病気の治療
medical treatment
medical treatment
前立腺肥大症とは、文字どおり前立腺が肥大する病気で、55歳以上の男性5人に1人がかかっているといわれています。
前立腺は男性だけにある臓器で膀胱のすぐ下にあり、尿道の周りをぐるりと囲んでいます。そのため前立腺が肥大してくると、いろんな症状や日常生活に悪影響が生じます。代表的な症状は、「頻尿」「尿が出にくい」「残尿感」などです。前立腺が肥大する原因は、まだわかっていませんが老化や男性ホルモンが関係しているということがわかっています。
前立腺肥大症が前立腺がんに進むことはありませんが、症状が似ているため注意が必要です。軽度であれば薬物療法により経過をみることはできますが、根治させることは難しく、進行すると尿が出せなくなる状態となります。そのためゴムでできているカテーテルという管の挿入が必要になり、尿路感染という高熱を伴う感染症を引き起こしたり、腎臓の機能に障害を起こし腎不全(尿毒症)に至る場合があります。
自覚症状の評価のための質問表や排尿の状態を記録する排尿日記、直腸から指を入れて行う診察(前立腺のがんの診断に大切)、尿をした後に膀胱内に尿が残っているか調べる残尿測定、尿の勢いをみる尿流検査、前立腺の大きさを測る超音波検査などがあります。尿に感染があるか調べる尿検査、がんの診断に有効な血液検査であるPSA検査なども必要になります。
泌尿器科のある病院での診察が必要です。排尿障害を引き起こす病気は前立腺肥大症以外にもがんや、他の病気がたくさんあるため、他の病気と見分けて治療を開始することが大変重要となります。
治療については、前立腺肥大症ガイドランに即して行われます。
まず内服薬による治療がありますが、全く尿を出せない場合は早めに手術による治療が必要となりこともあります。内服薬の治療に関してはそれぞれの症状に合わせて薬を選び、治療が始まります。
外科的治療は内視鏡による治療が主に行われます。
術後は、経尿道的前立腺切除術とほぼ同様の経過です、傷口を安静に保つため尿道に尿道カテーテルという管が2~3日入ります。通常、手術翌日より歩行可能です。食事は通常は手術当日の夕より開始となります。
また、くり抜いて取り出した組織のなかに前立腺がんがないかどうか、約2週間かけて調べます。結果が判明次第お話いたします。
尿道カテーテル抜去後、発熱がなく、血尿の程度が軽度で、排尿痛や排尿困難が自然に消失可能と主治医が判断したときに退院可能となります。通常5~7日で退院となります。
TUR-PやHoLEP以外の外科的治療には以下のようなものがあります。