
徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest

徳洲新聞ダイジェスト
Tokushukai medical group newspaper digest
2024年(令和6年)11月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1466 4面
和泉市立総合医療センター(大阪府)は手術支援ロボット「ダヴィンチ」の2台目を導入した。和泉市民の方から「地域医療の発展に」と和泉市に寄付金が贈られ、市が検討した結果、購入が実現した。1台目を導入した2020年以降、同機器を用いた手術件数は増加傾向にあり、それにともなって手術を受けるまでの期間が長期化。同院は「2台目の導入で手術のスケジュールも組みやすくなります」とし、「ご厚意に感謝し、今後も職員一丸で地域医療の充実に努めます」と覚悟を示している。
新たに導入したダヴィンチと、泌尿器科医師、呼吸器外科医師、手術室看護師。白衣姿が岡・特任病院長(左)と大関部長、その右が林泰司・泌尿器科部長
ダヴィンチは手術を支援する医療用ロボット。4本のロボットアーム、操作台、モニターの3つのユニットで構成。術者(医師)は操作台に座り3次元画像を見ながら遠隔でロボットアームを操作、モニターには手術中の画像を表示、他の手術スタッフと共有しながら手術を進める。
ロボットアームの1本は内視鏡、残りの3本は鉗子(臓器をつかんだり、引っ張ったりする器具)が備わり、それらを小さな孔から挿入し治療を行う。出血が少ないなど、患者さんの体の負担が少ないことや、鉗子の可動域が人間の手首よりも広く、従来では難しかったケースにも対応しやすいことなどが特徴。
日本では12年に前立腺悪性腫瘍の手術で初めて保険適用となり、その後、泌尿器をはじめ呼吸器、消化器、婦人科、循環器など各領域の手術(主に腫瘍)に適用範囲が拡大している。
和泉市立医療センターは20年7月に1台目を導入。1年目は25例の手術すべてが泌尿器関連だったが、21年以降は体制強化を図るなどして実績を伸ばし、手がける疾患も呼吸器など他の領域に拡大していった(図)。
現在、ダヴィンチによる手術が可能な医師は6診療科13人。4人はロボット支援手術の指導医資格も取得し、大関孝之・泌尿器科部長は日本ロボット外科学会の「Robo Doc国際A級認定医」の資格も有する。
同診療科のトップでもある西岡伯・特任病院長(近畿大学地域医療連携学総合講座泌尿器科部門教授)は「同資格は日本ロボット外科学会が定める専門医制度のなかで、最上位クラスのライセンス。国内に30人程度しかいません。地域のニーズが多く急速に症例が増えていくなか、ロボット支援手術に精通した医師がいることは頼もしい限りです」と強調する。


こうしたなか、今年8月末に2台目を導入。経緯について、竹原浩二・事務部長は「和泉市民の方からの和泉市への寄付金がきっかけです」と説明する。「“医療の発展のために”と贈ってくださったそうです。市と協議した結果、わかりやすい形として手術支援ロボットが良いのではとなり、安全面などから使い慣れているダヴィンチを導入させていただくこととなりました。今回の購入はすべて寄付金でまかない、当グループの負担はありません」。
9月から手術を実施、患者さんの予後を含め、すべて順調だ。西岡・特任病院長は「外科・内科問わずスタッフが協力的で病院全体に活気がある点が、実績が伸びている一番の要因」と指摘し、「症例が増え、患者さんの手術待機期間が長くなる傾向にありましたが、1台増えたことで手術のスケジュールがスムーズに組めるようになりました」と強調。「当院は国指定の地域がん診療連携拠点病院ですので、さらに手術件数を増やしていきたいと思っています」と意欲を見せる。
大阪府下では64施設で70台以上のダヴィンチが稼働(9月時点)。そのうち大阪府南部でダヴィンチを2台導入している病院は和泉市立医療センターを含め3施設。なお、徳洲会グループでは現在、27病院がダヴィンチを含め手術支援ロボットを導入している(表)。