徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

病気の治療

medical treatment

眼科の病気:緑内障

概要

緑内障は眼球の奥にある視神経が障害され、視野に異常が出る病気で、日本では失明原因の1位となります。視神経の障害は、眼圧の異常により発症します。眼の中を満たす房水が、隅角でうまく排出できなくなることで眼圧は上がりますが、そのメカニズムの違いにより「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」に分かれます。ほかに「正常眼圧緑内障」もあり、日本人に一番多いのがこの病型です。開放隅角緑内障や正常眼圧緑内障では、自覚症状はほとんどなく、視野異常を自覚した時には末期に近いケースが多いです。

閉塞隅角緑内障では、急性緑内障発作を引き起こすことがあります。急激に眼圧が上昇することで、眼の痛みや充血に加え、頭痛や吐き気が起きることも特徴です。救急搬送され、脳神経外科や消化器内科の医師が診ても原因がわからず、眼科に紹介されるケースがあります。緑内障の発見が遅くなると、失明のリスクが大きくなるため、こうした症状がある場合は、眼圧検査も重要になります。

検査

緑内障は眼圧検査や眼底検査、隅角鏡検査、視野検査などで総合的に診断します。眼圧の数値は角膜の厚みに影響されます。角膜が厚いと眼圧は高くなり、薄いと低くなるので、眼圧の数値だけでなく、角膜の厚みも考えて診断しなくてはなりません。また、10年ほど前からは、OCT検査(眼底3次元画像解析)が主流になってきました。これは網膜の断層画像を撮影する検査で、ごく初期段階の「前視野緑内障」まで発見することができます。

治療

治療は目標眼圧を設定したうえで、薬物治療やレーザー治療、手術を行います。緑内障の場合、一度進行した視力障害や視野障害は治療をしても回復しません。これらの治療は、いずれも眼圧を下げるために行うものであり、見え方を改善するものではありません。

薬物治療では、緑内障の病型や重症度、眼圧の程度に応じて薬を選びます。原則として1剤から始め、眼圧に応じて追加していきます。複数の薬を使用する場合、先に点眼した薬が流されて効果が弱くならないように、5分以上間隔を空けるようにしましょう。また、眼圧が正常に戻っても点眼をやめてはいけません。緑内障は生涯にわたる慢性的な病気なので、毎日決められた点眼を続けることが必要です。

薬物治療で効果が出ない場合は、詰まっている線維柱帯(隅角にあるフィルター)にレーザーを照射し、房水の通りを良くする治療を行います。それでも眼圧が十分に下がらない場合は、線維柱帯切除術や線維柱帯切開術、チューブシャント手術などを選択します。

最後に

緑内障は高齢になるほど有病率は高くなり、40歳以上では約20人に1人の割合で罹患します。一度失った視力や視野は治療をしても回復しないため、早期発見、早期治療が大切です。40歳を過ぎたら、定期的に眼科で検診を受けましょう。また、3月上旬は世界緑内障週間。緑内障の認知と啓発に向け、各地のランドマークや医療施設などがグリーンにライトアップされます。

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