徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

離島・へき地医療

Remote island / Remote medical care

離島でも最先端の医療を

課題と取り組み

鹿児島本土と沖縄県のはざまにある奄美群島は、本州から遠く離れた地理的条件や台風銀座といわれる厳しい自然条件下にあり、医療提供体制や交通基盤の整備の立ち遅れなど、自立的発展の基礎条件は未だ確立されていない状況にあります。
日本全体が超高齢化、人口減少社会にあるなか、奄美群島の人口も1955年以降、減少を続け、1980年代にわずかに増加に転じたが、1985年からは再び減少しています。とくに若年の労働人口の減少が著しい一方、65歳以上の高齢者は増えているのが現状です。

国は医療従事者、医療施設などの確保や有効活用を図り、高齢化の進展に応じた地域包括ケアシステムの構築を推進しています。徳洲会グループでは、このような高齢者を抱えた奄美群島で、7病院を含む32施設を展開、地域の実情に応じ、高齢者が住み慣れた地元で、その有する能力に応じ自立した日常生活ができるよう医療・介護・福祉サービスを一気通貫で提供しています。
徳洲会グループ全体に目を転じれば、全国の徳洲会病院で患者情報の共有を一段と強化するため、電子カルテシステムなどICTを積極的に導入、これによりマンパワーを補完する形で情報ネットワークを広げています。今後は、奄美全体の患者の診療内容などの電子カルテデータをもとに、本土の大病院が遠隔診断・診療から予防医療、介護まで積極的に介入していく方針です。
高齢化が進んでいる奄美群島で、外来受診が困難になった高齢者が、自宅で安心して医療が受けられるよう、徳洲会グループは「お年寄りを支えるシステムづくり」を進めています。今後は在宅服薬指導、在宅栄養指導、在宅リハビリテーションなどを通じ、できるだけ自宅に入院ベッドがある状況に近づけるよう努力していきます。

徳之島徳洲会病院の課題・取り組み
徳之島は奄美大島に次いで面積が広い島であり、徳之島三町のひとつ伊仙町の2008~12年の合計特殊出生率(ひとりの女性が一生に産む子どもの平均数)は2.81を数えるなど、日本一の “子宝の島” としても知られています。 しかし、この島で分娩施設は徳之島徳洲会病院のみで、 妊婦健診や出産に対応しているが、産婦人科医をリクルートしたくても小児科に対する支援がなければ、入職希望の産婦人科医は二の足を踏んでしまいます。このため本土の徳洲会病院から小児科医が応援に入っています。今後とも子宝の島を守るため産婦人科医、小児科医の定着に、さらなる努力が必要と考えています。
与論徳洲会病院の課題・取り組み
与論島では、島民のほとんどが希望して自宅で死を迎えます。このため、それにあわせた訪問診療が重要となっています。今後とも地域特性を踏まえた医療の対応に努めていく方針です。
名瀬徳洲会病院の課題・取り組み
名瀬徳洲会病院では、台風に遭遇し豪雨被害に遭った際、同院内外からベッドを集め、奄美市災害対策本部に収容可能人数を伝え、被災した介護施設の入所者をスムー ズに収容しています。沖永良部徳洲会病院でも、台風襲来時には停電などで食事の支度ができない地域住民を病院に収容し、食事を提供しています。
なお、沖縄県の宮古島徳洲会病院は毎年、襲来する台風に備えて独自に「台風対応マニュアル」を作成。台風被災者を出さないよう台風接近前に外来予約の変更を行い、台風圏内に入る前に勤務交代予定者を院内に待機させ、台風圏内では救急患者以外、職員と患者の病院出入りを原則、禁止しています。
徳洲会グループは、そのスケールメリットを生かした 「一点突破の水平展開」を行いやすい環境にあります。こうした台風対策を通じて得た貴重な経験を、他の台風常襲地の離島病院の安全対策にも鋭意、取り込んでいます。

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