2019年(令和元年)7月1日 月曜日 徳洲新聞 NO.1191 四面
離島・へき地 病院特集
院長からのメッセージ
「一緒にやりましょう!!」①
離島・へき地・農村地帯に立地する徳洲会病院には、その地域ごとに、さまざまな魅力がある。離島・へき地に腰を据え、日々、診療・経営にあたっている院長に、自院の特徴や他ではなかなか経験できないことなどを語ってもらった。
「入り人」多い魅惑の島 緊急時供血者登録制度も
屋久島徳洲会病院 山本晃司院長
私は妻と一緒に屋久島に移り住んで、もう21年になります。この島は定住する医師が多いのが特徴です。医師に限らず、島外から移住した「入り人」が半数以上いる地域もあります。島唯一の病院である当院ですが、輸血用血液の備蓄がないため、緊急時供血者登録制度を設けており、いざという時は登録者の方々が血液を提供してくださいます。自分たちの島は自分たちで守るという意識がとても強く、また当院を信頼していただいている証しとも言えます。
高齢者の方々が安楽に暮らせるアイランドへ
喜界徳洲会病院 浦元智司院長
当院の院長に就任して5年目になりますが、一番大きな成果は人とのつながりです。徐々に島に溶け込み、お互いにわかり合えるようになると、この島の方々を守っていかなくてはという気持ちが本当に強くなります。
当院は喜界島唯一の病院で、島の方々にとっては、まさに「かかりつけの病院」です。患者さんの背景もよく見ることができ、プライマリケアの神髄を習得することができます。私の夢は、この島を高齢の方々が安楽に暮らせる「ケアアイランド」にしていくことです。
努力と工夫で特色打ち出す
笠利病院 岡進院長
当院は特色を出すため腰などの痛みに対するペインクリニックに取り組み、各種ブロック療法を実施。あわせて漢方や有効と思われる治療も取り入れています。医師が少なくても努力と工夫で特色ある病院づくりはできます。空港から近く学会参加も十分可能です。おすすめのスポットは奄美大島最高峰の湯湾岳。鬱蒼(うっそう)としたヘゴの木のトンネルをくぐると、ジュラシックパークの世界に迷い込んだような興奮を味わえ、展望台からの景色は絶景です。
都会と離島の良さミックス
名瀬徳洲会病院 松浦甲彰院長
当院の立地する奄美大島には県立病院もあり、島内でたいていの医療は完結することができます。また、朝から晩まで救急の対応をしているわけではなく、ひとりの患者さんにじっくり向き合う時間があるなど、都会と離島の良さがミックスしていると思います。
休日は釣りを楽しんでいて、先日も大物を釣って病院で自慢しました。遠い場所から見ていると離島の生活は大変だと思われがちですが、実際はストレスもほどほどに楽しんでいます。
「離島の離島」へ 研修ツアーを実施
瀬戸内徳洲会病院 高橋和範院長
当院は奄美大島の南西に位置し、対岸には加計呂麻島があります。そのさらに先には「離島の離島」があり、研修医はその島々に研修ツアーに行きます。島に上陸し、南国特有の木々が生い茂るなかを歩いて行くと、急に視界が開け、そこには集落があります。
この小さな島々にも住まわれている方々がおり、当院に足を運んでくださっているのです。ぜひ、当院に研修に来て、離島の離島と呼ばれる島々に渡り、この地でしか得られない息吹を感じていただきたいと思います。
新築移転を計画 より働きやすく
徳之島徳洲会病院 藤田安彦院長
当院は横のつながりが強く、互いに助け合いながら医療を実践しているのが特徴。仕事終わりや休みには、職種関係なく飲みに行ったりマリンスポーツを楽しんだりしているようです。当院のホームページに私が撮影した写真を掲載していますが、職員同士の仲の良さも伝わると思います。
現在、新築移転に向けて動いていますが、職員がより働きやすく、地域に貢献できる病院をつくっていきたいと考えていますので、楽しみにしていてください。
豊かな自然で地域医療学ぶ
沖永良部徳洲会病院 玉榮剛院長
当院は今、地域の医療・介護施設との機能分化・関係強化を図っています。島の方々は地元の医療機関を受診する希望が強いため、島全体をひとつの医療機関に見立て対応するイメージです。定期的に顔を合わせては、忌憚(きたん)のない意見交換を図っています。もちろん、当院のレベルアップも欠かせず、教育にも力を入れています。
穏やかな気風や豊かな自然から、住みやすく子育てにも良い環境のなかで地域医療を学べます。
身体診察などスキルが向上
与論徳洲会病院 久志安範院長
徳洲会は離島・へき地病院にもCTやMRI、電子カルテなどを導入しています。しかしマンパワー不足で夜間のCT検査などではスタッフを呼び出す必要があります。その分、医師に判断力が求められますが、身体診察などのスキルが養われる環境とも言えます。島内で完結できない時は搬送先まで自衛隊ヘリに添乗することがあり、離島ならではの体験もできます。
与論島はとにかく海がきれい。ダイビングなど一年中楽しめます。
職員が仲良くイベント参加
宮古島徳洲会病院 斉藤憲人院長
宮古島は時間がゆっくり流れている感じで、気持ちが穏やかになります。大学で働いていた時より家族と過ごす時間が増えました。研修医も休日に職員と釣りやダイビングなど楽しみ、短い宮古島ライフを満喫しています。先日も有志の職員でビーチバレー大会に出場していましたが、こんなところでもチームワークの良さを発揮しているようです。
また当院には女性医師も多く、その人に合った働き方ができるのも魅力だと考えています。