徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2023年(令和5年)02月13日 月曜日 徳洲新聞 NO.1376 4面

おくすりレクチャー
ポリファーマシー(多剤併用)
薬を適正に服用する

中谷孝史 岸和田徳洲会病院(大阪府) 前・薬剤部長

ポリファーマシー(多剤併用)とは、薬剤数が多いことで、さまざまな健康上のリスクなどを引き起こすことを指します。一般に6種類以上がポリファーマシーの目安とされ、複数の医療機関に通院し、それぞれから薬を処方されることで、ポリファーマシーとなることが多いです。

ポリファーマシーで起きる問題として、主に次の5つが挙げられます。①薬の数が6種類以上になると、薬物有害事象(医薬品の服用後に起きる健康上の問題)の発生頻度が高まる、②転倒リスクが増加する、③複数の薬を飲むため服用タイミングや服用法がわからなくなり、アドヒアランス(服薬遵守)が低下する、④飲み忘れ、飲み残しによる残薬問題が起きる、⑤医療費の無駄遣いになる。

最近は、処方剤数が多い向精神薬や睡眠薬によるポリファーマシーが注目されています。たとえばベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、患者さんから「よく眠れる」と満足度が高い一方で、薬物依存や認知症を誘発するとされています。そこで処方に際し、投与する薬剤数を減らしたり、投与期間を短くしたりし適正化を図っています。

薬を減らすと聞くと「再発するのでは?」と不安に思うかもしれません。しかし、薬の効能よりもポリファーマシーのリスクのほうが強く出る場合もあります。時には、症状が改善したのに薬が処方され続けていることもあります。患者さん自身も疑問があれば、薬剤師など専門職に相談し、適正な薬の服用につなげていきましょう。

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