徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)5月17日 月曜日 徳洲新聞 NO.1287 一面

座談会 再生医療の未来を語る!

今回の研究にあたった(左から)湘南鎌倉病院の浅原孝之・予防医学センター未病治療診断科部長兼細胞培養・ゲノム細胞分析室室長、小林修三・院長代行兼腎臓病総合医療センター長、大竹剛靖・副院長兼再生医療科部長、鈴木洋行・腎臓病総合医療センター部長

小林:4月に先端医療センターがオープンし、その中で再生医療センターが始動しました。

大竹:浅原先生が発見したCD34陽性細胞を活用した再生医療は、透析患者さんへの重症下肢虚血(先進医療B)から始まり、今回、急性腎不全でも結果を出しました。再生医療センターも発足し、世界に発信できるチームができたことは意義あることです。

小林:基礎研究から発展した再生医療を一般病院で提供できるようになったことは画期的です。

浅原:CD34陽性細胞を用い下肢虚血に加え、急性腎不全、脊髄(せきずい)損傷、肝硬変と幅広い疾患を治療している施設はほかにありません。このセンターで新しい臨床研究を行い、世の中に発信していけたら良いと思います。また、患者さんの診断に、自分の血液細胞がもつ「再生力」を合わせて考えることが重要になってきます。今後は患者さんの再生能力も診断し、予防医学に生かす研究も進めていきたいと考えています。

鈴木:私はこれまで高血圧がどのように体に悪いのか研究してきましたが、再生医療により根本から治す方法があることがわかり驚きました。

小林:今回、世界で初めて急性腎不全に対し、CD34陽性細胞移植治療を行いました。これまで重症下肢虚血での実績がありましたので、私には急性腎不全にも効果があると確信していました。

大竹:実際の手技は両側の腎動脈に直接細胞を注入するという方法でした。前例がないなか、あらゆる有害事象の可能性を考えたうえで治療にあたりました。

小林:CD34陽性細胞について詳しく説明してください。

浅原:血管自体を再生する遺伝子治療を研究するなかでCD34陽性細胞を発見しました。当時、この細胞は血液をつくる幹細胞として、採取する方法が解明されていたので、それを応用して血管再生のために採取する方法を確立しました。

小林:その技術を活用し、急性腎不全に対し、予想を上回る成果を上げたことは感無量です。基礎研究は大学だけでなく、一般病院でも実施すべきと考えています。基礎と臨床は本来ひとつのもので、重要なのは患者さんのためになるということです。これから再生医療センターで、世界中の患者さんを助けると同時に、湘南ヘルスイノベーションパーク内に設立した「湘南先端医学研究所」でも、さまざまな基礎研究を進めていきたいと思います。そして新たな目標は、慢性腎不全の患者さんにも再生医療を行い、透析医療を受ける必要がなくなることです。

大竹:再生医療センターが発足する際には、「最先端の再生医療を当たり前の医療として提供する」という目標を掲げました。今後もより良い治療を開発し、ひとりでも多くの患者さんに貢献していきたいと考えています。

浅原:私は目標が3つあり、まず再生医療の新たな展開を当院から発信していきたい。そして体の中の再生力を予防医学に生かしていきたい。最後に、新しい治療を開発するための基礎研究の充実を図りたいということです。

鈴木:患者さんと向き合うことを大事にしたいので、再生医療を適用できる疾患の種類を増やすなど、発展性のある活動ができれば良いと思います。

小林:私たちは臨床に誇りをもち、つねに「最善」を考えています。その精神と徳洲会グループのサポートがあったからこそ、今回の治療は実現しました。これからも、どんな治療でもあきらめることなく一歩ずつ積み上げて、新しい医療を実現していきたいです。最後に、新型コロナ感染症にかかった多くの透析患者さんや移植患者さんを診るなかで、新しい治療を行った先生方に感謝します。

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