループにおける患者向けアプリケーションを用いた患者満足度の向上」、榛木智士SEが「徳洲会グループの臨床研究における問診システムの活用と進捗のリアルタイム共有」をテーマに発表した。
また、鹿児島徳洲会病院の福留雄策・情報システム管理室係長 (SE部会医療DX部門長)がランチョンセミナーで発表した。