徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2021年(令和3年)1月1日 月曜日 徳洲新聞 NO.1268 二面

徳洲会グループ未来予想図
先端医療センターがオープン
包括的がん治療積極化

2021年の開院に向け建設が進む先端医療センター2021年の開院に向け建設が進む先端医療センター

がんの三大治療とは手術、化学療法(抗がん剤)、放射線治療を言う。近年はこれらをベースに、陽子線治療やBNCT(中性子捕捉療法)など先端的な医療を導入、治療の選択肢を増やす取り組みも盛んだ。一方、痛みの治療や緩和ケア、患者さんや家族への精神的ケアなどの早期介入も活発化、包括的がん治療にシフトする傾向が顕著だ。

包括的がん治療のひとつとして、徳洲会グループの多くの病院では「キャンサーボード」を実施。これは多診療科・多職種の参加により、多角的な視点で患者さんへの最適な治療方針を検討、さらに多くの医療従事者の目に触れることで独断的な治療を防止するのが目的だ。

徳洲会オンコロジー(腫瘍学)プロジェクトは2017年頃から、多施設にまたがるWEBキャンサーボードを実施。これがコロナ禍でも活用され、多様な症例を検討。なかでも肺がんキャンサーボードは20年までに計180回、430症例を取り上げた。

同プロジェクトでは、がん登録や徳洲会統一の標準レジメン(抗がん剤など薬剤の種類、量、期間、手順などを定めた治療計画書)の整備による標準治療の充実など積極推進。また、20年にはコロナ禍で休止していた肺がん研究会、乳がん研究会、消化器がん研究会などグループ横断的な勉強会も、21年には感染状況を見て開催を検討していく。

徳洲会初の陽子線治療 より体に優しい医療を

陽子線がん治療装置など先端的な医療機器を配備陽子線がん治療装置など先端的な医療機器を配備

高度な放射線治療を院内で実施できる病院も増えた。20年には南部徳洲会病院(沖縄県)が「サイバーナイフM6」をグループ初導入、岸和田徳洲会病院(大阪府)と湘南鎌倉総合病院(神奈川県)がトモセラピーの最新機器「Radixact with Synchrony(ラディザクト ウィズ シンクロニー)」を取り入れた。21年4月には東京西徳洲会病院にもラディザクトを導入予定だ。

医療法人沖縄徳洲会(沖徳)は21年4月、湘南鎌倉病院の本館西側の敷地に「先端医療センター」を開設する予定。同センターでは陽子線治療やBNCTの装置を徳洲会グループで初導入する。

陽子線は体表面から深い位置でエネルギーが急速に高まり、その後、急速に低下。狙った病変に強い線量を効率良く集中照射できることから、他の正常組織へのダメージが軽減するのが特徴。18年4月の診療報酬改定で保険適用が拡大し、頭頸(とうけい)部がん、骨軟部がん、前立腺がん、小児がんの一部が保険診療となった。

一方、BNCTは、がん細胞に取り込まれやすいホウ素化合物を利用した治療法。ホウ素化合物を静注して中性子を照射すると、反応してα線が発生し、がん細胞を内部から破壊する。

沖徳の篠崎伸明副理事長(湘南鎌倉病院院長)は、「がん患者さんの高齢化が進むなか、より体に優しい医療が求められています。そのために新しい医療を他に先駆けて導入するのは、大きな意義があります。さらに、三大治療を終え治療の選択肢がなくなった『がん難民』の方々の受け皿、心疾患や糖尿病、認知症など多様な疾患を併発しているがん患者さんの受け皿として、〝がん患者さんを断らない〟方針を貫いていきたいです」と強調する。

同センターの開設時には、まずPET(陽電子放射断層撮影)検査装置や、同検査の診断薬を作製するための設備を稼働する計画。同検査は、がんの診断だけでなく、種々の病気の治療効果の判定や、治験参加者のスクリーニング(選別)などにも活用できる。

湘南鎌倉病院には年間2000人ほどのがん患者さんが訪れるが、これまで湘南厚木病院(神奈川県)で同検査を実施していた。同センターへの同装置の導入で、より効率的に検査や治療効果の判定ができるようになり、患者さんの負担も軽減する。

今後、徳洲会グループ初の〝包括的がんセンター〟として、がん医療の強化を積極推進していく。

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