離島・へき地医療
Remote island / Remote medical care
Remote island / Remote medical care
離島・へき地では、それぞれ地域の医療事情や地理的条件などに差異があるものの、総じて医療資源に乏しいのが実情です。徳洲会グループでは離島・へき地のマンパワー不足を解消するため、医師をはじめとする医療従事者の確保に鋭意、努めているが、離島・へき地に身を投じる医療従事者のリクルートは困難を極めています。
これに対し離島・へき地の医療機関では、医師、看護師、 コメディカル、事務職など各職種が包括的に連携、さらに離島・へき地外の徳洲会病院からの応援職員が加わり、同地の医療を支えています。
応援職員としてはグループのスケールメリットを生かし、主に都市部の大規模病院から短期・長期にわたり専門医や指導医クラスの医師を絶え間なく派遣しています。
また、徳洲会グループ内の診療科ごとの専門医などで組織する部会や湘南外科グループなどが音頭を取り、 離島・へき地に応援医師を派遣しています。
初期研修医、後期研修医に対しては離島・へき地ならではの全人的な医療を学ぶため、同地での研修を必須化しています。同様に看護師、コメディカルも応援職員が、マンパワー不足を補っています。現在、離島10病院の院長のうち5人は単身赴任で勤務。徳洲会の哲学・理念を実践し、同地の医療を守るため、長期の単身赴任生活を厭わず、献身的に医療に従事している院長もいます。離島・へき地での保健医療サービスの確保は、国の助言・ 指導の下、一義的には都道府県の責務であり、一民間の医療グループが使命感をもち、自前でこうした応援活動を継続 している例は他に類を見ません。
一般的に離島・へき地の医療機関では、医療機器・設備の充実にも限界があります。
しかし、徳洲会グループの離島・へき地病院は、すべての病院にCT、MRIなど高度医療機器・設備を導入し、都市部に近い医療サービスの提供に注力しています。また、透析機器なども整備し、離島・へき地外でしか治療を受けられず身体的・経済的負担を余儀なくされていた患者様が、同地に戻り、治療を受けられるようになりました。
鹿児島の奄美群島を例に見ると、最も広大な奄美大島に3病院を開設。群島の首都的性格を有する中心地の名瀬地区には名瀬徳洲会病院を配置し、徳洲会グループ離島ブロックの基幹病院として、群島内の他の病院、診療所、介護施設をフォローしています。北部には笠利病院、南部には瀬戸内徳洲会病院を設置。奄美大島の南隣には加計呂麻島、請島、与路島といった小島が連なっていますが、このうち加計呂麻島には加計呂麻徳洲会診療所を開設し、瀬戸内徳洲会病院と連携しながら診療にあたっています。
この瀬戸内徳洲会病院には最新型の128列マルチスライスCTを導入。60床の離島の病院が、こうした高度医療機器をもって同地の医療に貢献しています。このようにスタッフを揃え医療機器・設備を整備しても、専門医の少ない離島では、対応困難な救急患者が発生することもままあることから、島外への患者移送手段の確保には細心の注意を払っています。具体的には自衛隊や海上保安庁の航空機、沖縄県のドクターヘリに より、鹿児島本土や沖縄本島にある徳洲会グループ内外の高度・専門医療機関に患者を搬送するネットワークを構築しています。